ツレヅレグサ

雑記と愚痴と、時々小説

Nightmare City Another Story(8)

2006-05-14 22:06:39 | 小説
       ***BGM:403「Northern Lights」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第八話『反撃』

 前回のおさらい
それぞれが未来を守るために動くなか、ついに戦闘が開始された。
狩人たちが牙をむき、戦士たちは応戦する。
果たしてこの戦いを制するのは?そしてaaaたちの運命は?

 レモナたちが突入したビルの屋上。そこには、八頭身たちに追いつめられた>>1とオニギリがいた。
「ついに>>1さんを追いつめたぞ(ハアハア)。これをつければ>>1さんも仲間になる・・・」
そう言って八頭身の一人が取り出したのはあの装置だった。
「させるかっ!」
オニギリが八頭身に殴りかかる。しかし、八頭身は鞭を出してオニギリを後ろに叩きつけた。
>>1は激怒した。こいつらはいつもの八頭身じゃない!こんなクソ野郎は俺が許さん!
「この野朗おおおおおお!!!!」
彼は叫びながら八頭身に向かって突進した。しかし、それはあまりにも無謀すぎた。
「ぐはっ!」
八頭身に蹴飛ばされて彼はオニギリの隣に落ちた。八頭身は邪悪な笑みを浮かべる。
「>>1サーン、おとなしくしてなくちゃいけないよお」
もはやいつものしつこいストーカーではなく、残忍な狩人の顔だった。
「もうだめか・・・」
>>1がそう思ったとき、下の階につながっているドアがふっ飛んだ。
「だれだ?」
八頭身が叫んだとき、レモナたちが彼らに突っこんだ。
「はあああああ!!!!」
ニダーは左の一体を華麗に蹴飛ばし、一撃で撃破した。
そしてショボーンは八頭身の攻撃をかわしてサマーソルトキックをかました。
二人の八頭身があっけなく床に倒れる。そしてレモナも残り一人に攻撃をかける。
「>>1さんとの仲を邪魔するなあアアア!!」
八頭身は鞭で叩き落とそうとするが、レモナはそれを軽くかわした。
そして彼のみぞおちに拳をかます。八頭身はフェンスごと上空に舞った。
そして落下。
「>>1さ~~~~ん・・・・・・・・」
彼はそう叫びながら地上へと落ちていった。レモナたちは残った2人を縛り上げた。
「あんたたち大丈夫?結構ひどい怪我してるけど?」
レモナは>>1たちの傷を診た。さほどひどいものではない。
「レモナさん、そろそろここから離れた方がいいよ・・・」
ショボーンは心配そうに言った。彼の言うとおり、ここが安全という保証はない。
「そうね・・・。じゃあショボーンはオニギリに肩貸して」
そうしてショボーンとレモナがオニギリを、ニダーが>>1を支えるようにして下に降りた。

 その頃、幹線道路のある場所で。
「つー、お前は下から攻撃するモナ。俺は上から攻撃して奴らをころすモナ」
「ワカッタヨ。タダシアニジャハアタシガコロス」
「よし。それじゃあ行くモナ」
二人は流石兄弟に向かって突撃を開始した。
 一方流石兄弟の方は。
「なあ、兄者。なんかつーらしいAAがこっちに来るみたいだが」
「何?ちょっと双眼鏡を貸してくれ」
兄者は双眼鏡を覗いた。そこにはつーの顔が映っている。
「銃を構えろ!敵が来るぞ!!」
三人は銃を構えた。程なくしてつーとモナーの姿が見えてくる。
そして発砲。つーたちの周りを銃弾が跳ねる。
すぐに弾倉内の弾を撃ちつくし、次の弾倉を押し込んだ。
「オマエライツモウザインダヨ!」
つーはそう言って包丁を展開する。そしていくつもの包丁を投てきする。
「うわあ!?」
「ぐっ!」
「きゃあ!」
包丁が彼らの腕に突き刺さった。三人のうめきや悲鳴が重なる。
「オマエラミタイナヤツハココデシネ!」
つーはそう言って再び包丁を投げようとした。そのとき。
「させないのじゃ!」
妹者が傷つきながらも銃を構え、発砲した。つーはよけきれずにそのまま撃たれた。
そしてバランスを崩し、地面に倒れる。しかしまだモナーがいた。
「氏ね!」
モナーが両刃剣を振りかざし、妹者の上から斬りかかろうとした。
「妹者、危ない!」
兄者の声で気づいた妹者だが、もう既に攻撃はよけられない。
彼女はそれでも両腕を頭の上にやり、頭をかばおうとした。そのときだった。
どこからかロケット弾が飛んできて、モナーに直撃したのだ。そして爆発。
モナーは何がぶつかったのかわからないまま四散した。兄者はロケット弾の飛んできた方向を見た。
「タカラギコ・・・!」
そこにはタカラギコがロケットランチャーを持って立っていた。
「やあ、助けに来たよ」
タカラギコはいつものスマイルでそう言った。その周りには4,5人の仲間もいた。
「ぬるぽ」
山崎が微妙な調子でいつもの台詞を言うと、タカラギコはロケットランチャーで殴った。
ガッ。
「こんなときにまでぬるぽ言うな」
・・・。とにかく彼らはつーを縛り上げると、教授と連絡を取った。

 一方しぃは枯れてしまった街のシンボルの前に腰を下ろしていた。
私のせいだ。彼女はそう思った。私が管理人たちに背かなければこんな事にはならなかったのに。
私が彼らに背いたからみんなを犠牲にしてしまったんだ・・・。
ふと思った。ギコはどうしてるんだろう。とっくの昔に逃げたはずなのに。
こんなところにいるはずないのに、なんでまた会えるかもしれないって思うんだろう。
「しぃ!」
そのときギコの声が聞こえた。え、空耳だよね?だってギコは街の外にいるはずじゃなかったの?
「しぃ!良かった・・・」
やっぱりギコの声だ。じゃあ、もしかして。しぃは声のする方をチラッと見た。
やっぱりギコだ。でもなんでここに戻ってきてるの・・・?
ギコはその間にも彼女に駆け寄ってきた。
「無事だったんだね、しぃ!」
そのとき、フサギコが現れた。右腕からは血を流している。
「ギコ!そいつに近づくな!」
「え・・・?」
「そいつはシステム化されてる!気をつけろ!」
うそだろ?ギコはそう思った。なんでしぃがシステム化されたって言い切れるんだよ?
「ギコ!こいつも奴らと同じなんだ!管理人の手下なんだよ!」
手下・・・?なんで?なんで彼女が管理人の手下なんだ・・・?
そんなの嘘だ、うそだ、ウソダ・・・。
「やめて!」
突然しぃが叫んだ。二人が驚いて口をつぐむ。
「確かに私はシステム化されてる。私はダークと同じ。でも、私は彼らとは違う」
「・・・」
「でも、私のせいでみんなを苦しめてしまった・・・」
彼女が首をうなだれる。ギコは彼女の言葉に驚愕してしゃべる事ができなかった。
 そのとき。しぃはダークの存在を感じた。
「くる・・・!」

 そして俺は、やっと工場の入り口まで来た。見張りのAAがいたが、そんなのは完全無視して通り過ぎた。
奴らの機械があるのは新しくできた2号棟だ。俺は2号棟の扉をグレネードで破壊し、中へ進入した。
2号棟は関係者以外立ち入り禁止、奴らにとっては絶好の隠し場所だ。
おそらくシステムの中枢は奥の開発室にあるはずだ。
というのもギコから聞いただけなのでどこにあったかわからないのだ。
そのとき、tカラたちの姿を確認した。隣の部屋で物陰に隠れている。
それで俺は何かいることを察知した。扉をマシンガンでミンチにし、そのまま突っこむ。
そして急ターンを決めた。そこには軍用の武装ロボットがいた。なるほど、そういうことか。
俺はマシンガンをぶっ放しつつヤツに突っこんだ。そして飛び降りる。
エアバイクだけがヤツに突っこみ、爆発した。ざまあみろ。
「aaa!?どうしてここに?」
tカラが驚いて言った。その手には俺の渡した武器が握られている。
「やっぱりこの会社は俺がつぶしてやりたいんでな。元社員だし」
「お前らしいな」
とりあえずこんな会話している暇はない。早く先に進まなくては。
俺たちは次の扉を開けた。その先には得体の知れない機械が並んでいる。
「なんだこれ・・・?」
仲間の一人がきょろきょろしながら言う。大体わかっている。これが手術台だ。
こいつに横になったら最後、そいつは管理人の手先にされてしまう。
そのとき、奥の闇から笑い声が聞こえてきた。
「誰だ?そこにいるのは?」
「やっぱり戻ってきたか、aaa。しかしここでお前も終わりだ」
この声には聞き覚えがあった。それどころか会った事がある。
「ARKWINGか・・・」
ARKWING。通称ARK。こいつは確か居酒屋の常連だったな。
「その通り。そしてこの場所の番人でもある」
ARKはこっちに歩きながらそう言ってきた。じゃあこいつもシステムに組み込まれたのか。
「tカラたちは下がれ。こいつは俺がねじ伏せる」
俺は海燕を抜くと、仕掛けを起動させる。所詮ダークよりは弱いやつだ。
「ねじ伏せる?馬鹿なことを言うな。お前は俺に勝てないよ」
「いつからそんな自信家になったんだ?俺の知るARKはもうちょっとわきまえてたはずだぜ」
「ふん、なんとでも言うがいい。そしてこの力の前にひざまずけ!」
その瞬間、ARKの周りに八つの剣が現れた。それは空中に浮き、周りを回っている。
「いくぞ!」
俺はそう言ってヤツに斬りかかった。

 次回予告
迫り来るダーク。猛攻のARK。
追いつめられるギコとaaa。
そのとき目覚めるのは真の能力。
次回『覚醒』
真の力 発現しろ、aaa!

 作者のひとこと
さすがに疲れてきた。果たして10話で終わるんでしょうかね!
このままだと11話までいっちゃいそうだ!でも書き終えるまではへたれない。
今後も応援よろしくお願いします。

 **お知らせ**
日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking


Nightmare City Another Story(7)

2006-05-13 17:16:43 | 小説
       ***BGM:403「Northern Lights」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第七話『戦火』

 前回のおさらい
aaaとギコは再び街に戻るために準備する。一方街ではついに教授らが行動を開始した。
戦闘の予感が強まる中、aaaとギコはついに街へ戻ってきた!
そして街は戦いの炎に包まれようとしていた。

 工場の奥では、ダークモララーとつー、モナーが機械を囲むようにして立っていた。
「どうやら脳のない輩が動き始めたようだな」
ダークはそう言って2人の方を見た。モナーが口を開く。
「バカとはいえ、こっちと奴らでは数が違うモナ。余裕というわけでは無さそうモナが?」
「心配するな。奴らは数人に分散して行動している。我々の力で十分殺せる数だ」
「カズナンカドウデモイイ!ヨウハツカエナイヤツヲミナゴロシニスレバイインダロ?」
つーが早口でそう言うと、ダークはその通りとでもいうような顔をした。
「ただし非戦闘員にはかまうな。そいつらまで相手にするのは厄介だ」
「ソンナコトハヒャクモショウチダ」
そのとき、奥からアヒャが顔を覗かせた。
「準備は整ったか?」
ダークがきくと、彼はうなずき言った。
「イツデモヤツラヲタタキノメセルゾ」
「よし。では各自攻撃に移れ」
次の瞬間には、ダーク以外の全員がその場から消えていた。
ダークは笑みを浮かべながら機械の間を抜けていく。
そして実験台のそばに座り込んでいる白いフサギコを見下ろした。
「ARK。お前はここに残りシステムを守れ」
「了解」
白いフサギコ、ARKは立ち上がってそう答えた。ダークは笑みを浮かべた後に消え去った。
ARKはしばらくその場に立っていたが、そのうち防衛システムの制御パネルをいじり始めた。
そして防衛ロボットが起動し、入り口の方へと移動していった。

 「戦う事は犯罪ではない。戦う理由が犯罪なのだ。-ある哲学者の言葉より-」

 レモナたちは階段を使い屋上を目指していた。というのもエレベーターが止まっているからだ。
「ハア、ハア、なんでこんな展開になるのよっ!?」
「そんな事は僕に言わないでよ・・・」
ショボーンは不思議な事にぜんぜん息が上がっていない。いや、むしろ息をしてるのかも怪しい。
「ハア、ハア、で、後何回あるの?」
レモナの質問に、ニダーが答える。
「おそらくあと10階はあるんじゃないニダか?」
「ちょっと!なんでまだそんなにあるのよ!」
「し、しらないニダ!?」
「・・・」
というふうに3人は怒鳴りつつもビルの上に向かっていた。

 一方幹線道路では。
流石兄弟は拳銃をいつでも撃てる状態にして周りを見張っていた。
まるで嵐の前の静けさのように、何も音がしないのはある意味不気味でもあった。
「なあ、兄者」
突然弟者が兄者に声をかけた。兄者が振り返る。
「なんだ?」
「あの遠くにいる人影って敵だと思うか?」
彼の指差した先には、小さくてよくわからないが、誰かがこっちに向かってきているのが見えた。
「ん・・・?」
その姿が徐々にはっきりとしてくる。それはエアバイクに乗ったaaaだった。
「お前らそこをどけ!轢かれるぞ!」
aaaは怒鳴りながらエアバイクを上昇させる。流石兄弟は危険に気づいて横に避けた。
その直後、高速でエアバイクが通り過ぎていった。
「・・・2人とも大丈夫か?」
兄者が声をかけると、二人は無事な事を彼に伝えた。
「兄者、あいつ帰ってきたんだな・・・」
「ああ」
その後、彼らは再び周囲に気を配り始めた。

 危ないとこだった。危うく流石兄弟をひき殺して母者に殺されるとこだった。
俺はエアバイクの高度を再び戻すと、工場に向かう一本道を走る。果たしてほかの奴らは大丈夫だろうか。
無線で聴いている限り、まだ戦闘は起きていないらしい。しかしこの先どうなるかは見当がつかない。
とにかく、今の俺に出来るのは工場に向かってシステムをダウンさせる事だ。
俺はTカラたちがまだくたばっていない事を願いつつエアバイクを走らせた。

 一方、フサギコたちは。
「で、なんでまだ逃げてないやつがいるってのはどういうことだ?」
彼はちびギコを前にしてつぶやいた。ちびギコの方はフサが怖いのか泣きかけだ。
「って泣くなよ。泣かれたらこっちも困るんだ」
「・・・オジチャン怖い」
ちびギコの「オジチャン」という言葉は、彼を怒らせるのには十分だった。
「俺はオジチャンなんて呼ばれる歳じゃねえよ!」
そのとたんちびギコは泣き始めた。フサの後ろにはモララーたちが待っている。
「まだかフサー。早くしないと置いてくからな」
「わかったからもうちょっと待ってくれ」
フサはちびギコのおでこをなでながら言った。この状態ではいつ敵が来てもおかしくない。
「おい、ボウズ。お前は早く家に帰るか教授の家に行くかしろ。俺たちはまだ用事があるんでな」
ちびギコはうなずいた。
 とそのとき。
「敵だ!近寄らせるな!」
モララーの叫ぶ声が聞こえ、銃声が響いた。フサは振り返った。
「・・・その程度か?くだらん」
「その声は、まさか」
そう、その声の正体はダークだった。そのそばにはフサのチームのAAが倒れていた。
フサはちびギコをかばうようにしてダークと向き合った。
「モララー!お前はさっさと逃げろ!」
フサは銃を斬られたモララーに怒鳴った。モララーはすぐに逃げようとしたが、
「バカめ。俺から逃げられるとでも思ったか」
その行く先にダークが待ち構えていた。そして一閃。モララーの胴から鮮血が吹き出した。
「モララー!」
ダークはモララーの血を払うと、フサの方にまっすぐ近寄ってきた。
「友人を逃がそうとするその姿勢は良かった」
「くっ」
「だが相手が悪すぎた。お前は友人を死に向かわせたのだ」
もう逃げ場はない。だがもしできればちびギコだけでも逃げて欲しい。
彼がそう思っていると、ダークは突然笑い出した。
「何がおかしい!?」
「そこまでしてその後ろにいる小僧を守りたいのか。ムダだ」
「ふざけるな!」
フサは刀を抜き放った。しかし、次の瞬間ダークはそこにいなかった。
「な?」
そんなばかな。そう思ったとき、後ろでブシュッという音が聞こえた。
振り返ったそこにはちびギコが倒れていた。
「所詮お前が守ろうとしたところで、それはできない」
背後から声がした。フサはとっさによけた。斬撃が右腕を浅く斬る。
「たとえそれが自分の命だったとしてもだ」
「よくもあのガキを・・・」
フサはすべての怒りをダークにぶつけた。しかし、結果として飛んだのは彼の刀だった。
「心配するな。あのガキは死んでいない」
「なに?」
「我々の仲間入りを果たしたのだよ、彼は」
という事はシステムに組み込まれたってことか。フサはそう思った。
ダークはその彼に誘いをかけた。
「お前も我々の仲間となり、正しい世界の秩序を築こうではないか」
「断る」
彼はそう言って刀を拾おうとしたが、ダークに蹴り飛ばされてふっ飛んだ。
「そうか。それは残念だ」
ダークの顔は残酷の笑みを浮かべていた。フサは立ち上がろうとするが、立ち上がれない。
「それならここで死んでもらうとするか」
力が入らない。くそっとフサは思った。その彼に向かって刃が振り下ろされる。
そのとき。ダークの手が止まった。
「この感覚・・・ヤツか!」
ヤツ?一体誰の事だ?そう思っているうちにダークの姿はそこから消えていた。
フサはよろよろと起き上がると、無線機を手に取った。
「こちらフサ。・・・全滅した」
「・・・そうですか。これから医療班を送るのでそこで待機していて」
「すまん。他に回してくれ」
彼はそう言って無線を切った。ちくしょう。

 教授は席を立つと、机の引き出しを引いた。
「教授、どこへ行かれるんですか?」
「これから街のほうに行ってきます。心配しないでも大丈夫です」
それから教授は防衛隊の一人に留守を頼むと、引き出しからリボルバーを取り出し、
ホルスターに収めた。
「それではいってきます」
「教授、くれぐれも気をつけて」
教授は外に出ると、自分の車のエンジンをかけた。
そのとき。
「シネエ!」
突然アヒャがかなり巨大な剣を振りかざして切りかかってきた。教授は斬撃をよけ、
リボルバーを正確に撃った。アヒャが一瞬びくっとした様に痙攣し、その場に倒れた。
「まったく、システム化がいい事なのか疑問ですね」
彼はリボルバーを収めながら言った。

 話は少しさかのぼるが。
ちょうどフサたちが戦闘中のとき、ギコは街の上空に出た。
そのまま落下するが、着地はかなり静かに決まった。彼は周りを見渡した。
ビルの窓ガラスはほとんどが割れ、道路上の車もほとんどが大破していた。
しぃは無事なんだろうか。ギコは突然そういう思いになった。
早くしぃを見つけ出して、彼女と一緒にここから逃げなくては。
ギコは走りだした。やがて彼が悲劇と直面する事は、まだ知るはずもなかった。
しぃ、待ってろよ。俺が必ず助けるから。
その上空には南十字座が光っていた。それはまるで剣のようにもみえた。

「悲劇や喜劇がいつ起こるのかは明かされない。-ある哲学者の言葉より-」

これからどうなるのだろうか?
俺は?俺の友人は?彼らは?そして街は?
その答えは最後にわかる。
それがハッピーであったとしても、悲劇であったとしても。

 次回予告
次々と巻き起こる戦い。
そして今明かされる真実。
混迷の中で人は何を思うのか?
次回「激闘」
混迷の闇打ち崩せ、しぃ!

 作者のひとこと
いやー。やっと7回書いたんだwww。
思えば長かったなー(嘘)。でも、面白いのはこれから先なんで。
ここからが勝負どころ。原作に負けず劣らずいいもの書いて見せます!
ってこんな宣言しちゃって大丈夫かなー・・・。

 **お知らせ**
昨日チャット友達のHPをブックマークに追加しました!
ここからもっとネットの輪が広がるといいんですが。
ぜひ一度いってみてください。

日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking



雑記-5/11/2006

2006-05-11 22:39:09 | 日記
とりあえず今日は小説無理。
なのでいつもの雑記をダラダラと。

今週はアクセス数がすごい高い。
毎日のように20人以上もの人が見に来てくれている。
そういう目に見える結果だけじゃないけど、そういった事に励まされて物語をつないでいける。
このブログを見てくれている皆さんに感謝したいと思う。
この感謝の気持ちは、小説の簡潔まで書き続ける事で返そうと思ってる。
だから、これからもがんばっていこうと思う。
読者のみんなにも、原作者のみーや様にもいいたい。
本当にありがとう。
そしてがんばるぞ。

ところで話題は変わるけど。
最近このままじゃ日本が危ないと思い始めた。
すべて何も知らない金持ちの勝手ですべてが決まっていくことが。
大半の人間が生きる意味を見失っている現状が。
これが平和ってものなんだろうかって。
みんなが右向け右の精神で動いていたらどうなるか。
上の命令をおかしいとも思わず実行するようになったら。
それは想像したくない世界。
でもそれは実現しかかっている事。
どうするべきなのかはわからない。
でも、何か行動しなきゃいけない気がする。
正しいとかいう問題じゃなくて、自分で納得できるまで行動したい。
何をするかは問題じゃない。
どんな心意気で行動するかが問題じゃないだろうかって。
とりあえず、自分なりに何かを見つけ出そうと思う。
そうしたら何かが見えてくるかもしれない。
もしも同じように思っていたら、迷わず行動して欲しい。
すべてを動かすのは今を生きる私たちだから。

・・・。
なんかよくわからない事かいてるなあ。
こんな事書くつもりじゃなかったんだけど。
まあいっか、雑記なんだし。

 **お知らせ**
日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking


それでは次回は小説を書きますんで。
よろしくお願いしますってことで。

ではでは。(これ小説だと使えないんだなー)

Nightmare City Another Story(6)

2006-05-10 16:33:45 | 小説
       ***BGM:403「Braze of life」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第六話『反撃』

 前回のおさらい
外の世界に出たaaaとギコは、情報屋のレモン屋のところへ行き、秘密の抜け道についての情報を仕入れた。
二人は古くからの友人ユウマとMEGUMIの家に滞在し、しぃ救出のための準備をはじめた。
そして街では教授を中心とした反管理システム化のAAたちが自らの未来を守るために動き始めた。
ついにすべては動き始める。

 外の世界に出て、二日目。俺はユウマの家の庭先を借り、エアバイクの改造を始めた。
「おい、ギコ。そこのドライバーを取ってくれ」
「これでいいか?」
「OK。あとちょっとここを押さえてくれないか?」
まず最初にエンジンのチューンアップ。そして武装の取り付け。外装を元に戻す頃には、
俺たちは油まみれになっていた。
「これで本当に大丈夫なのか?」
ギコが心配そうに訊いてきたので、俺はとりあえず走行試験をすることにした。
高速を突っ走った。武装分のパワーを上げただけなので、速さはさほど変わらない。
ただ、コーナー時が重くなったぐらいなので、さほど影響はないだろう。
走行試験のつもりが、いつの間にか臨海区域をうろついていた。
潮風が時々吹いてくる。
今頃街のやつらは大丈夫なのか、突然そう思った。もしあいつらまでシステムに組み込まれたら・・・。
いや、そんなことは想像しないほうがいい。あいつらはそんなに弱いやつらじゃない。
というよりはそう思いたい。
きっと自らと街のために戦うはずだ。そうなら俺も早く戻るべきかもしれない。
もしかすると戻る頃にはすべて片付いてるかもしれない。それだと俺の出番がない。
俺は再び高速に乗り、ユウマの家まで急いで帰った。

 その頃、街の中では。
「本当にやるんですか、教授?」
「今行動しなければさらに事態が悪化します。これ以上被害を出さないためにも、
 私たちが行動しなければならないのです」
「了解。各班所定位置へ移動」
武装したAAたちが次々と街の中心へ向かう。研究所の中には守備隊と教授が残った。
「兄者と弟者、妹者は幹線道路を封鎖せよ」
「こちら兄者、了解した」
幹線道路へと流石兄弟は向かう。その手には愛用の拳銃が握られていた。
「ときに兄者、もし相手がつーだったらどうするんだ?」
「決まってるだろ」
と兄者は答える。その目にはFMVを壊された怒りがみなぎっていた。
「あのヤローはこの俺がぶっ殺す!」
そしてレモナたちは>>1とオニギリが逃げ込んだビルへと向かっていた。
「ジエン、あなたは入り口を見張ってて!」
「リョカーイ!」
「はあ、何で僕まで動員されてるんだろ・・・」
ショボーンはいつものネガティブ思考を展開していたが、レモナに一喝された。
「何言ってるの!あんたもれっきとしたメンバーでしょ!ちゃんと仕事しなさいよ!!」
「はいはい・・・」
タカラギコは別の班にまわったので、代わりに二ダーが加わっていた。
「油断は禁物ニダ。一瞬の隙が命取り二ダよ」
「その通り。しっかりしなさいよ!」
 そしてフサギコはモララーたちとともに中央広場へと向かっていた。
「何でモナーみたいなやつらがあんなことに・・・」
「それを俺たちが止めに行くんだろ?」
モララーはそう言って彼の日本刀を手渡した。地下鉄での戦いで落としたものだ。
「俺が拾っといた。お前が使わないと意味がないからな」
「サンキュー。これ以上街をやつらの勝手にはさせねえ!」
 教授は指揮官として、講義室を改造した指揮所で指示を出していた。そして。
「これより、NightmareCity開放作戦を開始します。各班行動開始。
 できる限り戦闘は避けるように。あくまでこれはシステムのダウンが目的です」
「了解。これより行動を開始する」
ついに己と未来のための、戦いが始まった。

 そしてその数時間後。
俺とギコは街に戻る準備を始めた。一時的に偽装ポートを開放し、街に侵入する。
「ギコ、ひとつだけ言っておきたいことがある」
俺はギコに向かって言った。ギコが何だと言って振り返った。
「おそらく突入時は離ればなれになるが、お前は俺を気にせずしぃを探せ。
 俺は・・・ちょっと他の所に用事があるんでな」
「わかった。でも気をつけて」
「んなことわかってるよ。お前こそしぃに会う前にくたばったりするなよ」
一通りおしゃべりを済ませたあと、俺はユウマとメグリンに別れを告げた。
「もう行っちゃうのか・・・。まあ、今度また遊びに来いよ」
「ああ、そうさせてもらうさ」
これは俺の本音だ。果たして現実になるかは知らないが。
「じゃあ、いってらっしゃい」
「いってくる」
そして俺たちは庭の中心に向かう。そこには転送装置とでも言うべき機械が置いてある。
「よし、置いてかれたりすんなよ!」
「わかってるって」
そして俺は機械を起動した。その周囲数メートルが一瞬で別空間とつながり、
俺たちは来たときのように、光に包まれて街へと向かった。
飛行しているうちに、俺とギコはどんどん離れていく。俺はエアバイクにまたがった状態で、ギコに手を振った。
ギコも手を振り返した瞬間、ギコの姿はもう見えなくなっていた。
じゃあ、俺はあの場所へ向かいますか。俺はエアバイクのエンジンを始動させながら街に飛び出した。反重力エンジンが起動し、エアバイクはゆっくりと降下していく。
といってもかなり速いのだが。そして俺は工場から1キロほど離れた街の中心部に着地した。
体勢を立て直し、工場へと向かう。全武装の安全装置を解除し、いつでも撃てる状態にした。
そして無線を調整し、教授たちと同じ周波数に合わせた。教授の指示する声が聞こえてくる。
「こちらaaa。たった今こっちに戻ってきた。そっちの状況はどうなってる、教授?」
すぐに教授がいつもの調子で返事を返してきた。
「早かったですね。私たちはほんの数時間前に行動を起こしたところです。
 工場にも数人が向かってますから、早く行ってあげてください」
なるほど、よくわかってるじゃねえか。どうやらtカラも工場へ向かったらしい。
「了解!直ちに工場へ向かう」
よし。俺がこの戦いをすぐに終わらせてやるよ。

 次回予告
ついに動き出したAAたち。
それを迎え撃つのは管理人に従う者たち。
激しい戦いが起こる中、ギコはしぃを探す。
そしてaaaに襲い掛かる敵とは?
次回『戦火』
悲劇を終わらせるために戦え、AAたち!

 作者のつぶやき
皆さんこんにちわ(夜ならこんばんわ)。
ただいま小説執筆中のaaaです。
元ネタがあるとはいえ、小説書くのは疲れます。マジで。
ホント今の自分はorzです。まあ、これが終わるまでは体力もたせますが。
では次回のNightmareCityAnotherStoryをご期待ください。

 **お知らせ**


Nightmare City Another Storyの語句説明(2)

2006-05-09 22:52:09 | 日記
今回も前回に引き続き語句説明を
今回は人物中心。

教授・・・aaaの友人で、自称何かの教授。頭脳明晰、今回は反システム化をまとめる役。
     イラストの知識もあるので、aaaがときどき講義を聴いている。
tカラ・・・教授と同じくaaaの友人。小説内ばかりか現実にチャット友達。
     イラストと小説を趣味としている。
レモン屋・・・今回の小説では情報屋として登場。この人もまたチャット友達。
       部屋が散らかっている設定にはなっているが、現実では不明。
ユウマ・・・aaaの友人。
MEGUMI・・・aaaの友人。aaaは「メグリン」と呼んでいる。
レモナ・・・原作にも登場するAAキャラ。
ショボーン・・・原作にも登場するAAキャラ。今回は消極的な性格として書いたが、
        実際にはそうでもなかったりする。
モナー・・・有名なAAキャラ。本名はオマエモナ。亜種としてオニギリやモララー等が存在する。
>>1・・・少数派である擬人系AAキャラ。某スレッドで「八頭身はキモい」と言ってしまったせいで、
     大嫌いな八頭身に追いかけられる運命となった。
八頭身・・・>>1を付け狙うAAキャラ。よくわからないが>>1に萌えている。
オニギリ・・・モナーの頭がオニギリ状になったようなAAキャラ。ときどきワショーイする。
ダークモララー・・・街の管理人が生み出した暗黒のモララー。原作では単にモララーだが、
           今回はそれと別にモララーが登場しているので変更した。
モララー・・・モナーの顔を(・∀・)にしたAAキャラ。由来はMolal+モナー。
       本来はAAの規範となるAAキャラだったらしい。
妹者・・・流石家の中では唯一擬人系キャラ。「なのじゃー」が語尾につく。
     母者になついている。
毒男(ドクオ)・・・独身男性の略。AAキャラもちゃんと存在する。原作では「NightmareCity」のほうに登場。
     ヒッキー(引きこもり)で、童貞。かなり消極的。
     「マンドクセ」という言葉をときどき発する。

今回はこの辺で打ち止めにさせていただきます。
次回はおそらく続編に取り掛かる予定です。

 **お知らせ**
日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking

ではでは。


Nightmare City Another Storyの語句説明

2006-05-08 22:49:34 | 日記
とりあえず平日にあれだけ書けないので、
今日は語句解説で。

エアバイク・・・文字通り空中を飛行するバイク。実際は大型スクーターのような
        かんじだ。反重力エンジンと小型ジェットを搭載している。
        結構高額なので贅沢の象徴とも言える。
www・・・笑いの略字表現。2chなどでよく使用されている。
管理人・・・文字通りHPなどの管理者。
AA・・・アスキーアートの略。要するに記号などを用いて絵をかく。またはその絵。
    2chなどでよく使われる。

タカラギコ・・・タカラ騒動(タカラ(株)がギコをパクった)のおかげ?で誕生したキャラ。
        山崎が「ヌルぽ」と言うとハンマーで叩く役。
        常に陽気な顔つきをしている。
ヌルぽ・・・山崎(誰か知らん)が言ってくる言葉。よくわからん。
ギコ猫・・・AAの一種。結構古くからあった。よくしぃとセットでフラッシュに出る。
しぃ・・・ギコ猫の一種と思われるAA。よくギコの恋人として扱われる。
つー・・・しぃの亜種と思われる。半角カタカナでしゃべってくる。
流石家・・・母者、父者、兄者、弟者、妹者で構成されるフーン系の一家。
      母が怖い。
NightmareCity・・・知る人ぞ知る、有名フラッシュ。作者はみーや。
         この小説はこのフラッシュを元に書いている。
         続編「Catastrophy」も公開されている。
aaa・・・ブログの管理人がチャットで名乗っているHN。片耳が欠けているという設定。

今日はこのぐらいで打ち止めです。週末には次回のが出来てるのでよろしく。

 **お知らせ**
日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking

ではでは。(久しぶりに出た)


Nightmare City Another Story(5)

2006-05-07 19:10:14 | 小説
       ***BGM:403「Braze of life」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第五話『始動』

 前回のおさらい
ギコ、しぃと合流したaaaは、街の出口へと向かった。
しかし、しぃは突然外に出る事を拒絶。その直後、巨大な壁が現れた。
「早く、行きなさい」
彼女は決して外に出られない運命にあったのだ。ギコは必ず助けにいくと約束し、
外へと飛び出した。それを追ってaaaもエアバイクで飛び込んだのだった。

 俺とギコは、光の塊のようになって飛んでいた。その周りには、色とりどりになった壁が見えていた。
どれくらい飛行していただろうか。俺たちはいきなり別の世界に飛び出していた。
それはまるで映像端末で見たトーキョーとかいう街そっくりの世界だった。
町の中心部には300メートルくらいある鉄塔がたち、その周辺を高層ビルが取り巻いている。
見渡す限りのビル群。その間を縫うようにしてリニア式の都市鉄道が走っている。
「これが・・・外の世界か・・・」
ギコは驚いて言った。俺もアイツと同じぐらい驚いていた。
 俺はギコをエアバイクの後ろに乗せると、知り合いの住んでいるマンションへと向かった。
街の中は、思ったよりも緑が多い。おそらくロンドンの田園都市構想を参考にしたのだろう。
有名な自動車会社のマークをつけた車が、時々俺たちを抜き去っていく。ギコは街に見とれていた。
「気をつけないと振り落とされるぞ」
俺が注意するまで、あいつは周りをきょろきょろしていた。
 30分ほど走ったところにそのマンションはあった。一般的な中流マンションであるそこは、
ちょっと前に完成したようにきれいに保ってあった。さすがネット上の世界だ。
俺はエアバイクを駐車場に止め、知り合いの部屋へと向かった。
エレベーターを使い、14階まで行く。そして手前から5部屋目にその部屋はあった。
「一体どんな知り合いが住んでるんだ?」
ギコは俺に聞いてきた。俺は
「会ってからのお楽しみさ」
と言いつつ、チャイムを押した。一般的なメロディーが鳴り、すぐに居住者がインターホンに出てきた。
「セールスはお断りだぞ」
「久しぶりだな。aaaだ」
それですぐにインターホンが切れ、ドアが開いた。そこにはレモン屋が立っていた。
「久しぶり。お前から来るとは珍しいじゃないか」
「ちょっと訳ありでな」
俺とギコはレモン屋の部屋にお邪魔する事にした。
 彼がお茶を運んできた。部屋の中はとてつもなく散らばっていた。
「おいおい。街に住んでた時と変わってねーな」
俺がそう言うと、彼は笑いながら答えた。
「習慣って奴さ。で、レモンは要るか?」
こいつの言うレモンとは、つまり情報の事だ。もちろん金が要るのだが。
「今日はいくらだ?」
「そうだなー・・・、最近あまり客来ないから3万Gでどうだ?」
おいおい。3万っていったら1年間は遊んで暮らせるぞ。と俺は言いそうになったが、しぶしぶ金を払った。
「へへへ、まいどー。で、何が必要だ?」
「街にアクセスできる経路で、管理人の知らないようなところがないか?」
「ちょっと待ってくれ・・・」
彼はそう言うと、机のデスクトップPCに向かった。独自の検索システムで街全体の検索をかける。
俺は茶を飲みながら奴の散らかった私物を見ていた。その中に数冊のエロ本を見つけた。
こいつはまったく変わってないな。そう思っていると、レモン屋が紙切れを持ってきた。
「OK。検索完了だ。どうやら街の管理人が見逃してる進入経路は4つある。これを見てくれ」
「・・・なるほど。今のところ一番早くいけるのは2番目のか」
「ああ。おそらくこれを使った方がいいな。用件はそれだけか?」
そのとき、ギコが口を挟んできた。
「ところでいい宿泊先は知らないか?」
「ああ、それならいい場所がある。この場所だ」
俺はレモン屋に感謝を告げ、再びエアバイクにまたがった。

 再び30分ほど走ったところに、宿泊先はあった。この辺りには珍しく、一軒家が建っている。
俺がチャイムを鳴らすと、ユウマとMEGUMIが出てきた。
「よう、ユウマ。久しぶりだな」
「aaa!?なんでここに?」
「メグリンも元気そうだな」
俺がそういうと、彼女は冗談交じりに怒った。
「だからメグリンはやめてよ!」
 とりあえず宿泊先が見つかったので、俺はギコをそこに留めて、武器屋とホームセンターで買出しをした。
帰ってくると、すぐさま中身の確認作業に入った。まずハンドガンが予備も含めて4丁。
固定式の小型機銃が2丁。グレネード発射装置が1丁。それらの銃弾。そしてさまざまな工具と金具。
最後に俺は二振りの木刀を取り出した。
「それ、なんに使うんだ?」
ギコが訊いてきたので、俺は隠さず答えてやった。
「もちろん、お前の特訓用にだ」

 その頃、街では。
「さて、これからどうしますかね」
教授を中心に、反管理システムのAAたちはテーブルを囲んでいた。
「今のところ、運び込んだ武器弾薬は大量にありますが、
 それをそれを使って戦ったとしても彼らに勝つのは難しいでしょう」
「でも、このまま野放しにしておくわけにはいかないだろ」
tカラはそう言って工場の見取り図を広げた。その一角に×印が描いてある。
「さっき潜入した奴によれば、ここにシステムの中枢があるらしい。
 おそらくここをダウンさせれば操られてるAAたちも元に戻るはずだ」
「で、敵はどれくらいいるんだ?」
モララーが口を挟む。tカラは見取り図を指差しながら言った。
「入り口に4人、倉庫に2人、中枢の近くに8人だ。それに加えてロボットも奴らの管理下に置かれてる」
「どれだけ人員を割ける?」
レモナが言った。教授が表を出しながら説明する。
「ここの防衛には少なくとも10人が必要ですね。そして街での戦闘班は30人ほど。
 おそらく10人くらいしか攻撃に回せないと思いますよ」
そのとき、救護のAAが駆け込んできた。
「教授!地下鉄のトンネル内でフサギコを発見しました!」
「怪我はしてるのか?」
「右肩を骨折していますが、意識ははっきりしています!修復は2時間ほどで終わるかと」
「わかりました。引き続き救護の方をよろしくお願いします」
救護係が立ち去ると、教授は会議に戻った。
「さて、われわれの自由のためにがんばりましょう」

 外の世界に来て二日目。
俺は朝早くギコを起こすと、戦闘訓練を始めた。
「この前のダークとの戦闘では確かに勝てたが、その程度じゃ今度はやられるぞ」
俺がそう言って木刀を構えると、ギコも構えた。
「いくぞ!」
俺はギコに斬りかかった。ギコは攻撃を防ごうとしたが、遅い。
パコーンという音とともに、ギコはぶっ倒れた。
「まだ終わってないぞ!起きろ!」
「あんた・・・さっき本気で打っただろ」
ギコが頭を押さえながら立ち上がった。俺はわざと冷たく言ってやった。
「手を抜くわけにはいかないんでな」
そして再び木刀を構える。ギコも今度は真剣に木刀を構えた。
「どうした?前より弱くなったんじゃないのか?」
「う、うるさい!」
今度はギコが斬りかかってきた。俺は楽にアイツの切っ先をそらし、足を引っ掛けた。
「うわっ!?」
転んだところで木刀を振り下ろし、ギコの顔面ぎりぎりのところで木刀を止めた。
「そんな事で彼女を守れると思ってるのか?」
「あんたに何がわかるんだ!」
「ああ、俺にはわからねーよ!お前みたいに仲のいい女がいるわけじゃねーんだ
 でもな、今のお前は弱すぎる。そんなんじゃ彼女を守れないだろう」
「・・・」
「ヤツから彼女を守りたかったら死ぬ気で特訓しろ!」
俺はそう言うと、木刀をどけた。ギコは立ち上がって、木刀を手にした。
「そうだ。それでこそお前らしい」
ギコは木刀を構えた。そのまなざしはさっきと違って迷いがない。
「言ったからには本気でこいよ」
「もちろんだ。いくぞ!」
そして1時間の激闘の末、俺はギコに負けた。ほんとにやるときゃ出来るんだよ、あいつは。

  次回予告
ついに反旗を翻した教授たち。
そしてしぃ救出のために再び街へ向かうaaaとギコ。
果たして彼らを待ち受けるものとは?
次回「反撃」
街の未来を守りきれ、教授!

 **お知らせ**
日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking




Nightmare City Another Story(4)

2006-05-06 18:00:54 | 小説
       ***BGM:403「Braze of life」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第四話『決別』

 前回のおさらい
 aaaはダークモララーとの戦闘で敗北し、怪我を負った。それを助けたのは
教授ことタカラギコ教授と毒男らだった。教授はシステムの管理下に置かれていないAAたちを匿い、
システムに抵抗していた。ギコの安否が気になったaaaは、教授からエアバイクを借り、ギコの元へと向かった。
 その頃、ギコとしぃは橋の上にいた。そして彼らの逃亡を阻むようにダークが出現。
ギコはダークと戦ったが、あっけなく倒されて海に落ちた。
しかし、突然発現したギコの力は瀕死の彼をよみがえらせ、ダークを退けた。
ちょうどそこにaaaの乗ったエアバイクが現れたのだった。

 俺はエアバイクをギコたちのすぐ近くに着陸させた。どうやら2人とも怪我はないようだ。
「どうしてここに?」
ギコがはじめにそう訊いてきたので、俺はとりあえず自分がたどった道のりを簡単に説明した。
「・・・で、今に至るわけだが。何か質問は?」
俺がそう訊くと、彼は首を横に振った。
「よし。それじゃあ行くとするか」
「まさかaaaもついて来るのか?」
「当たり前だ。俺はお前たちを助けるために来たんだからな。それに」
「それに?」
「ちょっと外の世界も見てみたくてな」

 話は少しさかのぼる。
兄者はつーの追撃から必死に逃げていた。一体何本あるのかと思うぐらい、つーは大量に包丁を投げてくる。
と、少し先に弟者が勤めている会社のビルディングが見えてきた。
彼はケータイの電源を入れた。
「こちら兄者。後30秒ほどでお前の会社に突っ込むぞ」
「え?流石にそれはやばいぞ兄者」
「今はそれしか方法がない。拳銃構えとけ」
その間にも、会社との距離は短くなっていく。そして兄者はそのまま会社に突っ込んだ。
ガラスをぶち破り、そのままロビーをドリフトした。
つーもそれに続こうとしたが、妹者と弟者が容赦なく銃弾をお見舞いする。
「チ、キョウノトコロハヒイテヤロウ」
つーはそう言い捨てると、姿を消した。
「兄者、大丈夫か」
「ああ。それよりも俺のFMVがやられた」
「あにじゃー、命が助かっただけでも良かったのじゃー」
妹者のひとことで、兄者もいくらか立ち直った。
「そうだな・・・」
「なあ、兄者。俺たちはここでじっとしているわけにはいかないと思うのだが」
弟者がそういったとき、妹者が思い出して言った。
「それならいいところがあるのじゃー」
「?」

 一方、地下鉄では。
「まだくたばらないモナか」
「なに!」
フサは今やモナーに完全に押されていた。モナーの攻撃を、フサはかろうじて防いだ。
「そろそろくたばってもおかしくないモナ」
モナーはまったく疲れた気配がない。やはり何かが違う。フサはそう思った。
「モナー。一体何があった?何でお前がこんな事を?」
「弱いAAに教える事じゃないモナ」
フサの言葉をさえぎるようにモナーは言った。そして、フサをなぎ払った。
「ぐわっ!」
フサが空中に放り出され、車両の上で2,3度バウンドした。そして落下しかけたところで何とか両手を伸ばして止まった。
「モナー・・・なんでお前が・・・」
フサは疑問を彼にぶつけるが、彼は答えようとしない。
「お前はここで死ぬ運命モナ。己の運命を地獄で恨むモナ」
彼はそう言い放つと、フサの両手を蹴り上げた。フサはそのまま後ろへふっ飛ばされる。
グシャッ。不気味な音が広がり、静かになった。
「さて、今度は誰を引き込むモナ?」
モナーは非情な笑顔で車内に戻っていった。

 また別の場所で。
「レモナさん、これからどうするの?」
「ドウスル?」
あるビルの屋上に、レモナとショボーン、タカラギコそしてジエンは立っていた。
「決まってるじゃない。こんな事しでかした誰かさんをとっ捕まえるの」
彼女の視線の先には、血の跡が点々と残っていた。
「でも、何か大変な事が起きてるのかもしれないね・・・」
ショボーンは不安そうに言った。そのとききジエンが口を出した。
「ダイジョーブ。レモナはツヨイ」
「そうだね、どうせ僕は戦力にならないし」
「何言ってるの!?」
レモナがショボーンを睨んだ。ショボーンは恐怖で震えている。
「あなただって十分戦えるでしょ!戦いなさいよ!あなたも!!」
「あははwww」
タカラギコは笑い顔でショボーンを見た。
「・・・」
まったくこのコンビはつっこみようがない。

 話を今に戻す。
俺たちはついに街の境界までたどり着いた。後はここを通り抜ければ街の外に出られる。
まずギコが踏み出した。一歩。二歩。三歩。
何事もなく彼は向こう側に出た。続いてしぃが行こうとしたが、はっとしたように立ち止まった。
「さあ、早く行こう」
ギコが彼女に行った。しかし彼女は首を振って答えた。
「ありがとう。・・・」
「どうしたの?早くこっちに・・・」
「・・・でも、私は一緒に行けない」
彼女の言葉に、ギコは驚いた。なんでだよ。今まで一緒に来たのに、突然、なんで・・・。
「何を言って・・・」
ギコが彼女の方に歩み寄ろうとしたとき、彼女が叫んだ。
「こないで!」
その瞬間、ギコとしぃの間に高い壁が現れた。まるで彼女の行く手を、そして彼との間を阻むように。
「クソ!どうなってやがんだ!?」
俺はそう言って、エアバイクを上昇させた。
ギコは足元を見た。なんと道が分解していくじゃないか。
そのとき、壁越しに彼女の涙声が聞こえた。
「早く・・・行きなさい」
ギコは決心した。彼は壁に背を向け、出口へ向かって走った。そして外の世界につながる穴に飛び込んだ。
「必ず、助けに行くから!」
俺も彼の後を追い、エアバイクで穴に飛び込んだ。まるで光の集合体のようになって、俺とギコは飛んでいった。
 一方、壁の向こうではしぃが涙を流していた。
「ごめんなさい、ギコ。私はどうあがいても籠の小鳥なの・・・」
そこへ、完全に修復を終えたダークが姿を現した。
「裏切者め、今ここで葬ってやろう」
そして剣を展開し、跳躍した。その切っ先は彼女に向かう。
「でも、籠の小鳥なりに生き延びてみせるから」
彼女が振り向く。その手には光の弓が握られていた。
「なに?」
彼女が矢を放った。光の矢はダークを貫通した。
「そんな、バカな・・・」
ダークは驚愕をあらわにしながら消滅した。

  次回予告
 街の外に脱出したギコとaaa。
二人はしぃ救出のために動き出す。
そして街の中でも新たな動きが。
次回『始動』
守るべきもののために戦え、レモナ!!

日記@BlogRankingへのリンクはこちら
日記@BlogRanking





Nightmare City Another Story(3)

2006-05-05 22:19:25 | 小説
       ***BGM:403「Braze of life」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

   第三話『抵抗』

 前回のあらすじ・・・
ネットワーク上に存在する街「Nightmare City」。
そこのとある工場で働いていたaaaとギコは、管理人の計画の一片を見てしまった。
ギコは恋人のしぃとともに逃亡する事を決意したが、管理人はそれを許そうとはしなかった。
彼は自らの分身であるダークモララーを生み出し、ギコの捕獲と計画の実行を命じた。
次々と追跡を始めるAAたち。そして巻き起こるいくつもの戦い。
そしてaaaはギコを援護するため、ダークに戦いを挑んだ。
果たしてギコたちは逃げる事が出来るのか?そしてaaaの運命はいかに?

 俺はダークと対峙した。ダークの剣は血の色に輝き、不気味さをかもし出していた。
「どうした。怖気づいたか」
「そんなわけないだろ。いくぜ!」
俺はそう言って刀の仕掛けを作動させた。その瞬間、刀身を青い炎が包みこんだ。
「!?」
「見たか。これが俺の力だ!」
俺は刀をヤツめがけて振り下ろした。それと同時に、炎がヤツに向かって一直線に飛んでいった。
まるで低空を飛ぶツバメのように飛んでいく。これが、海燕の名の由来だ。
ダークは剣で俺の攻撃を防ぎ、俺に向かってそのまま斬りかかった。おそい。
俺はヤツの剣を受け止め、なぎ払った。しかしすぐにヤツは体勢を立て直した。
「なるほど。お前は使えそうな人材だな」
ヤツはそう言って、何かを投げつけた。それは俺の片方の耳に刺さった。
「なんだ?」
 俺は耳に手を当てた。そこには何か機械のようなものがついている。
「AAの遠隔制御装置だ。これでお前もわれわれの仲間となるのだ」
ヤツは笑みを浮かべて言った。その瞬間、俺は足の力が抜けた。
床の上にひざをついた俺を見て、ヤツは勝ち誇ったように笑っていた。
チクショウ。そう思ったとき、俺はいい方法を思いついた。
そうだ、こんなものぶっ壊せばいいじゃないか。俺は刀を握る手に力を入れた。
そして機械のついた耳のあたりに向かって、刀を振った。ビンゴ。
機械は俺の片耳の半分とともに、床に落ちた。さっきまでの足の脱力はなくなっていた。
「そこまでして抵抗するというのか・・・。ふん。
 いいだろう。お前がそのつもりならこっちもそれなりにやってやろうじゃないか」
ヤツは剣を構えた。俺も立ち上がって再び剣を構えた。
「いくぞ」
ダークはそう言って俺に斬りかかった。俺もヤツに斬りかかった。
ぶつかり合う刃が火花を散らす。今のところは互角だ。
だが、いきなりヤツが消えた。俺は押えを失ってバランスを崩した。
「瞬間移動だと?」
俺は思わず口に出していた。この世界はネット空間だから、どんな非科学的な事でも可能に出来るのだ。
そして、ヤツは俺の背後に現れた。俺はとっさに刀で攻撃を防いだが、ヤツに弾き飛ばされた。
「所詮はわれわれに勝てるような奴ではなかったか」
「くそっ!」
俺に向かって伸びる斬撃をかわす事は出来なかった。俺は背中を斬られながら、ビルの外に放り出された。
「・・・さて、逃亡者を討ちにいくか・・・」
俺はこんなところで死ぬのか?俺もそのときはそう思った。下へと落ちていく状況の中で、俺は意識を失った。

 ・・・。

 どれくらい時間がたったのかわからない。
気づいたら、俺は耳に包帯を巻かれてベッドに横たわっていた。どうやら病院・・・ではないらしい。
俺は上体を起こし、背中に痛みを感じた。だが痛みの度合いからすると、それほど深くはなかったようだった。
そのとき、部屋に誰かが入ってきた。敵か!?俺は身構えた。
「起きたんですか、aaa氏。私が思っていたより早い回復ですね」
その学者風の話しかたをする奴はこの街に一人しかいない。
「教授!?無事だったのか?」
「ええ、何とか」
その後から毒男が二匹部屋に入ってきた。おなじみの『マンドクセ』顔をしていた。
「彼らが窓の外を見ていたときにあなたが落ちるのを見つけたんですよ」
と教授は俺に説明した。まさに偶然に救われたというわけだ。
「ここは私の研究所なので何でも置いてあるんですよ。もちろん武器とかもね」
「で、ここに篭城してるってわけか?」
「その通り。とりあえずシステムの使いになっていないAAたちが集まってるの  で、当分戦力はもつでしょう」
話を聞いているうちに、頭がはっきりしてきた。と同時に大事な事を思い出した。
「教授、ギコがどうなったか知らないか?」
「そうですね・・・、あ、そういえばAAの一人が彼が湾岸沿いの道を走ってるのを見たそうです」
それだけで十分だ。俺はベッドから出ると、教授にエアバイクを借りた。
「つかまってなきゃいいが・・・、間に合ってくれ!」
俺は祈るような気持ちで湾岸沿いへと向かった。

 それとちょうど同じ頃。
ギコとしぃは街の名物であるサンライズブリッジに差し掛かっていた。
「ギコ、ここを越えれば出口よ」
しぃがギコを励ました。2人は車一台通らない橋を必死で走っていた。
しかしその橋脚の上にはダークモララーが待ち構えている事に気づいていない。
「見つけたぞ・・・」
ダークは残酷な笑みを浮かべた。
ギコとしぃは橋脚の下を通り抜け、後半分で向こう側というところまで来た。
そのとき、ダークが二人のほうに向かって飛び降りた。
そして着地の寸前に斬撃を飛ばし、衝撃をやわらげた。
それによって半径6メーターほどがクレーターのようになった。
「なんだ・・・?」
ギコはダークのほうを見て、そう思った。
「おろかな逃亡者よ。われわれからは決して逃れる事は出来ないというのに」
 ダークが剣を構えながら笑った。それはまた残酷さをあらわにした笑いかただった。
「さあ選べ。ここで愚か者として死ぬか、われわれに従うか」
「そんなの決まってるだろ。お前を倒して先に進む」
「愚か者め。私の能力の前に跪け!」
ダークがギコに向かって斬りかかった。ギコはしぃをかばうように地に伏せる。
刃が彼らの頭上の空間を切り裂いた。
「くそっ!」
ギコは先ほどぶった切られた交通標識を取ると、長刀のように構えた。
「ここで負けるわけにはいかないんだっ!」
ダークが再び剣を構えた。再び斬撃が襲う。ギコは標識でダークの刃を受け止めた。
「ほう・・・」
ダークが笑いながら標識をぶった切った。先の看板がなくなった標識を、ギコは槍のように構えた。
「なかなかがんばるな・・・」
ダークとギコが跳躍し、橋脚の上に乗った。ここから落ちれば命はないだろう。
「さあ、これで終わりにしようじゃないか」
ダークが斬りかかった。ギコが突こうとした。ぶつかり合う2つの刃。しかし、真剣の前にギコは敗れ去った。
落ちていくギコ。しぃが悲鳴を上げる。
「ギコおおおおおおお!!!」
「結局はザコだったか」
ダークは彼の血の付いた剣をしまうと、下に飛び降りた。
「さて、ヤツは死んだ。残るはしぃ、お前だけだ」

 水が冷たい。ギコはそう思った。もうもがくだけの気力は既になかった。
彼はしぃと水遊びしたことを思い出した。いまさら思い出すなんて。
彼の体と意識は、徐々に暗い水底に沈んでいこうとしていた。
 そのとき。
「それが望んだ結末か?」
どこからか声が聞こえた。その瞬間、ギコは実験の映像を思い出した。
「お前の望んでいたのは、こんな結末だったか?」
いや、違う。俺は絶対しぃを守るって決めたんだ。だから
「ならば、お前に力を授けよう。いや、お前の持っている力に気づかせるという方が正しい」
俺の力?ギコは目を開けた。
「お前の力。それは」
その瞬間、ギコは一気に上昇した。

 しぃはあとずさった。ダークは笑いながら彼女を見つめている。
「そんなに逃げる事はないだろう、試験体001α」
「うそよ、そんなの!」
「お前はわれわれと同じ、デバイスに縛られた存在なんだ。君が逃げる事は不可能だよ」
「・・・」
「君もわれわれとともに歩む事が一番幸せじゃないのか?」
 そのとき、大きな水柱があがった。
そして現れたのはギコ。
「ち、まだ生きていたか」
ダークが剣を再び展開した。そしてギコの手にも、水のような剣が現れる。
「何?まさか貴様も能力を持っていたのか」
「よくわからないけど、お前だけは許さない!」
再びぶつかり合う刃。しかし、今度はギコのほうが優勢だった。
ギコにはじき飛ばされ、ダークは何とかバランスを保った。
「くそっ。さっきよりも強くなってるじゃないか」
ダークがそう思ったとき、ギコが斬りかかった。
「うおおおおおおおおお!!!!」
バシュッ。防ごうとしたダークのわき腹が切れた。血が地面にたれる。
「くっ・・・。ここはいったん退くか」
そして、彼は一瞬のうちに消えた。
そのとき、ちょうど俺のエアバイクが上空に到着した。結構激しくやったようだが、二人とも無事だった。

  次回予告

とりあえずは逃げ切ったギコたち。
しかし運命に縛られたしぃは街に残る事を決意する。
引き裂かれる運命の中で、ギコはどうするのか?
次回『決別』
悲しき運命を打ち砕け、しぃ!!

Nightmare City Another Story(2)

2006-05-04 22:39:57 | 小説
       ***BGM:403「Braze of life」***

原作:みーや様「Nightmare City」「Nightmare City Catastrophy」

         Nightmare City Another Story

           第二話  『戦い』

 俺は工場を飛び出した後、すぐに自分の家へと向かった。
そして完成したばかりの剣と友人に頼まれていたハンマー、非常用の乾燥食料と
当分生活できるだけの金を持って家を出た。当分家に帰ることはないだろう。
俺は誰にも見つからぬよう、裏道を通って友人の家に向かった。
住民のほとんどは暗くて不気味という理由で全く寄り付かないが、
気づいたときから裏道を使っている俺にとっては、いつもの通勤路でしかなった。
10分ほど歩いたと思う。何事もなく友人宅についた。
「どうしたんだaaa。今日の仕事はないのか?」
姿を現した俺の友人、tカラは俺の突然の訪問に驚いた。
「仕事?あんなクソ工場、朝一番にやめてきたぜ」
「www」
tカラは笑いながら俺を家の中に入れた。
 早速お茶を勧められたが、逃亡中の俺にそんなものを飲んでいる暇はない。
丁寧に断った。
「で、一体なにがあった?」
tカラはいつものペースだ。テーブルには描きかけのイラストが置いてあった。
「お前が頼んでたものが出来たんで、持ってきた」
「・・・それだけじゃないな?」
「・・・」
「お前が自分から剣持って歩き回るなんておかしいと思っていたよ。追われてるのか?」
さすがだ。コイツはいつもこんな感じで鋭いところを言い当てる。
俺は何も隠さずに見聞きした事をtカラに話した。隠したところでいつかしゃべってしまうだろう。
「で、お前はこれからどうするんだ?」
「決まってんだろ。ギコを援護する」
「そうか。でも絶対に死ぬなよ」
まったく、いつもいい事言いやがって。
俺はtカラにハンマーを渡し、彼の家を後にした。そろそろ追っ手が動き始めるはずだ。

 いよいよ戦闘開始だ。

 そのころ。
「>>1さーん(ハアハア)」
「ウワーン!キモいよー!!」
>>1は3匹の八頭身に追いかけられていた。どうやら八頭身の習性は変更できないようだ。
「>>1さーん!!!」
脚の長い八頭身は、必死に逃げる>>1に確実に近づいてきていた。そのとき。
「どけどけー!!!!」
八頭身の後ろから軽トラックが走ってきた。運転してるのはオニギリだった。
「オニギリ!?」
軽トラックが八頭身たちをふっ飛ばした。その隙にオニギリは軽トラックを
>>1のすぐそばに寄せた。
「>>1!早く後ろに乗れ!!」
「お、おお!」
>>1が荷台に乗るのを確認すると、オニギリは軽トラックを急発進させた。
「・・・>>1さーん・・・逃がさないよおおおおおおおお!!!!!」
八頭身たちは再び追跡を開始した。

 その頃、また別の場所で。
兄者は壊れていたFMVを受け取りに行った帰りで、単車に乗っていた。
「今度こそソニンタンの画像(ry」
などと言いながら単車を走らせていると、バックミラーにつーの姿が映った。
「ん?」
不思議に思った瞬間、バックミラーがふっ飛んだ。残骸が道路に転がる。
「オマエミタイナヤツハシネエエエエ!!!」
つーが絶叫とともに赤い包丁を投げつける。兄者は正確な投てきを危うくよけると、
単車のスピードを上げた。つーは壁伝いに跳躍し、それを追撃する。
兄者は弟者に電話をかけた。
「もしもし」
「俺だ、弟者」
「兄者!?運転中の通話は犯罪だぞ!!」
「そんな事より、俺の話を聞け!妹者は一緒か?」
「ああ、そばにいる」
「これからお前のとこに行くから拳銃の用意よろしk」
そのときつーが再び投てきした。そのうちの一本がFMVに突き刺さった。
「ああ、俺のFMVがっ!?」
「落ち着け兄者!!わかった。兄者はそのまま向かってくれ!!」
「FMV・・・」
「あにじゃー、ちちじゃが新しいパソコン買ってくれるのじゃー」
「・・・」
こちらも命がけの戦闘が始まった。

 街の地下鉄で。
フサギコはいつものように車内でタバコをすっていた。脇には愛用の日本刀が置いてある。
「ふう、平和ってのも暇すぎだな」
そのとき、モナーが車内に入ってきた。
「見つけたモナー」
「なに?」
「お前も俺たちの仲間になるモナ」
モナーの細い目がフサを見据える。それはいつものモナーとはかけ離れた表情。
「何のつもりだ?いつものお前とは違うじゃねえか」
「なるほど、あくまでも逆らうモナね。それならねじ伏せるまでモナ」
モナーがエメラルド色の双刃剣を手に取る。そしてフサに突進した。
「ちぃっ!」
フサは攻撃をかわすと、日本刀を抜いた。そして天井を破壊して外へ飛び出す。
それを追うようにしてモナーも外へ出た。
「なんとつもりかはしらねーが、容赦しねーぞ」
フサは刀を中段に構えた。モナーもフサを睨んだ。
「いくぞっ!!」
フサが屋根を走る。ぶつかり合う剣と剣。

 そして、俺もまた。
ビルの屋上にヤツの姿を見つけ、ヤツを追跡する。
そしてあるビルの屋上で対峙した。ヤツは剣を構えるように左手を伸ばした。
と同時に赤い広刃剣が姿を現した。まるで血のように真っ赤だった。
「これがわれわれの能力だ、愚か者」
ダークは俺に向かって残忍な笑みを浮かべた。まったく嫌なヤローだ。
「はん、お前みたいなバカ正直には言われたくないね」
「後悔するぞ」
「そんなこと言ってないで、来たらどうだ」
俺はそう言いながら剣を抜いた。俺の剣。銘は海燕。
「よかろう」
やつは広刃剣をかまえた。
「お前は一度ねじ伏せねばならん存在のようだ」
「こっちのセリフだ。いくぞっ!!!!!」
そして俺はヤツと激突した。

  次回予告
追いつめられるaaa。
そしてギコたちに襲い掛かるダーク。
果たしてギコはしぃを守りきれるか?
次回「抵抗」
蒼刃の輝き 見せつけろ、aaa!!