アゼトウガラシ〈畦唐辛子〉(ゴマノハグサ科 ウリクサ属) 花期は8~10月。
田のあぜなどに多く、果実がトウガラシに似ていることによる。
やや湿ったところに多い高さ10~20cmの1年草。
葉は対生し、長さ1~3cmの被針形で、先はとがる。
花は淡紅紫色で、上部の葉腋に1個ずつつく。花冠は唇形で長さ0.6~1cm。
果は長さ約1cmの線状被針形。
2年前にスズメノトウガラシを確認、以来ずっと探してきたアゼトウガラシを、
湿地の植物やイネ科・カヤツリグサ科に関心のある友人が見つけてくれました。
【高さは10cmほどでした】
07年9月28日 撮影
【まっすぐ立ってなくて・・・】
07年9月28日 撮影
【上の画像を拡大しました ― 葉を】
07年9月28日 撮影
「葉は対生、鋸歯はごく低くて数も少ない」
私は、この葉をずっと探してきました。
【花は】
07年9月28日 撮影
「アゼトウガラシの花は下唇の黄色の斑紋が目立つ」
友人は、この黄色の斑紋を目安に見つけてくれました。
【果実は果】
07年9月28日 撮影
「柄は果体に比べてはっきり細く、あとまで花柱が残っている」
フタバムグラ〈双葉葎〉(アカネ科 フタバムグラ属) 花期は8~9月。
葉が2個対生することによる。
畑や田のあぜなどに生える高さ10~30cmの1年草。
茎は細い円柱形で、基部から枝分かれして斜上するか、横に広がる。
葉は対生。長さ1~3.5cmの線形~広線形で、ふちにざらざらする短毛がある。
花はわずかに紅色を帯びた白色で、葉腋に1~2個つく。
花冠は長さ約2mmの筒状で、先は4裂する。花柄はごく短い。
果は直径3~5mmの球形で、萼が残って目立つ。
* * *
◇花柄が果実の2~4倍あるものをナガエフタバムグラという。
(原色日本植物図鑑)
* * *
◇フタバムグラの果柄は1~3mmだが、5~8mmの長いものがあり、ナガエフタ
バムグラというが、中間型もあって明らかな区別は認めにくい。(日本の野生植物)
休耕田を散策していて見つけました。フタバムグラは、2000年と翌年確認していましたが、2002年にソフトが故障してデータを失い、記録に残っていません。
記録にフタバムグラがあれば、今回のはナガエフタバムグラとしますが、データ
上は新しく見つけた花なので、基本種のフタバムグラと記録することにしました。
【高さは10cmほどでした】
07年9月28日 撮影
【花は】
07年9月28日 撮影
「花冠は長さ約2mmの筒状で、先は4裂する。花柄はごく短い」
【果実は果】
07年9月28日 撮影
「直径3~5mmの球形で、萼が残って目立つ」
ヒメヒゴタイ〈姫平江帯〉(キク科 トウヒレン属) 花期は9~11月。
山地の草原に生える高さ40~150cmの2年草。
葉は互生し、広披針形または披針形で、下部の葉は羽状に深裂する。
茎の上部で枝を分け、紅紫色の頭花が大型の散形状につく。
頭花は球形で直径10~16mm。
総苞片には淡紅色の付属体があり、つぼみも花も美しい。
花冠は長さ11~13mm。
今年のヒメヒゴタイは、台風の被害がなかったので、つぼみがたくさんついて
【とてもきれいです】
07年9月27日 撮影
【きょう、開花確認しました】
07年9月27日 撮影
順に覗いて回って、50株目くらいに開花しているのを見つけました。
【理屈抜きで、かわいくて、きれい】
07年9月27日 撮影
【上の画像を拡大しました】
07年9月27日 撮影
※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
9月27日(木)
午前中は、山口市徳地の大原湖畔で「森林セラピー 森の案内人」でした。
今日の来訪者は、都市部(福岡、広島)の一般希望者を対象とした、
市役所観光課主催(JTBに運営委託)による「モニターツアー」の参加者24名。
先ず全員のストレス度を測ってから、森の案内人5名が同行しました。
私とずっと一緒に歩かれた30歳代と思われる女性のSさんは、数値が247。
多くの方が2けたで、高い人でも100台の中では飛び抜けて多い数でした。
子育てに追われながら明るく振る舞い、自覚がないままストレスがたまっている
のだろうと感じましたので、関心がある植物の話を交えながら、
森を吹き抜ける風や香りが、
歩きながら変わっていることに気づいていただくようにしました。
これで数値が上がっていたら、森の案内人をやめようとさえ思いました。
歩いたあと測ったら、88。 思わず「やった!」と叫んでしまいました。
ウシクサ〈牛草〉(イネ科 牛草属) 花期は8~11月。
山野の湿地や草地に生える高さ15~40cmの1年草。
茎は基部からよく分枝する。
葉はやわらかく、長さ2~4cmの線形で、両端とも丸みがある。
茎の上部にやや多数の小穂が集まった線形の穂をつける。
穂は長さ1~2cmで、柄の基部は鞘状の苞に包まれている。
小穂は節に2個ずつつくが、1個は退化して柄と短い芒だけになっている。
23日の“秋吉台の自然に親しむ会”の観察会で、参加者の方が、「これは?」と。
長さ10cmくらいの細いイネ科で、「チャボウシノシッペイを小さく薄くした感じ」
と、思いましたが、見たことがない草でした。
“秋吉台の大先輩”がご存じでした。ウシクサ。
さすがと思いましたが、見つけて質問される方もすごいと思いました。
今日、やっと、ゆっくり撮り直す時間がとれました。
【高いものでも15cmほどでした】
07年9月26日 撮影
【1本だけ撮るのは難しい】
07年9月26日 撮影
【上の画像を拡大しました】
07年9月26日 撮影
「葉は長さ2~4cmの線形で、両端とも丸みがある」
見せてもらった時、この特徴が一番に目に入りました。
【花序を】
07年9月23日 撮影
【上の画像を拡大しました】
07年9月23日 撮影
「穂は長さ1~2cmで、柄の基部は鞘状の苞に包まれている」
「小穂は軸にぴったりくっついて、線形の穂を作る」
カリマタガヤ〈雁股茅〉(イネ科 カリマタガヤ属) 花期は8~10月。
雁股は先が二股に別れた矢じりのこと。花序がこの形に似ていることによる。
日当たりのよい湿ったところに生える高さ7~40cmの1年草。
葉は長さ 3~7cmの線形で柔らかく、先はとがる。
茎の先に長さ2~8cmの細い枝を普通2~3個出し、
枝の片側に小穂をびっしりとつける。
小穂は節に1個ずつつき、長さ3~4mmの扁平な被針形。
小穂は2個の小花からなるが、
下部の小花は退化して、薄い膜質の外花穎だけになっている。
両性の小花の外花穎の先は2裂し、
その間から長さ0.2~1cmの折れ曲がった細い芒が突き出る。
探していたカリマタガヤは、今まで見たイネ科とは別物と、一目で分かりました。
【 ① 高さは10cmほど、群生していました】
07年9月25日 撮影
柔らかく優しい感じで、全体の姿は白っぽく見えました。
【 ② 】
07年9月25日 撮影
【 ③ 下方を】
07年9月25日 撮影
【③を拡大しました】
07年9月25日 撮影
肉眼では気づきませんでしたが、葉も茎も細い毛がびっしり。
【 ④ 花序を】
07年9月25日 撮影
真ん中の花序の枝は長さ約2.5cm。
【④を拡大しました ― 真ん中の花序】
07年9月25日 撮影
【④を拡大しました ― 左の花序】
07年9月25日 撮影
「小花の外花穎の先は2裂し、
その間から長さ0.2~1cmの折れ曲がった細い芒が突き出る」
探し求めていたこの姿!
マツバニンジン〈松葉人参〉(アマ科 アマ属) 花期は8~9月。
日当たりのよい草地に生える高さ40~60cmの1年草。全体無毛。
葉は互生し、狭長楕円形で、長さ1~3cm、
3脈があり、先はとがり、基部は次第に細まり柄はない。
花は淡紫色で直径約1cm、花弁は広倒卵形で長さ5~6mm。
マツバニンジンを1~2株ながらずっと見てきた場所で、昨年はとうとう見られず、
今年も何回も通ったのに見つけられないでいました。
友人に教えてもらった場所でも見られず、今年も諦めかけていたところ、
昨日の観察会で、カルストロードの斜面で咲いているのを教えていただきました。
【2年ぶりに会えたマツバニンジンです】
07年9月23日 撮影
マツバニンジンの花は、朝から日差しが強いと昼には落ちてしまいますが、
昨日は曇っていたので午後1時過ぎても咲いていました。
【上の株を別の角度から】
07年9月23日 撮影
「葉は互生し、狭長楕円形で、長さ1~3cm、
先はとがり、基部は次第に細まり柄はない」
【上とは別の株ですが、茎が折れていました】
07年9月24日 撮影
【花を】
07年9月24日 撮影
たくさん実がついていますから、来年も大丈夫ですね!
※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。
センナリホオズキ〈千成酸漿〉(ナス科 ホオズキ属) 花期は7月~9月。
小さな果実がたくさんつくことによる。熱帯アメリカ原産。
畑や荒れ地に生える高さ20~90cmの1年草。
茎には稜があり、無毛。枝は広く開出する。
葉は互生し、長さ3~7cmの広卵形で先端はとがり、ふちには波状の鋸歯がある。
葉腋から花柄を出し1花をつける。萼は鐘形で長さ約5mm、無毛。
花冠は杯形で直径約8mm、黄白色、基部に黒褐色の斑がある。
液果は直径約1cmの球形で、花のあと大きく袋状になった萼に包まれる。
センナリホオズキは2003年に1株見ただけでしたが、今日の観察会で
“秋吉台の大先輩”が見つけられ、4年ぶりに見ることができました。
【横に広がった1枝を】
07年9月23日 撮影
【花を】
07年9月23日 撮影
【株の反対側に回って撮りました】
07年9月23日 撮影
「実の数は多いが、熟しても緑色」
07年9月23日 撮影
マメアサガオ〈豆朝顔〉(ヒルガオ科 サツマイモ属) 花期は6月~10月。
北アメリカ原産のつる性の1年草。各地に広く帰化している。
葉は互生。葉身は広卵形でときに3裂し、長さ3~8cm、
先は細長くとがり、基部は心形、両面に毛が散生する。
葉腋に長さ1.5~4cmの花柄を伸ばし、1~5個の花をつける。
萼は鐘形で基部まで5裂し、長さ8~10mm。
花冠は漏斗形、長さ幅とも約2cm、
白色、または白色で背面に淡紅紫色の条がある。
ヒメクマツヅラを見つけた荒れ地で、19日夕方見つけました。
【当日の朝咲いてしぼんだ花かと思いました】
07年9月19日 撮影
【上の画像を拡大しました】
07年9月19日 撮影
「葉は先は細長くとがり、基部は心形」
【翌20日の朝来てみたら】
07年9月20日 撮影
光線の関係で、前日の反対側から撮りました。
【あれはつぼみだったようで、咲いていました】
07年9月20日 撮影
「萼は鐘形で基部まで5裂し、長さ8~10mm」
マメアサガオを秋吉台上で見たのは、これが初めてです。
【花を正面から】
07年9月20日 撮影
「葉は両面に毛が散生する」
【少し角度を変えて】
07年9月20日 撮影
ヒメクマツヅラ〈姫熊葛/別名ハマクマツヅラ〉(クマツヅラ科 クマツヅラ属)
花期は6月~9月。
裸地や礫地などに生える多年草。北アメリカ原産。
本州中部以西で河川敷や道ばたに見られる。
アレチハナガサに似るが、茎には剛毛がほとんどない。
茎はよく分岐して高さ2mほどになる。
茎の上部で多数分枝し、長さ3cmほどの穂状の花序を多数つける。
花は直径3mmほどの5裂した筒状で、淡青色。
果実は萼とほぼ同じ長さで、宿存する萼筒に充満し、俵形をなす。
昨日の夕方、キンエノコロやヤハズソウが生えている荒れ地で見つけました。
【高さは30cmほど】
07年9月20日 撮影
探したら、近くに小さな株が2つありました。
【昨夕、この花序で気づきました】
07年9月19日 撮影
穂の長さは3cmほど。
【茎の下部でよく分岐しています】
07年9月20日 撮影
【上の画像を拡大しました】
07年9月20日 撮影
葉は対生。下部の葉には鋸歯があります。
【花序の枝数は多くても3本でした】
07年9月20日 撮影
見た感じは、クマツヅラよりアレチハナガサに近いです。
【上の画像を拡大しました】
07年9月20日 撮影
穂状花序の長さは3cmほど。
【花を】
07年9月20日 撮影
花の直径は2mmほどです。
【近くに、小さなアレチハナガサがありました】
07年9月20日 撮影
【上の画像を拡大しました ― アレチハナガサです】
07年9月20日 撮影
両者は明らかに違いますよね?
ということで、見つけた花に「花番号1085 ヒメクマツヅラ」が加わりました。
ツルニンジン〈蔓人参/別名ジイソブ〉(キキョウ科 ツルニンジン属)
花期は9月~10月。
根が朝鮮人参に似て太く、茎がつるになるのでこの名がある。
よく似たバアソブに対してジイソブとも呼ばれる。
山麓や平地の林内に生えるつる性の多年草。
葉は互生するが、側枝の先では普通3~4個集まってつき、
長卵形で、裏面は粉白を帯びる。
花は側枝の先につき、白緑色で内側に紫褐色の斑点がある。
花冠は長さ2.5~3.5cmの広鐘形。
【ツルニンジンの花】
07年9月18日 撮影
【上の花を横から】
07年9月18日 撮影
【葉は】
07年9月18日 撮影
「葉は互生するが、側枝の先では普通3~4個集まってつく」
虫に食われたのが多く、完全な形の葉を撮るのに苦労します。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
今日、山口放送「熱血テレビ 秋吉台四季の花」9月分の収録を
ススキが風でなびく秋たけなわの御鉢山~龍護峰コースで行いました。
放送は、9月25日(火) 午後4時53分から。
07年9月18日 撮影
今年は台風が来ていないからか、ススキが近年になくきれいです。
どんなススキが放映されるのか、とても楽しみです。
【ナンバンギセル ― 地獄台方面の遊歩道そば】
07年9月18日 撮影
友人夫妻が3日前に見つけた大家族のナンバンギセルです。
【ギンリョウソウモドキ ― 林の遊歩道そば】
07年9月18日 撮影
昨日までよく降った雨のお陰で、今年も数が増えました。
※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。