プロテスタントとカトリック
五、「教会とわたしたち」(438) 5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その78)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
7.この世がキリストを信じるに至ったのは、人間的な説得の結果ではなく、神の力の結果である。
8.この世をキリストの信仰へと獲得するためになしとげられ、世界が信ずるに至った今でもなされてい
る
そのとき、いつ終わるとも見えないような感嘆の声と泣声とが入り混った叫び声が起こった。彼女はたった先刻震えながらも立っていたその場所に連れて行かれた。彼女がその兄とあまりにも違うのを悲しんだ人々は、いまや兄妹が全く同じであるのを見て喜んだ。神が人々の願いを聞き入れられたのは、彼女のために人々が祈り始めたそのときであったことを、彼らは思い出した。人々が口々に叫ぶ声はわたしの耳を聾(ろう)せんばかりであった。彼らの歓喜をかき立てたのが、殉教者のステファヌスがそのために血を流したキリストへの信仰でなければ何であったろう。(前回はここまで)
9.キリストの名によって殉教者がなした奇跡のすべてが、キリストに対する彼らの信仰 を証しする。
10.神を拝せんがために奇跡を行った殉教者たちは、自分自身が神であることを人々に 信じさせようと し
てふしぎなわざをなす悪鬼よりは、はるかに大きな栄誉に値する。
・・・・わたしたちが殉教者のために廟堂を建てるのは、彼らが神だからではなく、その魂が神とともにある(つづく)(「神の国」出村彰訳)