夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』第二章 国家社会 第二十二節 [法の概念と国家]

2021年01月20日 | ヘーゲル『哲学入門』

Zweites Kapitel. Die Staatsgesellschaft.

第二章  国家社会


§22
Der Rechtsbegriff als die Gewalt habende, von Triebfedern der Einzelheit unabhängige Macht hat nur in der Staatsgesellschaft Wirklichkeit.(※1)


第二十二節
法の概念は、個人的な動機からは独立した力をもつ権力として、ただ国家社会においてにのみ現実性をもつ。

 

※1
そもそも本来的に社会性をもつ人間の意志は「法」として現象するが、その「法」が現実性をもつに至るのは国家社会(Die Staatsgesellschaft)においてである。国家によって担保された法は、権力を、暴力や実力をともなう。


「国家社会 Die Staatsgesellschaft」は、この章以下において考察される「自然社会 eine natürliche Gesellschaft(家族)」や「市民社会 Die bürgerliche Gesellschaft」とは概念的に明確に区別されている。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする