安呑演る落語

音源などを元に、起こした台本を中心に、覚え書きとして、徒然書きます。

小児

2006年03月03日 | 小噺
小児

小児は白き糸の如し、なんて申しまして、お子さんというのは、生まれた時は、真っ白な糸なんだそうで、それが、親御さんの教育ですとか、周りの環境によっていろいろな色に染まっていきます。
昔のお子さんと今のお子さんで、何が一番違うかと申しますと、遊び方なんだそうですネ
昔のお子さんはいろいろと考えながら、遊びを作ったんだそうで・・
駅の近所で電車ごっこですとか、学校の近くで学校ごっこなんてぇのは
大変に可愛らしくていいですけども
なかには、お寺の近所でお弔いごっこなんてぇのをやっておりまして・・・
これはあんまりいい遊びじゃあないんでございますが

A: よっちゃん、よっちゃん!よっちゃん!今日はお前がねぇ、仏様んなるんだよ
B: やだヨー。あたい、きのう一周忌済ましたばかりだよ。きょうは棺おけ担がせてよ
なんてね、棺おけ担ぐのを名誉がって、へんな話がございますが・・・
また、なかには、刑務所の近所で、懲役ごっこなんて、
これもまぁいい遊びじゃぁないんですけど・・・
C: まあ、なんだね、この子は!えぇー。折角いいもの着せてもすぐに汚しちまって泥なんて担いでなにやってんだい。
D: はっはっはっはっぁー、おっかぁねー、おいら今ねー懲役ごっこして遊んでんだ
C: ったく。そんな遊びやめなさい。
D: だめだよー、おっかー。やめるとみんなにいじめられちまうもん
C: なに言ってんだい。おまえがガキ大将じゃぁないか。えぇー。
ろくちゃんごらん、ろくちゃんを。むしろの上でジーっと大人しく座ってぇ。少しはろくちゃん見習ったらどうなんだい
D: おっかぁ何にも知らねぇからそんなことぉ言うんだよ
ろくちゃんしょうがねえんだよ。大人しいってのは、ありゃ終身懲役なんだからそこいくってぇとおいらぁ、こそ泥で捕まった三月の半端懲役なんだから、こうやってモッコで泥担がなきゃいけないんだよ。
少しぐらい着物が汚れたって、しょうがねえじゃねぇか
C: なんだねこの子は。じゃぁおっかぁが頼んであげるから。お前も終身懲役にしてもらいな

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