前回(4月21日)は、麓付近の湿地を散策しましたが、
きょうは、樹木・シダの達人と3人で中腹近くまで散策しました。
☆①先ず見せてもらったのが、友人が先日、地元で初めて見たミツガシワ。
【ミツガシワ〈三槲〉(リンドウ科 ミツガシワ属)】
1年前にこの辺りの環境が変わったので、水が無くなり絶滅の恐れもあるとのこと。
☆②西中国山地(山口県)へ
【マルバスミレ〈円葉菫〉(スミレ科 スミレ属) - 山麓で】
初めて見ました。秋吉台のアオイスミレが咲く所で見つからないでしょうか。
【オウギカズラ〈扇葛〉(シソ科 キランソウ属)】
【トウゴクサバノオ〈東国鯖の尾〉 - 「鯖の尾」ができていました】
上の画像を拡大しました - サバノオの名前の由来です。
前回ピンぼけだったので、頑張って撮りました。花は直径6~8mm。
上の画像を拡大しました -花弁状の萼片は淡黄白色。花弁は黄色で軍配形。
【ミヤマトベラ〈深山扉〉(マメ科 ミヤマトベラ属) - 自生地が限られた珍しい木】
マメ科なのですね! 友人によれば滅多に花が見られないそうですが、見たいです。
【キヨタキシダ(イワデンダ科) - 湿った林内に生える - 秋吉台で探してみます】
黒褐色の鱗片が目立つ。
☆③島根県へ。
【エイザンスミレ〈叡山菫〉(スミレ科 スミレ属) - 葉は3全裂し、さらに側葉は2裂する】
上の画像を拡大しました - 花は淡紅色~白色。
【フタバアオイ〈双葉葵〉(ウマノスズクサ科 カンアオイ属)】
【ヤマトグサ〈大和草〉(ヤマトグサ科 ヤマトグサ属) 山地の林内に生える多年草】
牧野富太郎が日本人として初めて学名をつけた記念すべき植物として大和草と命名。
上の画像を拡大しました - 雌雄同株で、雄花でした。
今回もたくさんの花を見せてもらいましたが、秋吉台で見ていない植物だけを書きました。
いつか、1つでも良いから秋吉台で見つけて、友人へのお礼にしたいと思っています。
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名前しか知らず、図鑑で予習もしないまま教えてもらった、感動の花たち。
どれも秋吉台では期待できませんが・・・。
【①ホクリクネコノメ〈北陸猫の目〉(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
沢沿いの陰湿地に生える。上部の苞は広楕円形で、鮮黄色。
萼裂片は花時には直立し、淡緑色。雄しべは8個。裂開直前の葯は暗紅色。
【②ネコノメソウ〈猫の目草〉(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
山の水辺に生える小さな多年草。全体無毛。
葉は対生。苞は黄色。雄しべは4個で葯は黄色。
【③マルバスミレ〈円葉菫〉(スミレ科 スミレ属)】
全体に無毛。名のとおり、まるみのある葉が特徴。
花はふつう白色だが、九州には淡桃色にもある。
【④ニッコウネコノメ〈日光猫の目〉(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
下部の苞は暗緑色または濃緑色、上部の苞は鮮黄色または緑黄色。
萼裂片は花時にはほぼ平開。雄しべ8本。裂開直前の葯は暗紅紫色。
【⑤タチネコノメソウ〈立猫の目草〉(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
葉は互生。
ツルネコノメソウによく似ているが茎葉の鋸歯は3~4個ほどで低く、
地上の走出枝を出さない。 雄しべ8個。葯は黄色。
【⑥トウゴクサバノオ〈東国鯖の尾〉(キンポウゲ科 シロガネソウ属)】
花は淡黄色または黄緑色で横向きの咲き、直径5~6mm。
萼片5枚は花弁のように見え、花弁は黄色い蜜腺となる。
一番見たかった花トウゴクサバノオは、黄色い小さな花でした。
撮りながら、思わず何度も「かわいい!」と。 ちょっとピンぼけなのが残念。
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帝釈峡に4月に来たのは初めて。
今回は、二人のスミレの達人に同行という、これ以上は望めない贅沢な花探索でした。
【①シロバナネコノメソウ〈白花猫の目草〉(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
萼裂片は白色。雄しべ8個。葯は暗赤色。
【②ミスミソウ〈三角草〉(キンポウゲ科 ミスミソウ属)】
ちょうど花盛りの時で、あちこちで沢山見ました。
こんな濃いピンクのも見られました。
【③イブキスミレ〈伊吹菫〉(スミレ科 スミレ属) - 主に石灰岩地に生える】
花期は無茎で花のあと茎を伸ばすので、
学名に「不思議な」という意味のmirabilisがついた。
花は淡紅紫色。 側弁の内側に毛がある。
【④ヒナスミレ〈雛菫〉(スミレ科 スミレ属) - スミレのプリンセス】
花。透明感のある淡紅紫色の。
花期の葉は長さ2~5cmの長卵形~披針形で、基部は心形。
鋸歯は鋭く、葉の先は細くとがる。 葉を水平に広げる。
【⑤ヒカゲスミレ〈日陰菫〉(スミレ科 スミレ属) - 空中湿度の高い半日陰に生える】
葉は長さ4~7cmの長卵形~長三角形で、先はとがり、基部は心形。
花は白色で、側弁と唇弁には紅紫色の細かいすじが入る。
【⑥ヒカゲヒナスミレ〈日陰雛菫〉 】
花はヒナスミレで、葉がヒカゲスミレなので仲間内で呼んでいる名前とのこと。
【⑦カタクリ〈片栗〉(ユリ科 カタクリ属) - あちこちで小さな群落が見られました】
【⑧チョウジザクラ〈丁字桜〉(バラ科 サクラ属) 】
上の画像を拡大しました - 少しだけですが咲いていました。
【⑨レンプクソウ〈連福草/別名ゴリンバナ〉(レンプクソウ科 レンプクソウ属)】
上の画像を拡大しました - 花は5個が集まってつき、頂部の花は上向き。
花冠は4裂し、雄しべは8個。
ほかの4個は横向きにつき、花冠は5裂し、雄しべは10個。
【⑩タカハシテンナンショウ(サトイモ科 テンナンショウ属) - 岡山県に自生】
小葉は鳥足状に5~7枚。仏炎苞は紫色、筒部から舷部の下部にかけて白条がある。
【⑪オニシバリ〈鬼縛り〉(ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属)常緑小低木、高さ1m以下】
雌雄異株。夏に落葉するので夏坊主の名もある。葉腋に黄緑色の花を数個束生。
上の画像を拡大しました -萼筒は長さ5~9mm、先は4裂する。
秋吉台にあるかもしれないので、是非実物を見たかった植物。
探す手だてができました。
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山口県内に自生するネコノメソウ属を今年3月までに全て見たという友人の先導で、
山地の奥深くに沢を渡りながら登っていき、お目当てのものらしいのが現れると、
這いつくばるようにして近づき、小さな花の葯の色を確かめた1日でした。
【コガネネコノメソウ(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
山地の沢沿いの陰湿地に生える。
葉は扇形~円形で、縁には5~10個の円い鋸歯がある。
上の画像を拡大しました - 花は直径2~4.5mm。
萼裂片は花時に鮮黄色または黄緑色で直立。雄しべは8個で直立し、萼裂片より短い。
【ボタンネコノメソウ(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
日本海側の山地谷沿いの湿地に生える多年草。上部の苞は広卵形で鮮黄色。
萼裂片は4個、暗赤褐色で直立。雄しべは8個、萼片より短く、葯は黄色。
【チシマネコノメソウ(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
山地谷沿いの陰湿地に生える軟弱な多年草。
萼裂片は黄緑色で平開し、雄しべは8個、葯は鮮黄色~汚紅色。
根生葉は数個束生し、花時まで残る。
【イワネコノメソウ(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)】
温帯林に被われた沢に沿う陰湿地に生える。根生葉は花時には枯れて残らない。
葉は扇形または円腎形で、上縁には3~5対の内曲する鋸歯がある。
萼裂片は花時には平開し、緑色、ときに部分的に暗赤紫色を帯びる。
雄しべは8個で、花盤に押し入るようにつき、花時には直立。葯は橙赤色。
* * * * * おまけ * * * * *
【クマ穴 - ツキノワグマが入れる大きさ。今は不在、冬になると戻ってくるそうです】
* * * * * * *
秋吉台のネコノメソウ属は、ヤマネコノメソウだけがあちこちに、いっぱい!
きょうは、沢を渡る時は滑りそうで怖かったけれど、本当に楽しいお勉強の1日でした。
友人たちは、ほかにツクシネコノメソウとヒダボタンも確認したそうですが、
私は画像が撮れていませんでした。残念。
「いろいろ見せてあげたいけれど、体力が必要な所の花から早くして今年ね」
年々歳を重ねるし、私の腰痛が再発しかねないとの、友人の優しい心遣いに感謝。
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友人が誘ってくれた時の言葉は、
「短いけれど、本当にずり落ちるよりも早く登らなければならない所です。
必ずたどり着けるようにしますので、根性だけは入れてきてください。
根性で何ともならなければあきらめましょう」。
きょう、急斜面を見下ろす崖の上に立ち、
「どうする?降りる?途中で引き返せないよ」
『気合い入ったから、行く』。
【中国地方の山で自生していました - 何年か前、広島県で見たのは人家の裏山でした】
【フクジュソウ〈福寿草〉(キンポウゲ科 フクジュソウ属)】
【落葉樹林内の明るいところに群生する】
【花は日が当たっているときだけ開く】
【ずり落ちるよりも早く登らなければならない所で】
【ミスミソウ〈三角草〉(キンポウゲ科 ミスミソウ属】
【花弁状の萼片は6~10個、白色、淡紫色、淡青紫色、淡紅色など変異が多い】
【上の画像を拡大しました】
「あの岩の上にも咲いているけど、どうする?」
『もう、十分です』。
ひたすら下って山を降りました。
私は自分のペースで歩き続け、一度も滑ったり転んだりはしなかったのですが、
友人は疲れ切った様子で、こんな友人の顔を初めて見ました。
口には出されませんが、私が無事に歩き通せるのか、とても不安だったのでしょう。
大丈夫。『もう一度行きたい』とは、絶対に言いませんから。
中国地方にこんな自然があるのをを見せてもらい、
こんな場所だからこそ、盗掘されずに咲いているのだということがよく分かりました。
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