島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

好きじゃないけど インドネシア

2012-05-04 | はじめに


インドネシアが好きなのか、と聞かれれば、好きではない。と思う。
インドネシア人が好きなのか、と聞かれれば、もっと好きではない。と思う。
インドネシアを何度も旅しているのは、よほど楽しいからだろうと思われるだろうけど、正直言って、旅の最中、いいことより面白くないことのほうが多い。全くもう……、とか、何なのコレ、とか、早く帰りたい、と思っている時間のほうが長い気がする。今日はいい一日だった、と思うことは稀である。だから出発前には憂鬱になり、行くのをやめたくなる。

それでもまたインドネシアに出かけていこうとしているのはなぜなのだろう。
それは、あまりにも広大で、未知だから。好奇心がかきたてられるから。知れば知るほどもっと知りたい、もっと見たい、という気持ちが高まるから。
その山、その平原、その海には、豊かという言葉でもすくいきれないほどの自然がある。イヤなことばかり見えてしまうインドネシアだが、それは表面だけなのではないか。もしかすると、最近になって醸成されてしまったものなのではないか。根底には、長い年月の間、自然を基として積み上げられ育て上げられた暮らしがあり、そこに根ざしている人の考え方や哲学は、尊敬すべきものであるはず。それを心のどこかで感じずにいられないからである。なぜなら、世界中のどこの土地であろうと、その地の自然に根ざして生きる人たちは、現代のわれわれの真似のできない知恵と哲学を持っているからである。
先進国日本のわれわれは、先祖が大切にしてきた知恵と哲学を、惜しげもなく捨て、踏みつけ、背後に置き去りにしてきた。そうやって、振り返らず懸命に生きてきた。けれどももう、目指すところはなくなってしまったのではないか。われわれが置き去りにしてきたものは、大きな大きな落し物なのではないか。

かつて、日本では冷害があり飢饉があり、怠けていては生きていけなかったが、この南国の恵まれた自然の中では、食料は豊かで日本よりははるかに容易に生きることができたはずだ。それゆえ、がむしゃらに働く必要はなくのんびりしている、というのは、俗説でもあるだろうが、真理でもあると思う。
しかし、今、なぜだかその境遇は逆転しているようである。今、インドネシアの人たちは、日本やアメリカやヨーロッパを山の頂のように見つめ、懸命に上ろうとしている。あるいは、貧困から這い出そうとしている。彼らには目指すものがある。そしてその途上で捨てていくものもたくさんあるのだろう。

これから、インドネシアで出会ったモノや人、出来事を、
断片的になるかもしれないけど、写真とともに伝えていきたい。
中心となるテーマは自然と人のかかわり、土地の人の暮らし。
いろいろな町や村、交通のことなど。

写真は、フローレス島の田んぼ

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