午前中に迷った飯田行きですが、母に電話して今日はパスし明日の仕事がすんだら連れ合いに一緒に行ってもらうことにしました。
今回の事で、車の運転が得意な連れ合いにとにかく感謝。お互いに変則勤務で上手く時間が合えば昼間に動けるのもラッキーですが、そうは言ってもあまり行きたくはない私の実家関係。本当なら「行ってこいよ」で済まされてしまいそうですが、今の私の健康状態から一人での往復に心配があるんでしょうね、文句言いながらも一緒に行ってくれます。
そんな連れ合い。先日一緒に行ってくれた時の事です。
お見舞いを済ませ、私より一足先に病院の建物から出ていたのですが、ふと見ると路線バスの停留所の建物の中で見知らぬおばあさんと話しています。
市立とは言え、田舎の病院でバスの本数も少なくまして電車の駅すらバスを使わないと行けない不便な場所にある病院で、高齢者や車の無い人には不親切そのもの。
職業柄、それにもともとのお人好しな性格もあって困っている様子のおばあさんに声をかけずにはいられなかったようです。
「うちに帰るのにバスが無いし暑いしなぁ」「どっち方面な?よかったら乗っていけば…」
いきなり見ず知らずの他人にそんな事言われても今時の信用ならない世の中、気楽に乗るなんてこともないのが普通です。その通り、おばあさんもニコニコ笑いながらですが断わりのお返事。当然ですよね、怪しいデカイオヤジの誘いなんて…
でも、そこが彼の不思議なオーラ。心配していることが伝わったのか、遠慮しながらも乗ってくれることになりました。
「すみませんねえ」とおばあさんは何度も謝ってくれますが、連れ合いは見過ごすことができなかったおばあさんといっしょにいられたことが嬉しいのか、あれやこれやと話が弾んでいます。
おっと!実は病院からおばあさんのお家までは私が運転。誘ったものの飯田の道に明るくない連れ合いですから、初めから運転は私のつもりだったようです。
松川を越え、丘の上のおうち近くでおばあさんと別れました。
降ろしたあと、連れ合いはいいことをした、という感覚より新しい出会いができた事に妙に感激していて、その後のおばあさんを心配する言葉ばかり。「またいつか病院で会えるかなぁ」「元気で過ごして欲しいなぁ」でも、元気なら病院に来ることないんですよね。一体どこまで気のいい性格なんでしょう…
こう書くといかにも連れ合いは誠実な人に想像されがちですが、キャラ全般見たら単に「いい加減にしてよね!」とボヤきたくなる手のかかるおじさんです。
写真は少し前に半日ドライブでぶらっと行った静岡県の蓬莱橋。ここは初め行くつもりのない場所だったのですが、たまたま目についてちょっと行って見ることに。真っ直ぐに延びた一キロ近い木造の橋はギネスにも載っているとか。川が苦手な私は途中でリタイヤしましたが、往復した連れ合いが「向こう岸には飯田の水引細工が奉納されていたよ」と感激しながら教えてくれました。昔、内職で水引細工をしていた私には懐かしいものですから見られずに残念。
ここは時代劇のロケにも使われるそうです。すごく遠くまで行かなくても案外近い場所に素敵なポイントってあるもの。
そして、この橋のように連れ合いの気持の中にはとこどこに真っ直ぐな部分もあるものだ、と再認識させられたりもしました。
と、こうしていっぱい書いておいて明日も飯田までの運転をお願いする次第です。