明日の葉っぱ(8×8)=69

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さまよいの果て波はよせる 松任谷由実

2020-08-28 06:10:00 | 僕の音楽日記
その日は学校が半日だったので
いつものように
自分の家に戻る前に
友人のトシくんの家に寄った。
(鍵が掛かってたらいつものところに鍵置いてあるから)
もう、トシくんの家族の一員になっていた僕。

誰もいなかったから
鍵をあけ二階へ
部屋へ入りマイルドセブンを一本取り出して口にくわえ
聞くためのレコードを物色。
新しい新譜があるか…
「まだ、ないかぁ」
ベットに腰掛けタバコの煙を
眺めていたら
トントントン階段を駆け上がる音

「あーっ!〇〇〇ー!帰ってたの?」トシくんの一個上のねぇちゃん
まぁちゃんだった。
セーラー服で薄い鞄長いスカート
少しウェーブとパーマを当ててる髪
ちょっとやんちゃしてますよ的な
格好なんだけど
意外とかっこだけで
真面目なねぇちゃん
考え方が真面目っていう感じ。
「真剣」と書いて「マジ」と読むみたいな。
まぁちゃんも半日で帰ってきてた。
「なに?トシは?」
「まだだよ」「ふぅん、あ、私今からバイトだから〇〇〇、留守番頼むね」「オッケー」
「夕方にはかぁさん帰ってくるから…」「わかった〜」

隣の部屋で慌てて着替えてる風な
まぁちゃん
喫茶店でバイトしていた。
バイト禁止の高校なのに…
なかなか勇敢なねぇちゃんなのだ。
手持ち無沙汰の僕を見て
まぁちゃんは
「〇〇〇、私の部屋にユーミンのLPあるから聴いてていいよ、入って聴いてていいよ」
「聴くアルバムないでしよ?」
「うん、ありがとう」
「じゃ!いってくるから〜」
階段を駆け下りていく
まぁちゃんを見送り
ベットから腰をあげ
隣のまぁちゃんの部屋へ
思春期の18歳の女子の部屋へ
勝手に入るのも…と思いつつ
ま、入っていいっていったから
レコード聴くだけだし…
そう言い聞かせながら
ユーミンのアルバムを手にした。
「悲しいほどお天気」
1979年12月1日にリリース
多分、まぁちゃん、トシくんから
ユーミンの曲とか色々アルバム聞かせてもらい僕は覚えていったんだと思う。
初めて聴く
「悲しいほどお天気」
タイトルもなかなか文学的。
感情を押し殺したような
しのぶ感じの歌というか
イメージのある
ユーミンの世界
どこが発散せずに閉じ込めてしまう感情を言葉に紡いで
あまりサビのない曲調で淡々と歌っていく
時にBGM.になり
朗読のように聞けたり、
不思議なアーティストだった。ユーミン。
まぁちゃんの部屋で体操座りしながらアルバムを聴いていた
何か
少し女性のいい匂いのする部屋の中でキョロキョロできなくて
ステレオの前で体操座りして音に向かい合っている風で
へんな疑いをかけられたくなかったから
ただ、アルバムを聞いていた。
でも、何か、異空間にあるようで
心がさまよっているかのようだった。女性の部屋って多分その時初めて入ったんだと思う
女の兄弟がいなかったから
何か変な感じで…
必要以上に意識して…

アルバムラストの
「さまよいの果て波はよせる」
のように
静かなバラードが
心に染みこむように
僕もいまいる状況に心がさまよい
落ち着かない感じで
しっかりとアルバムを聴いてた感じがしなかった。
聞き終わり部屋を出て
トシくんの部屋に戻りタバコを吸って
漫画を読んでトシの帰りをまってた。


後日改めてそのアルバムを借りて
聞き直した。




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