巨人と阪神が、来年3月に計画されている米カリフォルニア州での開幕戦実施を了承したことが15日、分かった。国内開幕の1週間ほど前に、ロサンゼルスとアナハイムで両球団が1試合ずつ主催する方向で、5月以降に正式発表される。米国内でのプロ野球公式戦開催は史上初めて。
阪神・坂井信也オーナー(65)=阪神電鉄本社会長=はこの日、大阪市内の電鉄本社で球団幹部からの説明を受けて、実施の方針を了承。「検討段階だが、賛成というか、やる方向だと思っている」と話した。
米国での開幕戦開催は、加藤良三コミッショナー(71)の発案だった。「2014年はプロ野球80周年にあたる。節目のイベントとして実現できればいい。米国内にも日本プロ野球の需要はあると考えている」と、加藤氏は実現に強い意欲を示してきた。
もっとも、主催する巨人、阪神にとっては、米国開催でチケットが売れるかどうかは未知数。満員に近い観客動員を見込める国内での主催試合を1試合放棄することになるため、興行上のリスクが大きい。そのため実現の可能性を慎重に検討してきたが、球界関係者によれば、リスクをある程度回避できることが確認されたという。
在留日本人が多い米西海岸での「米国開幕シリーズ」は、ロサンゼルスのドジャースタジアム、アナハイムのエンゼルスタジアムで1試合ずつ行う。巨人、阪神とも3月中旬に渡米し、アリゾナ州で1週間ほどキャンプを実施する。大リーグ球団とオープン戦を行い、開幕戦に備える予定だ。