安呑演る落語

音源などを元に、起こした台本を中心に、覚え書きとして、徒然書きます。

堀の内

2008年05月13日 | 落語
亭主: おう、おっかァ、いま帰った
女房: あら、お帰り
亭主: おっかァ、どうもてえへんなことができちまった
女房: どうしたのさ?
亭主: こうしたって・・・・・まあ、なんでもいいから、早く薬をよんできてくれ。どうも医者でも飲まなきゃァ治らねえ
女房: なに言ってるのさ。薬を呼んで医者を飲むなんて人があるもんかねェ。どっか具合でも悪いのかい?
亭主: 悪いどころの騒ぎじゃねえや。いま熊公ンとこで話をして、表へ出た途端に片っぽの足が長くなっちまったンだ
女房: あら、いやだよ、見せてごらん・・・・・まあ、なんだねえ、履物が片ちんばじゃァないか。草履と下駄と片足ずつ履いてるじゃァないか
亭主: えッ、草履と下駄と?・・・・・ああ、なるほど、どうりで片足長くなったと思った。どうすりゃァ治る?
女房: 決まってるじゃないか。ぬげばいいのさ
亭主: うん、そうか・・・・・あれッ、ぬいでも治らねえぜ
女房: どっちをぬいだのさ?
亭主: 草履だ
女房: それじゃァおなじだよ。しょうがないねえ。おなえさんてェ人は、どうしてそうそそっかしいンだろうね?
亭主: うん、熊公もそう言ってた。『おねえみてえなそそっかしいやつはいねえ。今の内に信心でもして治さなくっちゃァいけねえ。それも暗いうちから起きて、弁当持ちで出かけて行って、一生懸命に信心しろ』と、こう言うンだ。だから、これから信心を始めるから覚悟しろ
女房: なに言ってるンだよ。おまえさんが信心するのに覚悟もなにもいるもんかね。けれど、おまえさんの粗忽が信心で治れば、こんな結構なことはないよ。で、何様を信心するんだい?
亭主: ほら、あれだァ、堀の内の観音さまを信心するんだ
女房: 堀の内の観音さま?
亭主: いや、その・・・・・水天宮さま・・・・・なーに、金毘羅さま・・・・・不動さま・・・・・天神さま・・・・・
女房: なにいってるンだよ。堀の内ならお祖師さまじゃァないか
亭主: ああ、お祖師さま、お祖師さま、あわてるなィ
女房: どっちがあわててるンだよ
亭主: さあ、そうと決まったら、あしたの朝が早えンだ。布団を敷いてくれ。寝るから・・・・・
女房: 寝るったって、まだ日が暮れてないよ
亭主: 暮れてなくてもかまうもンか。戸を閉めて、明かりをつけろ
女房: 戸を閉めたって、まだ日が当たってるよ
亭主: 日が当たってたら、いい月夜だとだましねえ
女房: だれを?
亭主: おれを・・・・・
女房: なにをばかなことを言ってるンだねえ
*よくあさは、亭主のそこつを治そうという一心で、女房は暗いうちから起きて食事の支度をすると、弁当をつめてしょって行けるように、風呂敷に包んで枕もとに置きましたが、亭主はなかなか起きません。
女房: ちょいと、おまえさん、起きなさいよ。起きとくれよ。ちょいと目をおさましよォ
亭主: あっあー、・・・・・あァおどろいた・・・・・これはどうもたいそうお早く、どちらのおかみさんで?
女房: なにを言ってるンだよ。あたしだよ
亭主: え?
女房: あたし
亭主: あたしって、どなた?
女房: おまえさんの女房、おかみさん
亭主: ああ、おまえか。どうもどこかで見たような女だと思った
女房: あきれたよ。自分の女房を忘れちまう人があるもんかね。早く行っておいでよ
亭主: どこへ?
女房: あれっ、もう忘れちまったのかい? 堀の内のお祖師さまへお参りに行くんだろう?
亭主: アッ、そうだ。じゃァ、ちょいと行ってくらァ
女房: ちょいと、ちょいと、なんだって裸でとび出すンだよ? 着物を着ておいでよ
亭主: ああ、そうか。どうも体が軽いと思った
女房: いやだねえ。着物を着て、顔をあらいなさいよ
亭主: ああそうか・・・・・おいおい、顔を洗えったって水がねえじゃァねえか
女房: 水がないわけはないが・・・・あれっ、箪笥の引出し開けたって水があるもんかね。台所へ行ってお洗いよ
亭主: どうも水がねえからおかしいと思った
女房: あらっ、おまえさん、ザルに入れたって、水はたまんないじゃないか。あら、いやだよ。どうしてお鍋で顔を洗うンだい? きたないじゃァないか。顔洗ったら、顔をお拭きよ。あれっ、なんだってふきんで顔を拭くンよ。それは雑巾・・・・・手ぬぐいはこっちに・・・・・なんだって猫をつかまえて顔をこすってるンだよ。
猫で顔なんか拭けば、ひっかかれるじゃァないか
亭主: ああ猫か。おれも手ぬぐいがギャーギャー鳴くからおかしいと思った
女房: なに言ってるンだねえ。さあ早く行っておいでよ。それから、お弁当つめてあるンだから、よく首っ玉へゆわえつけて・・・・・首っ玉へゆわえつけなきゃァ、おまえさんはどっかへ置いてきちまうんだから・・・・・途中で、わかんなければ道を聞くンだよ
亭主: ・・・・・それでは、ちょいとうかがいます・・・・
女房: あたしに聞いたってしょうがないじゃないか。まだ出かけもしないうちから・・・・・
亭主: ああそうか。じゃァ行ってくらァ・・・・・
ちょいとうかがいます・・・・・
女房: なんだって、おとなりで聞くンだよ? 途中でわかンなくなってから聞くンだよ
亭主: うるせェなァ。どうして、ああうるせえンだろう・・・・・ああ、この辺で聞いてみようかな。
ねえ、そこに立ってる人ォ、ちょいとうかがいますけど・・・・・もし、ねえ、あなた、ちょいとうかがい・・・・・
あっ、いけねえ、電信柱だ。どうも背がいやに高え人だと思った。そうだ、向こうから来る人に聞こう。
そこへ来る人、ねえ、ちょいとうかがいます
A: なんです?
亭主: なんだっけ?
A: え?
亭主: いえ・・・・・そのう、あたし、これからどこへ行くンでしょう?
A: 知りませんよ。そんなこと
亭主: そんな意地の悪いことを言わないで教えてくださいな・・・・・あっ、堀の内のお祖師さまへ行くンだ
A: 堀の内のお祖師さま? ここは浅草の観音さまですよ
亭主: いつ観音さまに化けました?
A: 化けやしません。もとから観音さまです
亭主: きょう一日だけお祖師さまにしてください
A: そんな無理なことを言ったってしかたがありません。あなた、どちらからおいでなすったんです?
亭主: あっちから・・・・・
A: そうじゃなくて、どこからいらしたんです?
亭主: あっ、神田から・・・・・
A: それじゃァたいへんだ。方角を間違えたんだ。反対方向に来ちまったんですね
亭主: ああそうですか・・・・・ああ、おどろいた。この調子じゃァどこへ行くかわからねえ・・・・・どこを歩いてるンだか自分でもわからねえのは情けねえな・・・・・あれっ、おれの町内によく似てるぜ。おや、あすこにいる女は、うちのかかァにそっくりだ。不思議だなァ
女: ちょいと、おはなさん、おまえさんとこのご亭主が、お題目となえながらこっちへ来るよ
女房: そんなはずはないよ。うちの人は、けさ早く堀の内のお祖師さまへ・・・・あら、いやだ。まだあンなところをぐずぐずしてるよ・・・・・ちょいと、ちょいと、おまえさん、もう堀の内へ行ってきたのかい?
亭主: これから行くんだ
女房: なにしてるんだよ
亭主: なにしてるって・・・・・あァ驚いた。よく似てるはずだ。うちのかかァだもの・・・・・さァ、早く行かなくっちゃァいけねえ・・・・・妙法蓮華経、南無妙法蓮華経・・・・・もしもし、ちょいとうかがいますが・・・・・
B: なんです?
亭主: あたしはこれからどこへ行きます?
B: ばかなことを言っちゃァいけねえ。おまえさんの行く先がわかるもンか
亭主: 考えてみてください
B: 考えたってわかるもんか・・・・・しかし、いまお題目をとなえていたところをみると、ひょっとしたら堀の内のお祖師さまへお参りするのでは?
亭主: それみろ、それほど知っているのにずうずうしい
B: なにを言ってるンだ。堀の内へ行くンなら、ここは四谷だから、これからまっすぐに行って鍋屋横丁を左に曲がるとすぐだから・・・・・
亭主: あァそうか・・・・・やいやい、ものを教えてだまって行くやつがあるか。礼ぐらい言っていけ
B: おまえさんが言うンだ
亭主: 遠慮するない
B: だれが遠慮するもんか
亭主: 妙法蓮華経、南妙法蓮華経・・・・・あれっ、何横丁だっけ? もう忘れちまった・・・・・もしもし、ちょいとうかがいますが・・・・・
B: え? あれっ、おまえさん、いまあたしに聞いたばかりじゃないか
亭主: あァそうか。どうも見たような人だと思った。何横丁でしたっけね?
B: 鍋屋横丁!
亭主: そうか、いっかりおぼえて行け!
B: おまえさんが覚えて行くンだ
亭主: あァそうだ・・・・・妙法蓮華経、南妙法蓮華経・・・・・さァ、これからどう行ったらいいのかな?
あのたばこ屋で聞いてみようか。しかし、あわてちゃァいけないな。あわてて聞くと、すぐに忘れちゃうから、ぐっと落ち着いて聞こう・・・・・ええ、ごめんください
煙草屋: いらっしゃい。なにをさしあげます?
亭主: ええ、ぐっと落ち着きますから・・・・・ちょいと上がらせていただきます
煙草屋: え? そうですか?・・・・・おい、おまえ、ちょいと座布団持っといで・・・・・おまえ、この人、知ってるかい?
なに? 見たことがない? おれもそうなんだ。いったいどこの人だろう? ・・・・・どうぞ、まあ、座布団をおあてください
亭主: ええ、ありがとうございます。
煙草屋: はあ・・・・・で、どんなご用で?
亭主: ご用てェほどのことはないンですが・・・・・あそこにおいでになる方へ、あなたのおかみさんですか?
煙草屋: ええ、そうですが・・・・・
亭主: なかなかきれいなおかたで・・・・・いっしょになってから何年ぐらいになります?
煙草屋: ええ、五年になりますが・・・・・
亭主: あァ、五年ねえ、いいところだ・・・・・で、仲人があっていっしょになったンですか?
煙草屋: あなた、いったい何しにいらしったンです?
亭主: 何しにしらしった? あァそうだ。ちょいと道を聞きに・・・・・
煙草屋: ふざけちゃァいけないよ。ばかばかしい。おいおい、おまえ、いいンだよ。お茶なんぞいれなくって・・・・・
え? ようかん切っちゃった? いらないよ、そんなもの・・・・・こちらは道を聞きにきたんだから・・・・・
どうもあきれた人だ・・・・・どちらへおいでになるンです?
亭主: 有名な堀の内の観音さま
煙草屋: え?
亭主: いえ、そうの・・・・・天神さま
煙草屋: あなた、堀の内なら、お祖師さまでしょ?
亭主: そう、お祖師さま
煙草屋: お祖師さまならここですよ
亭主: ここ?
煙草屋: ええ
亭主: すると、あなたがお祖師さまですか?
煙草屋: 冗談言っちゃァいけません。あたしがお祖師さまのわけがないでしょう。なんです、あたしを拝んだりして
・・・・・お祖師さまは、そこを曲がったつきあたりです
亭主: どうもすいません・・・・・あァ驚いた、ここがお祖師さまだって言うから拝ンじまったんだ。どうもお祖師さまがたばこなんか売ってるわけはねえと思った。あァ、なるほど、たくさんの人が拝ンでらァ・・・・・なにしろ、まァ手を洗っていこう。手を洗ったのはいいけど、あんまりいい手ぬぐいはねえな。みんな濡れてやがる。
あァ、ここにぶる下がってるのが乾いてていいや
C: もしもし、人の袂(タモト)で手を拭いちゃァこまるな
亭主: あァそうか。袂か。どうもすいません・・・・・どうかお祖師さま、あっしのそそっかしいのを治していただき
とうぞんじます。さァ、お賽銭をあげよう・・・・・あッ、しまった。財布ごと放りこんじまった。こりゃァ驚いた。
すいません、お祖師さま、まとめてお賽銭払いましたから、そのつもりで・・・・・いてえ、いてえな、だれだ、頭をなぐるのは? なんだ、いてえと思ったら、なぐったンじゃァねえや。背中の弁当が頭へぶっつかったンだ。さァ、弁当を出して、めしにするか・・・・・おや?こりゃァ変な風呂敷だな? ひもがついてるぜ・・・・・
あッ、なんだい、こりゃァ腰巻きだ。変なものに弁当を包ンだもんだな。おや、いけねえ、腰巻きの中から枕が出てきた。かかァの腰巻きをしょって歩いてたンじゃァ、道もまちがえるはずだ。お祖師さまの罰があたったんだな。きっと・・・・・ちくしょうめ、人のことをそそっかしいなんて言いやがって、てめえの方がよっぽどそそっかしいじゃァねえか。うちへ帰ってどうするかみやがれ。もうめちゃくちゃにしちゃうから
・・・・・やいッ、なんだって、おれに腰巻きで枕なんか包んでお祖師さまへだしゃァがった!
女: うふッ、うふふふ
亭主: やいッ、おれがこんなに怒ってるのに、なにがおかしいンだ。こんちきしょうめ! なにを笑ってるンだ?
女: 笑わずにはいられないやね。おまえさんの家はとなりだよ
亭主: あァ、おとなりかい・・・・・どうもおれはあわてもんだな・・・・・まことにあしすみません。どうぞご勘弁を・・・・・
女房: なんだね、おとなりで威張って、うちへ帰ってあやまる人があるもんかね
亭主: あッ、ここはうちか・・・・・やい、なんで腰巻きで枕包んでお祖師さまへ出した?
女房: あらッ、おまえさんだったの? 腰巻き持ってっちゃったのは・・・・・あたし、二枚しかないのにさ、一枚たらいのなかへつけて、あたらしいのを出しといたら持ってっちまって・・・・・腰のまわりがスースーして風邪引いちゃったじゃないか。早くかえしておくれ
亭主: お祖師さまに置いてきた
女房: あらっ、しょうがないねェ・・・・・おまえさん、おなかすいたろう?
亭主: おれ、ほこりだらけだから、先ィ湯へ行ってくらァ
女房: そうかい。じゃァ、金坊をつれてっておくれ
亭主: 金坊はどこにいる?
女房: そこに寝てるよ
亭主: 子どものくせに寝ているやつがいるか。なまいきなやつだ。湯へ行くンだ。おい、金坊!
金坊: うわッ! やだよゥ! おとっちゃんとお湯へ行くくらいなら、しんだほうがいいよ
亭主: この野郎、たいへんなことを言いやがる。やい、どうして死んだほうがいい?
金坊: この前、さかさに入れたんだもの
亭主: なまいきなことを言うな。さかさに入ったほうが鼻の穴がきれいになっていいンだ。今日はまっすぐに入れてやるから、さァ、おんぶしろ。ほら、どっこいしょのしょっと・・・・・おおきな尻だな
女房: おまえさん、あたしだよ
亭主: あッ、いけねえ、おねえか。かかァなんぞおぶって行くやつがあるもんか・・・・・さァ、金坊、しっかりおぶさるンだ。どっこいしょっと・・・・・こんどはまちがいねえな。あははは
金坊: わあッ
亭主: どうした? 気をつけろ! 頭ァぶつけたンだろ? いたかったろう?
金坊: ぶつかったのは、おとっちゃんだよ
亭主: そうか、道理でばかに痛ェと思った。いくら親子でも、子どものぶつかった痛さが親に感じるわけはねえと思った・・・・・さァさァ、着いた、着いた。おとっちゃんが裸になったら、おめえを裸にしてやるから
・・・・・なにかぐずぐず言うンじゃァないよ
床屋: もしもし、あなた、着物をぬいじゃァいけねえ。裸になっちゃァこまるよ
亭主: なんだと? おめえンとこは、着物を着たまま湯にいれるのか?
床屋: なにを言ってるンだい、うちは床屋だよ
亭主: えッ、床屋? あァなるほど・・・・・
床屋: 冗談じゃァねえなァ。あんただろ、こないだもうちへ来て裸になったのは? 困った人だな、湯屋は隣だよ
亭主: どうもすいません。金坊、なんとか言わなくちゃァだめじゃァねえか
金坊: 言ったけど、おとっちゃん、ぐずぐず言うなって、夢中で裸になっちゃうンだもの・・・・・
亭主: さァさァ、こんどこそ間違いなく湯屋だ。こんどこそ大丈夫だよ。さァさァ、裸になるんだ。そっちを向け・・・・・
たいそういい着物を着ていやがるな。どうしたんだよ? 泣くンじゃァないよ
D: もしもし、なんだってうちの子を裸にしちゃうんだ? いま上がって着物を着せたばかりじゃァないか。子どもをまちがえちゃァこまるな
亭主: あァそうか。どうもすいません。よその子を裸にしちまった。うちの子にしちゃァ、あんまりきれいずぎると思った・・・・・やァ、金坊、自分でむいだのか、えらいなァ。さァ早く湯へ入らねえか。なんだって立ってるンだ。おとっちゃんといっしょに入れ
金坊: おとっちゃん、まだ着物着てるよ
亭主: あッ、そうか。着物を着ちゃァ入れねえや・・・・・さァさァ、入ろう、入ろう・・・・・いいか、よくあったまって
・・・・・肩までよくつかるンだ。それ、肩まで・・・・・
E: もしもし、あたしの肩をどうしておさえるンです?
亭主: あッ、すいません。子どもとまちがえまして・・・・・さァ、出ろ、出ろ、おとっちゃんが洗ってやるから・・・・・さァ、顔を洗うんだ
F: もしもし、人の顔を洗っちゃァいけないよ
亭主: おや、こりゃァどうもすいません。子どもにしちゃァ、あんまりひげだらけだと思った。まちげえてよその人の顔を洗っちまった・・・・・さァ、そっちを向け、洗ってやるから・・・・・あァ、いいからだだな。おとっちゃんに似て骨組みががっしりしてるな・・・・・あれッ、なんだ? ひょっとこの刺青なんかしやがって・・・・・字も彫ってあるな、なに?御意見無用! やい、この野郎、知らねえ間にこんなものを彫りやがって・・・・・やいッ、この親不孝め!
G: いててて・・・・・なんだって人の尻なんかつねるンだ?
亭主: あれッ、どうもすいません。ついまちがえちまって・・・・・どうもおかしいと思ったよ。うちの金坊が刺青なんかするわけがねえもの・・・・・おいおい、金坊、だめだよ、おまえは・・・・・あんまりちょこちょこするからまちがえちゃうンだ。おとっちゃんのそばにいなけりゃァいけないよ。さァ、洗ってやろう。そっちを向け・・・・・おやおや、どこまで幅があるンだ。おおきな背中になりゃァがったな。どこまで幅があるンだ。手がとどかねえ
金坊: あッ、おとっちゃん、それは湯屋の羽目板だよ
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