アタシは絶対離れません
昨日はあんずの病院へ。
待合室で待っている間に、状態の悪そうな猫が続いて入ってきた。
１匹は生後３ヶ月くらいなのに後ろ足が怪我で動かない様子。
後からの１匹はすっかり衰弱していて女性の腕の中でぐったりと動かない。
それぞれ別の女性が連れて来られたのだが、２匹とも野良猫。
外で倒れているのを偶然発見して治療を受けさせに連れてきたとのこと。
先に着た後ろ足の悪い子はそのまま手術となり入院した。
後からの子は診察の結果、かなりの年らしく重い腎不全でもう長くはない、と言われたそうだ。
それでも明日も点滴を受けにきて元気になってもらいたいと。
少しの間だけど家族として迎えると決めたそうだ。
「鳴く元気もないの。一声も聞いたことないのよ」と話されていたが、目をつぶったままの猫は時々尻尾を動かすので、声に反応しているようだった。
その女性が会計に立つために、猫はタオルに包まれたままソファの上に寝かされた。
さっきまでぐったりしていたのに起き上がろうとするので、あわてて背中をなでて「大丈夫、ここで待っとこね」と声をかけた。
その猫は必死で頭を起こし、自分を助けてくれた女性だけを追うように見つめていた。
ほんの数時間前に出会ったばかりの人を。
「ちょっとでも元気になってもらって楽しませてもらわないとね、早く鳴き声が聞きたいわ。」と明るく言った女性の言葉に胸が震えた。