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『 獄中記 』(岩波現代文庫) 佐藤 優 (著)

2010年09月04日 | 本と雑誌

100904_book_gokuchuki 内容(「BOOK」データベースより)amazon

微罪容疑によって逮捕、接見禁止のまま五一二日間勾留された異能の外交官は、拘置所のカフカ的不条理の中で、いかなる思索を紡いでいたのか。哲学的・神学的問いを通して難題に取り組んだ獄中ノート六二冊。文庫版書き下ろしの新稿では小沢氏秘書問題を独自分析。また、独房の「所内生活の心得」を初公開する。

文庫: 607ページ
出版社: 岩波書店 (2009/4/16

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『国家の罠』―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) を手にして、買うのをためらっていたら、すぐに書店から消えていた記憶がよみがえり、迷わず買った。

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
価格:¥ 740(税込)
発売日:2007-10

本書の945円はお買い得だろう。

勾留期間中に読んだ膨大な量の本、哲学や神学、文学、歴史書などの記録や思索。難解な内容を含むこれだけの量を飽きず読み通せたのはわれながらおどろきだった。
本書の底の底に流れているのはユーモア(p5『 灰色のユーモア―私の昭和史ノオト』 1958年 和田 洋一 著)だろうか。誤解されることの多いイエスの言葉「汝の敵を愛せよ」か?

灰色のユーモア―私の昭和史ノオト (1958年)
価格:(税込)
発売日:1958

朝のコーヒーの話あり、となりの死刑囚が「男はつらいよ」のビデオを見て笑う声が聞こえた話など、幅広く、そして深い。

「獄中記」という素っ気無いタイトルとはうらはらに、まさに「現代の日本が生んだ類まれな記録文学」というにふさわしい。

ニュースを見る視点がまたひとつ増えるだろう。いやニュースばかりではない。人間や社会。

P441フーコーによれば、監獄は近代になってから生まれた制度で、近代の軍隊も病院も学校も工場も役所も、構造は監獄と回じだという。僕も催かにそう思う。しかし、そのことは裏返すと、監獄も外務省も物理的行動範囲が少し異なるだけで、基本構造は同じなのだから、五〇〇目以上閉じこめられていても僕は平然としているのだと思う。

監獄の誕生―監視と処罰 監獄の誕生―監視と処罰
価格:¥ 5,565(税込)
発売日:1977-09

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獄中記 (岩波現代文庫) 獄中記 (岩波現代文庫)
価格:¥ 945(税込)
発売日:2009-04-16


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