田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

201 感動しました

2007-03-05 06:09:51 | 私の身辺
主人の病院で顔見知りになりよく話をするようになった男性がおられます。
奥様が認知症で入院されています。車イスを押しながらホールには連れて来
ないでと言われました。「あら何故ですか?」「こいつが大声だすとですよ」
「何の点滴されているのですか?」めしを食わんらしい、栄養剤です。
廊下で立ち話していたら、サル!禿げ!オヤジ!さっさと掃除せんか!大声
で奥様の罵声が飛びます。「ハイハイ」と言いながら車イスを前後に動かす
ご主人。バックからタッパーを取り出しサイコロに切ったくだものをスプーン
で奥様に、口を開け食べる奥様。しばらくしたらもういらん!と大声。
聞こえたはずのご主人ですが又口元へパクッと食べる奥様。いらん!パク!
いらん!パク!私の目の前でタッパーはとうとう空になりました。「食事も
こうして辛抱強くやったら全部食べるとですがね~」1度いらんと言ったら
看護婦さんはすぐ止めますもんね。先生に頼んだけどもここではそこまでの
対応は出来ないと言われました。だから昼食には間に合うように来ています。
何と優しい奥様思いのご主人様、私は目からウロコの感動を味わいました。

  平成19年3月5日  記  感動を有難う田舎のエプロンおばさん