東京電力福島第一原発の敷地内に処理済みの汚染水がたまり続けている問題で、9月には韓国がIAEA(国際原子力機関)で「今も解決されていないままで、世界中に恐怖や不安を増大させている」などと述べた(朝日新聞2019-9-17など)。日韓問題がこじれまくっている今言われるとカチンとくるが、汚染水については日本人だって懸念しており、「丁寧に説明してきている」という日本政府の主張に説得力は感じられない。「丁 . . . 本文を読む
賭け事はよくない。当たり前のことだと思うのだが、この国にはどうしてもカジノを作りたい人がいる。たとえば横浜では最近市長が「白紙」の態度を豹変させて招致に名乗りを上げた。横浜港運協会の会長などが反対している(過去ブログ)一方、横浜商工会議所はカジノを含む統合リゾート(IR)の推進派だ。どういうことだろうと思っていたのだが、その副会頭の見解が新聞に載っていた(朝日新聞2019-9-29横浜版)。
副会 . . . 本文を読む
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への交付が決まっていた国の補助金約7800万円を交付しないと、萩生田光一・文部科学省が9月26日に発表した。トリエンナーレをめぐっては、その中の一企画展である「表現の不自由展・その後」の展示内容に脅迫やテロ予告を含む抗議電話が殺到して中止に追い込まれており、一部政治家も問題視する発言をしていた。
当然、憲法が禁じる「検閲」に当たるなど批判が上がっている。文 . . . 本文を読む
脅迫やテロ予告を含む電話攻撃が殺到して中止に追い込まれたあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」について、愛知県の大村秀章知事は再開を目指す意向を示した。週刊誌の記事を参考に抗議電話(電凸)への対策を練り、メドがついたという(朝日新聞2019-9-26)。
だが「専門窓口の電話を設け、機械で自動的に対応し、通話が10分を経過すると切れる仕組みを導入した」という記事の説明を見る限りは、はなは . . . 本文を読む
日米貿易交渉の合意内容が両国首脳により署名された。このたびばかりはトランプ大統領の表現が正しく、「米国の農家にとって巨大な勝利」だ(朝日新聞2019-9-26夕刊)。
日本は牛肉など米国産農産物への関税をTPP並みに引き下げる一方、その交換条件になっていたはずの米側の自動車関連の課税削減は先送りとなった。
来年の大統領選を控えて成果を焦るトランプ氏に対し、日本側には妥結を急ぐ理由はなかったのだが、 . . . 本文を読む
あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」が、脅迫・テロ予告を含む抗議の殺到で中止に追い込まれた件で、「電凸」と言われる抗議殺到のきっかけになった河村・名古屋市長は抗議するのも表現の自由だとうそぶいている(過去ブログ)。脅迫・テロ予告は論外だし、政治家があおる(あるいは積極的にあおらなくても政治家の影響力は大きく、結果的にあおったことになる)というもの問題だとは思いながら、「中止を要 . . . 本文を読む
日米貿易交渉に関しトランプ大統領が首脳会談後の共同記者会見でいきなり「中国が約束を守らないせいで、我々の国にはトウモロコシが余っている。それを日本がすべて買ってくれることになった」と語ったが(過去ブログ)、例によって根も葉もないことだったとわかった(朝日新聞2019-9-24)。
まず、中国はもともとトウモロコシをほぼ自給しており、中国の輸入がどうなろうと米国産トウモロコシの輸出に大きな影響はない . . . 本文を読む
市民の反対をよそに横浜市議会でカジノ誘致のための予算が自民・公明らの賛成で決まった。だが、まだ誘致を最終決定したわけではなく、自民党だって表向きには、今後作成される整備計画が「陳腐なものであれば、初めて反対しようじゃありませんか」と言っているし、林文子市長が2017年の市長選の公約で「市民、議会の意見を踏まえたうえで方向性を決定」としていた公約も果たされていない(朝日新聞横浜版2019-9-21) . . . 本文を読む
沖縄県・宮古島市の市議会が、住民相手の損害賠償請求訴訟を起こすための議案の撤回を全会一致で決めた(朝日新聞2019-9-19)。市議会の良識を評価したい。
市は2014年度に業者にごみ撤去を2251万円で委託する契約を結んだのが、住民6人は、これがごみの量を過大に見積もっての違法に高額な契約だったとして下地敏彦市長らに対して事業費返還を求めていた。だが2019年4月に最高裁で「裁量の範囲内」であっ . . . 本文を読む
NHKから国民を守る党についてMXテレビでマツコ・デラックス氏が批判したところ、N国はMXとマツコ氏に対して総額1億円の慰謝料を求める集団訴訟を起こす方針を発表した(毎日新聞2019-9-4)。マツコ氏は7月に番組「5時に夢中!」で「気持ち悪い人たち」、「ふざけて(票を)入れた人も相当いると思う」などと発言した。これがN国を支持する有権者を侮辱したというのだ。7月の参院選で同党に投票した人から原告 . . . 本文を読む
カジノを含む統合型リゾート(IR)について、林文子・横浜市長が「白紙」の仮面をかなぐり捨てて誘致を表明したのが8月22日。IR推進のための事業費2億6000万円などを含む補正予算が市議会の委員会で審議されていたが、質疑が打ち切られたという。審議はたったの二日間。質問・批判が相次いでおり、審議が不十分などとの指摘(井上桜氏(無所属)、荒木由美子氏(共産党))を押し切って、多数決による質疑の打ち切りだ . . . 本文を読む
安倍首相は9条2項を維持したまま自衛隊の存在を明記することで自衛隊の位置づけを明確にしたがっている。自衛隊が憲法違反との指摘があるのは自衛官たちに申し訳ない、といったことも言っていた。
だが9条2項を維持して自衛隊の存在を加えるだけでは、自衛隊違憲論はなくならないという指摘(朝日新聞2019-9-3)を読んで目からうろこが落ちた。
自衛隊の存在そのものは憲法に明記されたとしても、9条2項に反しない . . . 本文を読む
「白紙」を翻してカジノ誘致を表明した林文子・横浜市長。市議会では異論が相次いでいるが、市長の答弁を皮肉る天声人語(朝日新聞2019-9-8)がおもしろい(…などと言っている場合ではないのだが)。以下、「脚色」して紹介するので正しい引用文は天声人語を参照されたい。
林文子市長:「すべてのばくちが悪いというのは違う。」競馬だって「ものすごい数の人が馬に対する思いとか感謝を持っている。」ルーレットやト . . . 本文を読む
小学館の週刊誌「週刊ポスト」の嫌韓特集がSNSなどで炎上し、同社が謝罪に追い込まれた(朝日新聞2019-9-5)。
泥沼の日韓関係のなか、日本でも韓国でも強硬な態度に出たほうが世論の受けがよくてどちらの政府も近視眼的に対立をエスカレートさせているが、嫌韓の行き過ぎを危惧する世論も十分強かったということなのだろうか。「あいちトリエンナーレ」で慰安婦を表わす「少女像」が激しい批判にさらされた(過去ブロ . . . 本文を読む
ナチスドイツによるポーランド侵攻による第二次大戦勃発から80年目となる9月1日、ポーランドでの記念式典で、ドイツ大統領は「わが国が犯した罪を忘れず伝えていく」と語った(朝日新聞2019-9-2)。一方、終戦記念日の全国戦没者追悼式で安倍首相は「三百万余の同胞の命が失われました」とは語ったものの、アジア諸国の犠牲については触れなかった(朝日新聞2019-8-16)。日本では「侵略」といっただけでも右 . . . 本文を読む