7. まとめ
ここまでダラダラと長くてまとまりの無い文面となってしまいましたが、ここで少しまとめとしたいと思います。
その前に秋田県庁の自然保護課に「特別地域1~3種」についての質問をしましたが、その回答を記しておきます。
【特別地域1~3種の規制の運用について】
まず、自然公園の地域区分と規制内容についてのおさらいですが・・・。
地域区分 地域の説明 規制内容
特別地域 特別保護地域 原生自然が残る地域など、特に厳重に自然景観を維持する必要がある地域。
許可制
(開発不可)
第1種 特別保護区に準じて、現在の自然景観を極力維持する必要のある地域。
第2種 良好な自然状態を維持している地域で、農林・漁業との調和を図りながら自然景観の保護に努めることが必要な地域。 許可制
第3種 特別地域の中では自然景観を維持する必要性が比較的低い地域で、通常の農林・漁業については認められる。
普通地域 特別地域と一体的に景観の保護を図ることが必要な地域。 事前届出制
※ 特別地域、特別保護地区内における行為については、知事か(叉は環境大臣)の許可が必要です。
■自然公園法の第3節 保護及び利用 (特別地域) 第13条には次のような規定が有ります。
特別保護地区・第1~3種特別地域では、許可制による行為規制があります。
十四 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境大臣が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
法律の上では特別保護地域、特別地域1~3種であろうが規制の対象となっています。
ただし、この法律がそのまま発動されることは無く、この運用については各都道府県の判断に任されています。つまり、特別地域内での規制が必要と判断された場合、関係団体との慎重な協議を行い、指定地区を設けて規制を行うという手順になっています。
なお、現在秋田県でこの指定地域があるのは、唯一森吉山の山頂付近のみです。また、この関係団体というのは、秋田県の場合、林野庁の森林管理局などが主導的立場にあるようです。県の担当者に今後規制などの予定はあるかどうかを聞いた所、現時点でその様な動きは無く、現在スノモービルの愛好団体の自主規制を尊重しているようです。
※自然公園の地域区分と規制内容についての資料・MAPは、山形県庁みどり自然課に問い合わせをすると良いでしょう。
【山スキーヤーの言い分】
ここで山スキーヤーの言い分といっても、ここではモビラーの方々にただ単に不平・不満を言うつもりは有りません。冬山で同じフィールドに立ってしまったモビラーの方々に、「冬山は山屋・スキーヤーだけの領域」などと言う事も出来ません。なぜならば冬の平原や林道ををただ走るよりも、より高い山岳地帯のほうが素晴らしいだろうし、技術的にも高度のものが要求されるでしょう。例えば鳥海山の広大な裾野を走っていれば、より高い山頂方面に気持ちは向かうのも当然でしょう。そういう意味では山屋・山スキーヤーも同じ土俵で活動する大自然の愛好者です。
しかし、法律的にはなんら規制が無いとは言え、ここで何をやっても許され、何でも自己責任の問題で解決される訳では有りません。林道から上部のフィールドには熊、キツネ、ウサギ、テン、或いは絶滅保護動物のイヌワシ、熊鷹など多くの動物が生息しています。この文明の利器に不慣れな物のストレスは大きく、また厳しい環境下で生き延びる高山の植生にも良いはずは有りません。
確かにスノーモービルの有り余るパワーを持ってすれば、我々が10時間位かかって山頂に立ったところを、たった1~2時間で到達することも可能でしょう。でも、こんなに好条件で到達できる所は広大な山岳地帯のごく一部であり、殆ど多くの場合は到達不可能範囲にあり、この様な場所は例外的と言うことが出来ます。殆どの場合、山屋・スキーヤーは辛く汗にまみれ、場合によっては危険を承知に上での登山行為が不可欠で、その結果、我々は山から多くを学んで来ました。我々山屋・山スキーヤーは長い歴史の中での知識・経験そして技術と体力に磨きをかけ、ようやく条件恵まれた日に初めて山頂に立つことが出来たのです。
たとえ登った事の結果は同じとしても、山屋の感覚としてはむしろ登る為のプロセスの方が重要で、いきなり厳冬期の山に土足で上がり込む様な行為を見過ごすことは出来ないのです。つまり、一般国道をお気軽にツーリングする感覚で、林道を外れた冬の山岳フィールドに不用意に進入して欲しく有りません。この様に快適に走行できるのは厳しい冬の一時期、それもほんのひと時で、いざタイミングを失って逃げ遅れた時、自然は容赦なく牙を剥いて人間に襲い掛かってきます。この様な山岳地帯を走行する場合、山に対しては謙虚であり畏敬の念を持って接して欲しいし、決して大自然の恐ろしさを侮って欲しく有りません。そしてモラルを持ったモビラーの方々であって欲しいのです。
【今後に期待する事】
この問題を云々する前に、まず多くの山屋・山スキーヤーの方々にこの事態を知って頂く事が重要です。我々が知らないだけで、山モビラーの方々は遥かに行動力(悪い意味で)を発揮し、なんら制約の無い素晴らしい世界を謳歌しているのです。確かに山で彼らと遭遇するのは一部の山屋・山スキーヤーだけで、あまり認知されることも無く今のところ無く実害も多く有りません。事実、被害者意識を持っているのは、一部の山スキヤー位しかいないのが実情です。ただ、この状態が放置されたままになると、益々多くの山モビラーが山頂を目指す事態になり、まったく歯止めが利かない無法・無秩序状況となる事が懸念されます。
まずはいずれかの自主規制に期待する事になるでしょう。実効性の有る方法なら我々も尊重すべきで歓迎しなければなりません。しかしそれでも歯止めがかからない時、その時は我々の何がしかの行動が必要となるでしょう。ただし、山スキーヤーの実害といっても、それは単なる我々のわがままで一般的な支持は当てに出来ません。あくまでも環境保護という錦の御旗をかざす事により、多く一般的方々のな理解と賛同者を求め、徐々に圧力をかけて沈静化させる方向が良いのではと思います。
さんざん山で遊ばせてもらっていながら、私を含めた山屋・山スキーヤーは意外と環境問題には比較的関心が薄い様です。環境の悪化で突然魚が釣れなくなったり、突然の入渓禁止で失望するする渓流釣りの方々と違い、林道建設問題とかブナ林の伐採問題などではあまり実害が無く、先頭に立って反対運動をする山屋・山スキーヤーの話はあまり聞いた事は有りません。この手の反対運動が必ずしも賛同できるものとも限りませんが、我々は少なくとも環境問題には鈍感だと言うことはいえるでしょう。
北海道ではこのスノーモービル問題が深刻化し、10年以上前から多くの論議がなされ、結果、警察を巻き込んだ幅広い規制の強化と言う事態に至っているようです。東北では今頃のなって初めて問題化した状況で、まだまだコンセンサスが得られないという事が現実です。今後この問題に関心を持つ方が少しでも多くなる事を期待します。
平成19年4月15日
【スノーモービル問題関係のリンク】
蔵王及び栗駒国定公園特別保護地区内で,スノーモービル等の規制について。
http://www.pref.miyagi.jp/sizenhogo/sizen/kouen/snowmobile/snowmobile.htm New
河北新報 KOL NET 2007年 4月13日
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/04/20070413t53033.htm New
スノーモービル対策ネットワーク(北海道・多くの問題点を総括)
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2539/
八甲田(規制・報道)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2003/0201/nto0201_21.html
十和田(被害・報道)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0407/nto0407_17.html
妙高(規制)
http://www.big.or.jp/~arimochi/info.02.05.15.29.html
支笏洞爺(規制区域地図)
http://www.ra.sakura.ne.jp/~kamii/regulation-1/map/tarumae.html
大雪山(規制・報道)
http://www.tokachi.co.jp/kachi/0102/02_09.htm
私はスノーモービルが嫌いだ
http://www.interq.or.jp/ski/hasegasj/xyzak11.htm
スノーモービル関連ニュース(駒止湿原、妙高等)
**********************************
パラダイス(楽しみ方・行動写真例) 必見!
http://members.stvnet.home.ne.jp/seizaka/snow.htm
http://members.stvnet.home.ne.jp/snowmobileparadise/030406/0406_2.htm 「今日は、久し振りのパウダーだ!」「バーンバン、どこでも行っちゃうよ!」
西蔵王パラダイス(モービルランド・マナー等)
http://www.hyoku.com/snowmobilu/3/3page.html
スノーモービルの達人(乗れる所)
http://www1.ocn.ne.jp/~tatsujin/snowmobile/where/land.htm
http://www1.ocn.ne.jp/~tatsujin/snowmobile/index.html
※スノーモビル対策ネットワークサイト様より引用。
ここまでダラダラと長くてまとまりの無い文面となってしまいましたが、ここで少しまとめとしたいと思います。
その前に秋田県庁の自然保護課に「特別地域1~3種」についての質問をしましたが、その回答を記しておきます。
【特別地域1~3種の規制の運用について】
まず、自然公園の地域区分と規制内容についてのおさらいですが・・・。
地域区分 地域の説明 規制内容
特別地域 特別保護地域 原生自然が残る地域など、特に厳重に自然景観を維持する必要がある地域。
許可制
(開発不可)
第1種 特別保護区に準じて、現在の自然景観を極力維持する必要のある地域。
第2種 良好な自然状態を維持している地域で、農林・漁業との調和を図りながら自然景観の保護に努めることが必要な地域。 許可制
第3種 特別地域の中では自然景観を維持する必要性が比較的低い地域で、通常の農林・漁業については認められる。
普通地域 特別地域と一体的に景観の保護を図ることが必要な地域。 事前届出制
※ 特別地域、特別保護地区内における行為については、知事か(叉は環境大臣)の許可が必要です。
■自然公園法の第3節 保護及び利用 (特別地域) 第13条には次のような規定が有ります。
特別保護地区・第1~3種特別地域では、許可制による行為規制があります。
十四 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境大臣が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
法律の上では特別保護地域、特別地域1~3種であろうが規制の対象となっています。
ただし、この法律がそのまま発動されることは無く、この運用については各都道府県の判断に任されています。つまり、特別地域内での規制が必要と判断された場合、関係団体との慎重な協議を行い、指定地区を設けて規制を行うという手順になっています。
なお、現在秋田県でこの指定地域があるのは、唯一森吉山の山頂付近のみです。また、この関係団体というのは、秋田県の場合、林野庁の森林管理局などが主導的立場にあるようです。県の担当者に今後規制などの予定はあるかどうかを聞いた所、現時点でその様な動きは無く、現在スノモービルの愛好団体の自主規制を尊重しているようです。
※自然公園の地域区分と規制内容についての資料・MAPは、山形県庁みどり自然課に問い合わせをすると良いでしょう。
【山スキーヤーの言い分】
ここで山スキーヤーの言い分といっても、ここではモビラーの方々にただ単に不平・不満を言うつもりは有りません。冬山で同じフィールドに立ってしまったモビラーの方々に、「冬山は山屋・スキーヤーだけの領域」などと言う事も出来ません。なぜならば冬の平原や林道ををただ走るよりも、より高い山岳地帯のほうが素晴らしいだろうし、技術的にも高度のものが要求されるでしょう。例えば鳥海山の広大な裾野を走っていれば、より高い山頂方面に気持ちは向かうのも当然でしょう。そういう意味では山屋・山スキーヤーも同じ土俵で活動する大自然の愛好者です。
しかし、法律的にはなんら規制が無いとは言え、ここで何をやっても許され、何でも自己責任の問題で解決される訳では有りません。林道から上部のフィールドには熊、キツネ、ウサギ、テン、或いは絶滅保護動物のイヌワシ、熊鷹など多くの動物が生息しています。この文明の利器に不慣れな物のストレスは大きく、また厳しい環境下で生き延びる高山の植生にも良いはずは有りません。
確かにスノーモービルの有り余るパワーを持ってすれば、我々が10時間位かかって山頂に立ったところを、たった1~2時間で到達することも可能でしょう。でも、こんなに好条件で到達できる所は広大な山岳地帯のごく一部であり、殆ど多くの場合は到達不可能範囲にあり、この様な場所は例外的と言うことが出来ます。殆どの場合、山屋・スキーヤーは辛く汗にまみれ、場合によっては危険を承知に上での登山行為が不可欠で、その結果、我々は山から多くを学んで来ました。我々山屋・山スキーヤーは長い歴史の中での知識・経験そして技術と体力に磨きをかけ、ようやく条件恵まれた日に初めて山頂に立つことが出来たのです。
たとえ登った事の結果は同じとしても、山屋の感覚としてはむしろ登る為のプロセスの方が重要で、いきなり厳冬期の山に土足で上がり込む様な行為を見過ごすことは出来ないのです。つまり、一般国道をお気軽にツーリングする感覚で、林道を外れた冬の山岳フィールドに不用意に進入して欲しく有りません。この様に快適に走行できるのは厳しい冬の一時期、それもほんのひと時で、いざタイミングを失って逃げ遅れた時、自然は容赦なく牙を剥いて人間に襲い掛かってきます。この様な山岳地帯を走行する場合、山に対しては謙虚であり畏敬の念を持って接して欲しいし、決して大自然の恐ろしさを侮って欲しく有りません。そしてモラルを持ったモビラーの方々であって欲しいのです。
【今後に期待する事】
この問題を云々する前に、まず多くの山屋・山スキーヤーの方々にこの事態を知って頂く事が重要です。我々が知らないだけで、山モビラーの方々は遥かに行動力(悪い意味で)を発揮し、なんら制約の無い素晴らしい世界を謳歌しているのです。確かに山で彼らと遭遇するのは一部の山屋・山スキーヤーだけで、あまり認知されることも無く今のところ無く実害も多く有りません。事実、被害者意識を持っているのは、一部の山スキヤー位しかいないのが実情です。ただ、この状態が放置されたままになると、益々多くの山モビラーが山頂を目指す事態になり、まったく歯止めが利かない無法・無秩序状況となる事が懸念されます。
まずはいずれかの自主規制に期待する事になるでしょう。実効性の有る方法なら我々も尊重すべきで歓迎しなければなりません。しかしそれでも歯止めがかからない時、その時は我々の何がしかの行動が必要となるでしょう。ただし、山スキーヤーの実害といっても、それは単なる我々のわがままで一般的な支持は当てに出来ません。あくまでも環境保護という錦の御旗をかざす事により、多く一般的方々のな理解と賛同者を求め、徐々に圧力をかけて沈静化させる方向が良いのではと思います。
さんざん山で遊ばせてもらっていながら、私を含めた山屋・山スキーヤーは意外と環境問題には比較的関心が薄い様です。環境の悪化で突然魚が釣れなくなったり、突然の入渓禁止で失望するする渓流釣りの方々と違い、林道建設問題とかブナ林の伐採問題などではあまり実害が無く、先頭に立って反対運動をする山屋・山スキーヤーの話はあまり聞いた事は有りません。この手の反対運動が必ずしも賛同できるものとも限りませんが、我々は少なくとも環境問題には鈍感だと言うことはいえるでしょう。
北海道ではこのスノーモービル問題が深刻化し、10年以上前から多くの論議がなされ、結果、警察を巻き込んだ幅広い規制の強化と言う事態に至っているようです。東北では今頃のなって初めて問題化した状況で、まだまだコンセンサスが得られないという事が現実です。今後この問題に関心を持つ方が少しでも多くなる事を期待します。
平成19年4月15日
【スノーモービル問題関係のリンク】
蔵王及び栗駒国定公園特別保護地区内で,スノーモービル等の規制について。
http://www.pref.miyagi.jp/sizenhogo/sizen/kouen/snowmobile/snowmobile.htm New
河北新報 KOL NET 2007年 4月13日
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/04/20070413t53033.htm New
スノーモービル対策ネットワーク(北海道・多くの問題点を総括)
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2539/
八甲田(規制・報道)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2003/0201/nto0201_21.html
十和田(被害・報道)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2002/0407/nto0407_17.html
妙高(規制)
http://www.big.or.jp/~arimochi/info.02.05.15.29.html
支笏洞爺(規制区域地図)
http://www.ra.sakura.ne.jp/~kamii/regulation-1/map/tarumae.html
大雪山(規制・報道)
http://www.tokachi.co.jp/kachi/0102/02_09.htm
私はスノーモービルが嫌いだ
http://www.interq.or.jp/ski/hasegasj/xyzak11.htm
スノーモービル関連ニュース(駒止湿原、妙高等)
**********************************
パラダイス(楽しみ方・行動写真例) 必見!
http://members.stvnet.home.ne.jp/seizaka/snow.htm
http://members.stvnet.home.ne.jp/snowmobileparadise/030406/0406_2.htm 「今日は、久し振りのパウダーだ!」「バーンバン、どこでも行っちゃうよ!」
西蔵王パラダイス(モービルランド・マナー等)
http://www.hyoku.com/snowmobilu/3/3page.html
スノーモービルの達人(乗れる所)
http://www1.ocn.ne.jp/~tatsujin/snowmobile/where/land.htm
http://www1.ocn.ne.jp/~tatsujin/snowmobile/index.html
※スノーモビル対策ネットワークサイト様より引用。
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