島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

フローレスの塩

2012-11-25 | 食べもの

半年以上前にフローレス島ルーテンのパサール(産直市場)で買ってきた塩を
最近になってやっと使い始めた。

パサールでは生産者やときには仲買の人かもしれないけど、個人が自分の場所を持って売っている。高山の朝市なんかと同じ。この塩はビニールに入っていたけど、袋じゃなくて円筒形の、ロースハムみたいな形の包装で1キロ単位で売られていた。
包装はなんの印刷もない簡素なもの。
お店のおばさんの手作りなのか、そうでないにしても、かなり個人的な生産で作っているものだと思う。

日本にいると、塩やら砂糖やらは大きなメーカーでしか作れないと思いこんでしまっている。
けれど、インドネシアの海辺の村では家で塩をつくって現金収入源としているものがある。
レンバタ島の捕鯨の村で行っていることは、NHKのドキュメンタリーで見て知った。
レンバタ島に近いけれどずっと大きな島(四国ぐらいある?)であるフローレス島で、今どれぐらいそういうことをしているか分からない。けどこの塩は灰色でいかにも手作りっぽい。

ところで、灰色だと手作りで、真っ白だと大きな工場で作っているのかというと、必ずしもそういうわけでもないだろう。
先日訪れたレンバタ島で偶然塩を作っている人たちを見たのだけど、それは雪のように真っ白だった。ある程度蒸発して濃くなった海水を、釜で煮詰めては精製しまた煮詰める方法で作る。

本で知ったことによると、塩田で自然乾燥する方法だと、灰色の塩ができるという話もある。

で、やっと話は収束するのだけど、
この塩、おいしい!!

灰色なので砂でも混じっていそうで、品質が悪そうな感じもするし、
何となく敬遠して手を付けずにいたのだけど
旨いのです!
味わいがある。なんとなくダシがある。砂でじゃりじゃりなんて全然していません。
海水を自然乾燥させているとすると「にがり」が入っているはず。

細かい粉じゃなくて、2、3ミリの結晶状になっていて、気のせいかもしれないけど、この結晶の大きさが、日に日に大きくなってきている気がする。天然梅干についている「梅びしお」ではそういうことが起こるのだけど。

サラダにかけると、塩の結晶がパリパリして歯ごたえがいいし
パスタの味付けにつかっても、何ともいえないいい味が出ます。
重かったけど、買ってよかった一品でした。
確か1キロ10000ルピア(80円)。


日本でも昔は塩は全部にがり入りで、放置しておくと水を吸ってどろどろになってしまったそうです。
けれどこの塩はどろどろにはならず、堅い結晶のままです。それもちょっと不思議。


写真/フローレス島・マンガライ県の塩(2012年)

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