不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Anniversario di Pinocchio

2011-06-28 19:41:00 | アート・文化

「ピノキオの冒険」は
Carlo Collodi(カルロ・コッローディ)によって
1881年に書かれた小説で、
初版はLibreria Editrice Felice Paggiから1883年に出版され
オリジナルの挿絵はEnrico Mazzanti(エンリコ・マッツァンティ)。

今では児童書の定番とも言われる名作ですが
当初は作者であるコッローディは
児童書としての作品という認識はなく
最初のバージョンではピノキオは散々の失敗&悪事のせいで
首吊りをして命果てるところで終わっています。
その後子供向けの新聞に連載されることになって
物語は少し長くなり
今知られるような、
人間の子供として生まれ変わるストーリーになりました。

ピノキオのイタリア国内、世界各地での販売実数は
把握できないくらい天文学的な数字だといわれています。
1940年に版権が消滅していることもあり、
それ以降は
誰でも自由に出版できるようになっているせいもあります。
1970年代に行われた調査では
220の言語による翻訳版が見つかったとも言われています。
つまりその当時でも、
イタリア文学で最も他言語に翻訳され
世界で愛読されている作品となっていたわけです。
1990年終わりにユネスコの統計を基にした調査では
240ヶ国語での翻訳が確認されています。

1881年7月7日にフィレンツェの子供向け新聞
(Il Giornale dei Bambini)の連載第一作目が掲載されてから
今年はちょうど130周年。
これを記念してCollodi(コッローディ)にある
ピノキオ博物館では館内の図書館に収蔵されている
数千冊の各ヴァージョンの原書のうち
最初の100冊をデジタル化して7月7日より一般公開。
これまでは1800年代の出版物で取り扱いが難しく、
ごく限られた研究家にしか公開されていなかったものも
デジタル化によって広く一般の利用者にも公開され、
館内に設置されたタッチスクリーンによって閲覧が可能です。
今後さらにデジタル化の冊数を増やしていく方針。
またインターネット上での公開は現在準備中だということで、
近い将来世界のどこにいても
オリジナルの挿絵入りピノキオの冒険が
読めるようになるかもしれません。