不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La raccomandazione in Italia

2008-07-30 20:19:02 | 日記・エッセイ・コラム

イタリアはコネさえあればうまく行く。
イタリアはおエライ知り合いが多ければ多いほど
ラクチンに生きられる。

こんな話は私がイタリア暮らしをする前から
噂で聞いていたことです。
そして実際暮らし始めて、
この国は本当にコネ社会なんだなぁと思っていたものです。
そして更に13年経った今でも
それはまったく変わっていないのだなぁと思ったりもします。

先日雑誌の記事にも堂々と
それについての数字が掲載されていて
なんだイタリアってやっぱりコネ社会、
そしてそれを誰も悪いことだと思ってないのねと納得。

まじめな雑誌Focusの行ったアンケートの結果。
10人に6人のイタリア人が
何らかの形でコネを利用することも厭わないと回答。
これに関して女性、男性の差はそれほどないとか。

自分自身のためにコネを利用するひとは58%。
知り合いの知り合いなどをたどっていけば
自分に必要なコネクションが見つかるわけですね。

誰かのためにコネを探してあげようと思う人は
女性で80%、男性で72%。
友人や親類のために
一生懸命コネ探しをしてくれる人が多いのです。

そしてそれを誰も「悪いこと」だとは思っていないらしい。
まぁね、それで社会が回っているならそれでもいいし
決して悪いことだとはいわないけれど
特に就職などでコネを使われると
会社の運営や仕事の進捗に支障をきたしたりもするわけですよ。
気づいていないかもしれませんけど、皆さん。

10人に4人が自分や家族のために
何か手を打ってくれた恩義のある人の子息であれば
コネ就職の手伝いもすると回答。
たとえその子息をよく知らず、
もしかしたらとんでもない役立たずだったとしても・・・。
若干常識のある人(10人に一人だけど)は
もしその恩義ある人の子息が「独活の大木」
使えない人物であると知っていれば
コネ就職の斡旋はしないと答えています。

イタリア人らしいかもなぁと思ったのは
こうしたコネ社会にあって
コネを紹介したことで何かの見返りを期待してはいないという点。
まぁ、持ちつ持たれつ、
知らないうちに相互援助になっているからなのかもしれませんが。
たとえ見返りなんかなくても
自分がどれだけ優良なコネを持っているかを自慢できるだけでも
イタリア人は満足していたりしますからね。

不思議な国です、本当に。