振付家とは一般的には何をどうバレエにしたいと思うのでしょうか?
ちょっと調べて見ました。
ーーーーーーーーー《バレエ創作ハンドブックより抜粋》ーーーーーーー
《予備知識》
初期のバレエマスターの任務は「ダンサーに正しい礼儀作用と一緒に宮廷舞踊の優雅繊細な技を教える」ことにあった。
ーーーーーーーーー《バレエ創作ハンドブックより抜粋》ーーーーーーー
→ 礼儀と技。うーん、厳しいお母さん、みたい?マナーとDicipline…
【宮廷】というのがキーワードですね。つまり観客は王様で、一般市民では
ないから礼儀と技が必要だったのですね。
ーーーーーーーーー《バレエ創作ハンドブックより抜粋》ーーーーーーー
■バレエのインスピレーションの源泉
①ダンス ダンスそのものからインスピレーションを得てバレエに発展させたもの 例:ブルノンヴィルの「コンセルバトリエ」
ダンスそのものがバレエの主題になった初めてのバレエ。
②音楽 音楽からインスピレーションを得てバレエに発展させたもの。
19世紀以前は振付家が作曲家に作曲させた。
例えばプティパの「眠り」はスコアにバリエーション、マイム、
ディヴェルティスマンまで書き込まれている。
例:ゴルスキーはグリンカの「幻想ワルツ」を使って最初の
抽象バレエを作った。音楽そのものがバレエの創造のもと。
フォーキンに続き、ショパンの「レシル」、サンサーンス「瀕死」、
シューマン「謝肉祭」、ウェーバー「舞踏への勧誘」でのニジンスキー
「ばらの精」を生んだ。フォーキン/ストラヴィンスキー「火の鳥」
「ぺトルーシュカ」でダンスと音楽が対等に協力し合う関係が
出来上がった。
※1945年以後、音楽そのものを題材にしたバレエが増えた。
バランシンのバッハ「二台のバイオリンのための協奏曲」を使った
バレエなど。
③文学 文学からインスピレーションを得たもの。
例:「ハムレット」ヘルプマン、アシュトン「真夏の夜の・・」
2つの方向性がある。
・ありのままに表す/・隠れた意味を表す(寓意)
1.神話と伝説
例:バランシン「アポロ」 ストラヴィンスキー
2.聖書 例:バランシン「放蕩息子」、ドゥ・バロア「ヨブ」、アシュトン 「賢い聖処女」
3.戯曲 例:「ロミオとジュリエット」「青い鳥」
「欲望という名の電車」テネシー・ウィリアムズ
4.詩 例:プーシキン「バフチサライの泉」
※「チャイコフスキーは詩と音楽をひとつにした。
その渾然一体となった美しさがプーシキンの天才をまじかなものに
感じている観衆の心情に訴えるのです。チャイコフスキーの音楽と
プーシキンの言葉を引き離してしまったら、ともに無意味なものに
なってしまう、というほかありません」
5.小説 例:「ドンキ」、ヴィクトルユゴーの
「ノートルダム・ド・パリ」からプティパ作「エスメラルダ」
6.伝記 例:初のアメリカバレエ、ユージン・ローリングの
「ビリー・ザ・キッド」、
アンネ・フランクの日記を基にしたマクミランの「隠れ家」
④オペラ 例:「カルメン」
⑤絵画 多くない。例:ホガースの絵画を下敷きにしたドゥ・ヴァロアの
「放蕩児の遍歴」、マクミラン「レクイエム」
⑥娯楽、スポーツ、ゲーム 例:アシュトン「スケートをする人々」
ニジンスカ「ブルートレイン」、バランシン「カード遊び」
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バレエは総合芸術とよく言われますけど、どうもレッスンに出ているだけでは
ピンとこなかったんですがそれもそのはずですよね。
私の好きな漫画『のだめ・・・』でも音楽の主題の繰り返しや時代的意味が
分かるには音大生でもエライ勉強しないと分からないみたいですもん。
一介のクラシック好きくらいでは…でも音楽とバレエが夫婦のような関係にあることが分かりました。切っても切れない中ですね(笑)