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『日本はすでに侵略されている』 新書 – 2019/11/14

2020年06月30日 | 本と雑誌

『日本はすでに侵略されている 』(新潮新書) – 2019/11/14 
平野 秀樹 (著)

書店の、よく行くコーナーに棚差しの文庫本。
面陳の新刊本ではない。よく見つけたものだと思う(棚刺しの本は派手な多面陳列の新刊本より、売れているからこそ残っているという見方もできるのだから、目を凝らしてみるべきだろう思う)。

が見つけた時、不覚にも奄美との関連はすぐには思い浮かばなかった。
タイトルは扇情的ではあるのだが、「昔からよくあるタイトルの本だな」
と思ったからかもしれない。(類似の本は過去何冊か読んだ)

何気にページをめくると、奄美の地元紙に掲載された不動産広告の写真が目に入った。
「山求む!」どんな山奥でも条件が満たされた買取もいたします。 XX不動産」
という2013年の不動産広告」だ。p53

中国の膨張戦略による日本の「国土の不明化」の恐れは、沖縄・奄美・対馬や北海道などの
辺境ばかりではない、東京ののどもとの横須賀などでもおこっているという。

また、不明化は土地ばかりではなく、人・税・エネルギー・統治にも。

著者のプロフィール:1954(昭和29)年兵庫県生まれ。九州大学卒。農学博士。農林水産省中部森林管理局長、東京財団上席研究員などを経て、2019年11月現在、国土資源総研所長、姫路大学特任教授

本書で紹介されている具体的事例は、はじめて聞いた人にはかなりショッキングな内容だろうと思う。農学博士という著者の経歴に注目するといくつか興味深い注目の記事があった。

P195 次の世代のことをよほどの幸運に恵まれない限り、別種や外来種の侵入によって駆逐されてしまいます。P195の箇所で、

先週のニュースになるのか、自民党広報のツイッターで、憲法改正の必要性と結び付けたダーウィン進化論について、「誤用」だとの指摘が相次ぎ、専門家の立場からも「進化論を人間社会に適用するのは基本的に全部間違いだと、自民党広報のツイッター側は旗色がわるい。

この話題と結び付けて考えてよいのか、よくは分からないが、本書の指摘する問題は、ツイッターなどで見られるこうした右か左かのレッテル貼りが優先する議論とは別の問題だろうと思われる。

本書の指摘は島に住んでいると陰謀論にも、オオカミ少年にも思えない気がするのだが・・・。(奄美の自衛隊配備については、奄美駐屯地や奄美警備隊などで検索しました)

==

本書に引用されている、大戦末期、奄美の加計呂麻島で特攻隊長だった作家・島尾敏雄の次の言葉は他のいろいろな文献にも引用される。
P58「日本の歴史の曲がり角では、必ずこの琉球弧の方が騒がしくなるといいますか、琉球弧の方からあるサインが本土の方に送られてくるのです。そしてそのために日本全体がざわめきます」
(ヤポネシアと琉球弧『新編・琉球弧の視点から』所収 P58

著者は、「奄美は今、この国の命運にシグナルを発しているようです」と述べる。

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amazon 内容(「BOOK」データベースより)
北海道から南西諸島まで、急速に進む外資による国土買収。裏にいるのは、今や覇権・膨張主義をあらわにする中国だ。四半世紀前の李鵬首相の予言、「四〇年後に日本はなくなっている」を現実化するかのように、広大な過疎地や軍事要地となる島々で数多の買収劇が進行する。対する日本は何も対策を講じないまま、目先のインバウンドに浮かれている。土地所有の不明化から社会制度タダ乗りまで、溶解するガバナンスの実態を徹底検証! --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。    

 

 


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