ヘーゲル『哲学入門』 第二篇 論理学 第二節 [感覚から思考へ]
§2
Das Denken ist überhaupt das Auffassen und Zusammenfassen des Mannigfaltigen in der Einheit. Das Mannigfaltige als solches gehört der Äußerlichkeit überhaupt, dem Gefühl und der sinnlichen Anschauung an. (※1)
第二節 [感覚から思考へ]
思考とは、そもそも多様なものを一つの統一体として把握し、まとめることである。多様なものそのものは、一般的に外的なものであり、感情や感覚的な直観に依存している。
Erläuterung.
説明
Das Denken besteht darin, alles Mannigfaltige in die Einheit zu bringen. Indem der Geist über die Dinge denkt, bringt er sie auf die einfachen Formen, welche die reinen Bestimmungen des Geistes sind.
思考とは、あらゆる多様なものを統一的に把握し、一つにまとめることにある。精神が事物について考えることによって、それを単純な形式に変えて、その形式が精神の純粋な規定であることを示す。
Das Mannigfaltige ist dem Denken zunächst äußerlich. Insofern wir das sinnlich Mannigfaltige auffassen, denken wir noch nicht, sondern erst das Beziehen desselben ist das Denken. Das unmittelbare Auffassen des Mannigfaltigen heißen wir Fühlen oder Empfinden.
多様なものは、思考に対してはまず外的なものである。
私たちが感覚的に多様なものを捉えているかぎりは、まだ思考しているわけではなく、それらを関係づけることこそが思考である。多様なものを直接的に捉えることを「感じる」とか「知覚する」という。
Wenn ich fühle, weiß ich bloß von etwas; in der Anschauung aber schaue ich etwas als ein mir Äußerliches im Raum und in der Zeit an. Das Gefühl wird zur Anschauung, wenn es räumlich und zeitlich bestimmt wird.
私が感じるときは、ただ単に何かについて知っているだけであるが、しかし、直観においては、私はある物を空間や時間の中にある私にとって外的なものとして捉える。つまり感覚が空間的および時間的に規定されるとき、それは直観である。
※1
思考の働きとは、私たちが日常から得ることのできるさまざまな個別的な具体的な感覚や経験を、一つの意味のある全体へと、つまり普遍へとまとめて認識することである。
外的な事物に対して、私たちの意識が、感覚ー→直観ー→思考へと進むプロセスが説明されている。