ウメ〈梅〉(バラ科 サクラ属) 花期は1~3月。
中国中部原産の高さ5~6mになる落葉小高木。
葉は互生。葉身は長さ4~9cmの倒卵形または楕円形。
先端は急に細くなってとがり、基部は広いくさび形~円形。
ふちには細かい鋸歯がある。
花は葉の展開前に開花する。前年枝の葉腋に直径2~3cmの花が1~3個つく。
花弁は5個が基本で、白または淡紅色を帯びる。
【 梅一輪 一輪ほどの暖かさ 】
08年1月31日 撮影
この青空、一体いつ以来でしょうか。
今年のウメの開花は1月31日、昨年より8日遅れです。
【上の画像を拡大しました】
08年1月31日 撮影
足元が悪く、正面から撮れませんでした。
【紅梅は・・・】
08年1月31日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月31日 撮影
横向きしか撮れませんでしたが、開きかけ?
毎日のように開花確認に来て、一つでも咲いたらその日に書きたいウメ。
考えたら、昨年もウメの葉を撮った覚えがありません。
シダを日記に書くには普通3時間以上かかりますが、きょうは30分以内で
超手抜きの感もありますが、ウメの開花でホッと一息つきました。
※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。
別の名前で書いていたところ、
2013年1月12日にFさんに教えていただき、訂正しました。
新しく教えてもらった場所のよりこちらの方は群生状態で、
葉身の幅が太め。
【ミヤマノコギリシダは、秋吉台の記録にはありません】
08年1月30日 撮影
ミヤマノコギリシダ(イワデンダ科 ノコギリシダ属)常緑性。
根茎は長く這う。
葉柄~中軸は緑色~暗紫色、基部鱗片は線状披針形、暗褐色~黒褐色。
葉身は単羽状複生、長楕円形、鋭尖頭、長さ40cm、幅30cmに達する。
光沢のある濃緑色で硬い紙質。
側羽片は8~15対、下部では有柄で上部に向けてしだいに小さくなり、
頂羽片はない。
後部はくさび形で、前部基部に耳片はつかない。
胞子嚢群は線形で中肋と辺縁の中間に傾いてつく。
本州(新潟県・石川県・伊豆諸島・伊豆半島以西の暖地)・四国・九州で、
山地林下に生じる。
【上の葉を1枚】
08年1月30日 撮影
【この葉は、長さ74cm(葉柄36cm、葉身38cm)】
08年1月30日 撮影
【葉柄基部は】
08年1月30日 撮影
手で抜こうとしたら葉柄基部で折れてしまいました。
【羽片(葉は下向きの状態)】
08年1月30日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月30日 撮影
【裏面を】
08年1月30日 撮影
クマワラビ(オシダ科 オシダ属) 常緑性。
葉柄は短く、長さ25cm以下で葉身の半分以下の長さがあり、鱗片を密につける。
葉柄の鱗片は褐色から赤褐色。
葉身は2回羽状複生、楕円形~長楕円形、長さ30~60cm、幅20~30cm、
下部の羽片はわずかに短くなる。
羽片は部分的な二形を示し、胞子嚢群をつけない羽片は下部に3~10対ある。
葉脈は表面でくぼみ、溝を作る。
胞子嚢群をつける羽片は葉身の先端のものに限られ、やや縮んで、
上部のものほど小さくなり、一面に胞子嚢群をつけ、胞子を散布したあと枯れる。
北海道(奥尻島)・本州・四国・九州で、
山地林下や山麓、村落の路傍などに普通に見られる。
【秋吉台では「林内にやや普通」のクマワラビ】
08年1月26日 撮影
でも、やっと見つけました。
【今の季節、胞子嚢群がついた羽片は枯れています】
08年1月26日 撮影
【下部の羽片はわずかに短くなる】
08年1月29日 撮影
【葉柄の鱗片は明褐色】
08年1月29日 撮影
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オクマワラビ(オシダ科 オシダ属) 常緑性。
葉柄は長さ15~30cm、葉身の半分以下の長さで、鱗片をやや密につける。
葉柄の鱗片は黒褐色、まれに褐色~黄褐色のことがある。
葉身は2回羽状深裂から複生し、長楕円状被針形~長楕円形、
長さ40~60cm、幅15~22cm、下部は狭くならない。
羽片は12~24対つき、被針形、鋭尖頭。
葉脈は表面でくぼまず、葉質はやや厚い草質。
胞子嚢群は葉身の上半部に限られるが、胞子嚢群がつく羽片が縮むことはない。
北海道(奥尻島)・本州・四国・九州の、
山地林床や山麓の林縁、村落の路傍や石垣などに普通に生じる。
【秋吉台では「林内にやや普通」のオクマワラビ】
08年1月28日 撮影
撮っていなかった林縁の葉を見て回ったら、オクマワラビがありました。
(これまで撮っていたのは、アイノコクマワラビだったのです)
【葉身の下部は狭くならない】
08年1月28日 撮影
【葉柄の鱗片は暗褐色】
08年1月28日 撮影
【胞子嚢群は葉身の上半部に限られるが、羽片が縮むことはない】
08年1月28日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月28日 撮影
キヨズミイノデ(オシダ科 イノデ属) 常緑性。
サイゴクイノデとイノデモドキの雑種。
葉は「ツヤなし」なのに、鱗片がサイゴクイノデではなく、
ツヤナシイノデ・サカゲイノデでもないイノデを1月15日に見つけていました。
【 葉は「ツヤなし」 】
08年1月27日 撮影
サイゴクイノデかと思い、葉柄基部の鱗片を見ました。
【広い鱗片】
08年1月27日 撮影
サイゴクイノデは「栗色縞模様の細い鱗片」のはずが、
この広い鱗片の形はイノデかイノデモドキ。
ここで同定できないまま放っていましたが、昨日イノデモドキを同定直後に来て、
【中軸の鱗片を見ました】
08年1月27日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月27日 撮影
中軸の鱗片の形はイノデかイノデモドキ。
【羽片】
08年1月27日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月27日 撮影
「ソーラスは耳の上下に優先で、明らかに辺寄り」は、サイゴクイノデ。
「イノデ属のうち、2回羽状複葉の葉をもつイノデ類では種間の
交雑が容易に行われることが知られており、雑種が生じやすい」
この図鑑に44種の推定自然雑種が記載されている中に、
サイゴクイノデ×イノデモドキ ― キヨズミイノデ(本州・四国・九州)
イノデ×サイゴクイノデ ― スオウイノデ(山口県)の2種がありました。
このどちらか分かりませんでしたが、「秋吉台国定公園の高等植物」に
キヨズミイノデが「林内にやや普通」と載っているので、キヨズミイノデということに。
イノデモドキ(オシダ科 イノデ属) 常緑性。
葉柄は葉身より短く、長さ約20cm。
葉柄基部の鱗片は卵状被針形~被針形、淡褐色、光沢はなく、草質。
葉身は狭被針形~被針形、先は細くなって尾状に伸び、
羽片は線状で、鋭尖頭。
中軸や羽軸の鱗片は線状被針形~線形、淡褐色またはやや赤みを帯び、
辺縁に不斉な突起が数多くある。
小羽片は鈍頭~鋭頭、先端は刺状。
胞子嚢群は小羽片の辺縁寄りにつく。
本州(山形県・関東地方以西)・四国・九州で、山地の森林の林床に生じる。
秋吉台では「林内にやや普通」のイノデモドキですが、やっと今日見つけました。
【 葉先はカヌーのように細く 】
08年1月27日 撮影
【 葉柄は広い鱗片 】
08年1月27日 撮影
【 中軸の鱗片はブラシ状に横向きで著しくケバ立つ 】
08年1月27日 撮影
【 葉表は「ツヤあり」 】
08年1月27日 撮影
「羽片は線状で、鋭尖頭」
【 葉表からソーラスのブツブツが目立つ 】
08年1月27日 撮影
【 ソーラスはやや辺寄りにつく 】
08年1月27日 撮影
今日10時~14時、森の案内人のKさんと滑のシダを見て歩き、二人とも
イノデモドキを初めて見ることができ、「カヌー、カヌー!」と喜び合いました。
その足で秋吉台へ。イノデ属が多い通い続けてきた林道で、歩き始めて
すぐに、「カヌー」を見つけました。 実物を見た直後はやはり違いました。
オオキジノオ(キジノオシダ科 キジノオシダ属) 常緑性。
地上生で、根茎は太くて斜上し、塊状となり、らせん状に葉を叢生する。
大きい葉は長さ2m近いこともある。
栄養葉の葉柄は長さ25~75cm、裏面は丸く、基部は左右に広がる。
羽片は革質で、下部のものは有柄、やや上部に湾曲し、
上部の羽片の基部は下側が中軸に沿着する。
羽片先端部ははっきりした鋸歯縁となり、他は全縁または波状縁。
胞子葉は栄養葉より高く伸び、羽片は線状、短いがはっきりした柄をつける。
本州(関東および北陸以西)・四国・九州の山林樹下に産し、暖地に多い。
先日、森林セラピーイベントの下見で滑山国有林道を歩いていた時、
キジノオシダとは少し違うシダを見つけ、調べたら、オオキジノオでした。
秋吉台の記録にはありません。探し始めて2カ所目で今日、見つけました。
【 ① 苔むしたスギの切り株の左側に】
08年1月26日 撮影
【 ①上の左端の葉】
08年1月26日 撮影
【 ①上の葉の最下羽片】
08年1月26日 撮影
4mmほどの柄があります。
【 ② 切り株の右側に】
08年1月26日 撮影
【 ② 上の画像、一番上の葉】
08年1月26日 撮影
【 ② 上の葉の下部羽片】
08年1月26日 撮影
写っている羽片全て有柄です。
雨後の曇天、樹下の湿地は暗く、ISOを800に上げ、雨傘をバックに置きました。
【 参考 ― キジノオシダ】
07年11月4日 撮影
【 キジノオシダ ― 上の画像を拡大しました】
07年11月4日 撮影
羽片の基部は無柄で、上側が中軸に沿着しています。
☆オオキジノオは、「秋吉台国定公園の高等植物」に記載がないシダです。
アイノコクマワラビ(オシダ科 オシダ属) 常緑性。
クマワラビとオクマワラビの雑種で、両方の特徴を併せ持つ。
昨年12月に撮ったのと、同じ道ばたの山すそで先日撮ったのは、アイノコクマ
ワラビかと思いながら秋吉台の記録にないので、オクマワラビとしていましたが、
【 ① アイノコクマワラビでした】
08年1月21日 撮影
下部羽片は短縮して幅広(クマワラビ)・・・オクマワラビは下部羽片が短縮しない。
【 ①上の画像を拡大しました】
08年1月21日 撮影
羽片は細くて多い(オクマワラビ)
【 ② 昨年撮ったこれも、アイノコクマワラビ】
07年12月4日 撮影
【 ② 葉の下半分を】
07年12月4日 撮影
葉柄の鱗片は明るい褐色(クマ)・・・オクマは暗褐色。
【 ② 葉の先半分を】
07年12月4日 撮影
葉の先半分にソーラスがつく(オクマ)・・・クマは先端部だけソーラスがつく。
この部分の羽片は短縮し、胞子の
飛散後は枯れる。
【 ② 上の画像を拡大しました】
07年12月4日 撮影
裂片の先は丸い(オクマ)
☆アイノコクマワラビは、「秋吉台国定公園の高等植物」に記載がないシダです。
オオキヨズミシダ(オシダ科 イノデ属) 常緑性。
オニイノデとヒメカナワラビの中間の形質をもつが、
雑種とは考えられず、胞子も形態的には正常。
葉柄基部の鱗片は卵状長楕円形、柔らかい紙質、褐色で中心部が黒色、
葉柄の鱗片は被針形のものと線形のものが混在し、褐色。
羽片は幅2cmを超え、裂片に鋭鋸歯があり、
羽軸の外半分では小羽片の基部が流れて翼となる。
胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間かやや中肋寄りにつき、包膜は大きい。
関東以西の各地に産し、山地に生じる。
【秋吉台では 「林内に普通」 のオオキヨズミシダです】
08年1月24日 撮影
ヒメカナワラビが多く見られる林の中、薄暗い遊歩道わきで見つけました。
ずっと探していたオオキヨズミシダが見つかったというのに、
時々雨が降っていたので、三脚を持たなかったのが失敗でした。
【薄暗かったので実際の色とは違います】
08年1月24日 撮影
【葉柄の鱗片は被針形のものと線形のものが混在し、褐色】
07年12月24日 撮影
「葉柄の鱗片の色は、明るい(ヒメカナワラビは暗い)」
【葉柄基部の鱗片は卵状長楕円形、柔らかい紙質、褐色で中心部が黒色】
08年1月24日 撮影
明るい場所で撮り直しました。
【羽片を】
08年1月24日 撮影
「羽片のイメージはヒメカナワラビよりもずっとごつい。色はやや明るい」
明るい場所で撮り直しましたので、実際の色に近いです。
【上の画像を拡大しました】
08年1月24日 撮影
「裂片に鋭鋸歯があり、
羽軸の外半分では小羽片の基部が流れて翼となる」
【裏面を】
08年1月24日 撮影
明るい場所で撮り直しました。
【上の画像を拡大しました】
08年1月24日 撮影
「胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間か、やや中肋寄りにつく」
「ヒメカナワラビ(別名キヨスミシダ)と、しばしば同じ所に生える変種関係のシダ
で、どっち付かずのものもあって困るが、典型品をしっかり理解しておくのがよい」
別府の施設へ再び。昨日(22日)早朝に家を出て、夕方4時過ぎに用事が
済み、飯田高原の風の丘へ向かいました。朝の雪は雨に変わって、やまなみ
ハイウエーは道路脇に雪が積もっていても走りやすく、風の丘到着午後6時。
家族3人温かい鴨鍋をお腹いっぱい食べ、私の睡眠は、たっぷり10時間半。
【 今朝、飯田高原「風の丘」から 】
08年1月23日 撮影
目の前いっぱいに、左から黒岳~涌蓋山が広がっているのですが、
昨日は雪~雨、今朝は曇りで、残念、かすかな姿さえ見えませんでした。
【風の丘】
08年1月23日 撮影
この後再び別府へ向かい、12時に施設を後にして、大分道~九州道~
中国道、途中美祢インターで下り、フラサバソウの様子を見に秋吉台へ。
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フラサバソウ〈別名ツタノハイヌノフグリ〉(ゴマノハグサ科 クワガタソウ属)
花期は2~4月。
畑や道ばたに生えるヨーロッパ・アフリカ原産の2年草。
茎は下部で分枝して横に広がり、長さ10~20cmになり、まばらに長毛が生える。
葉はほとんどが互生。長さ0.7~1cmの広円形で1~2対の大きな鋸歯があり、
立った長毛がまばらに生える。葉腋ごとに1花をつける。花柄は葉とほぼ同長。
花冠は淡青紫色、浅い皿形で直径2~2.5mm。
【フラサバソウが開花していました】
08年1月23日 撮影
21日に見た時、つぼみが大きくふくらんでいて「明日か明後日開花」でした。
出かける時に三脚を車から降ろしたので、画像をこれ以上大きくできないのです。
【1m四方の中に2つ咲いていました】
08年1月23日 撮影
ハコベ・ホトケノザ・ナズナ・タンポポ・オオイヌノフグリ・タネツケバナ・・・、
ヤマアイまで秋に開花するようになってしまた現在、
早春に開花を守ってくれているのが唯一このフラサバソウです。
昨年は2月22日、さかのぼると1月31日、1月18日、2月9日、2月16日・・・。
ベニシダ(オシダ科 オシダ属) 常緑性。
葉柄はわら色だが、若い時には紅紫色を帯び、
長さ20~40cm、鱗片をやや密につける。
葉身は長楕円形~卵状長楕円形、鋭尖頭、2回羽状複生、長さ30~70cm、
形大きさに変異が多い。
羽片は10対前後、狭長楕円形~狭被針形、
先端は尾状に伸び、大きな羽片には短い柄がある。
小羽片は狭長楕円形~被針形、幅5mmくらいが標準で、円頭~鋭頭と変異
が大きく、無柄、羽状浅裂~鋸歯縁、鋸歯の先端はとがるがかたくはない。
胞子嚢群は小羽軸と小羽片の辺縁との中間か、中肋寄りにつき、
包膜は全縁、直径1.2~1.2mm、若い時には紅色~紅紫色を帯びる。
葉質は紙質、緑色の表面には光沢があり、若葉の時紅色を帯びる。
本州・四国・九州に広く分布し、
低山地の林下や村落の路傍などにごく普通に生じる。
【 ① 秋吉台では 「林内に普通」の ベニシダ】
07年12月1日 撮影
「形大きさに変異が多い」
【 ② 】
08年1月21日 撮影
【②の最下羽片】
08年1月21日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月21日 撮影
「最下羽片の下向き第1小羽片が『小型ハの字』、
下向き第2小羽片よりはるかに小さい」
【 ③ 】
08年1月21日 撮影
【③の最下羽片】
08年1月21日 撮影
【上の画像を拡大しました】
08年1月21日 撮影
「最下羽片の下向き第1小羽片が『小型ハの字』、
下向き第2小羽片よりはるかに小さい」
【 ①の裏面を】
07年12月1日 撮影
「胞子嚢群は小羽軸と小羽片の辺縁との中間か、中肋寄りにつく」
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「芽吹きの4月、さわやかな浅緑の中にベニシダの紅い葉の大群は、
あまり特徴のないこのシダの年1回のパフォーマンスと言えようか」
今まで関心のなかった芽吹きの頃のシダを、楽しみに待っています。