リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「N国」が恫喝訴訟へ:やっぱり単なる面白政党ではなかった!

2019-09-19 | 政治
NHKから国民を守る党についてMXテレビでマツコ・デラックス氏が批判したところ、N国はMXとマツコ氏に対して総額1億円の慰謝料を求める集団訴訟を起こす方針を発表した(毎日新聞2019-9-4)。マツコ氏は7月に番組「5時に夢中!」で「気持ち悪い人たち」、「ふざけて(票を)入れた人も相当いると思う」などと発言した。これがN国を支持する有権者を侮辱したというのだ。7月の参院選で同党に投票した人から原告を募集し、先着1万人で原告団を形成して1人当たり1万円の損害賠償を求めるという。だが報道されているマツコ氏の発言を見る限り、公党が訴訟を起こすほどのものとは思えない。公党によるこうした行為は言論をますます委縮させることになり、看過できない。
先日は北方領土に対する「戦争」発言をして日本維新の会を除名された丸山議員を受け入れ、それがまた竹島についても「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」とツイートしても放置している。
「ユニーク公約の落とし穴」でも危惧していたのだが、やはり「NHKから国民を守る党」は単なる面白政党ではすまされない、自由、平和、民主主義といった現代日本の基本となる価値観と相いれない党だと思われる。
なお、ある弁護士のブログによれば、かつて石原慎太郎・東京都知事が「ばばあ」発言をしたとき女性たちが訴訟を起こしたが、裁判所は請求を棄却したという。今回のN国の訴訟も、実際に提起されたとしても棄却が妥当だろう。
その前に、「受信料」に反発して「N国」に投票した有権者が、このようなスラップ訴訟に加わらないという冷静な判断をすることを願う。

追記:「N国」の「スラップ訴訟」はほかにもあった。フリージャーナリストの「ちだい」氏が2018年に、N国の東京都立川市の久保田学・市議が立川氏にほぼ居住実態がないとする記事を載せたのに対して久保田氏は名誉が傷つけられたとして200万円を請求する訴えを起こしていたが、ちだい氏は「スラップ訴訟だ」として逆に約120万円の賠償を求めて反訴していた。このたび市議の訴え自体を違法として、市議に約78万円の賠償を求める判決が出た(朝日新聞2019-9-25弁護士ドットコム)。
批判者を訴えて委縮させようとする「スラップ訴訟」はもちろん問題だが、「スラップ訴訟」かどうかの判断は場合によっては難しいこともあるだろう。だが今回の場合、N国党首の立花孝志氏がスラップ訴訟だと公言していたというから驚きだ。
「この裁判は、そもそも勝って、ちだい君からお金を貰いにいくためにやった裁判じゃなくて、いわゆるスラップ訴訟、スラップっていうのは、裁判をして相手に経済的ダメージを与えるための裁判の事をスラップ訴訟と言うんですよ」
既成政党とは一線を画したとんがった主張で注目を集めてしまう党に、一点の「ユニーク公約」だけに共感して票を投じてしまうととんでもないことになる。

追記:N国の立花孝志党首はユーチューブに投稿した動画で「アホみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう」などと述べていた(朝日新聞2019-9-28)。途上国の人口増はなんとかしなければならない問題だが、「虐殺」はありえない。公党の党首たるもの、冗談でも口にすることは許されない。

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