お散歩猫のキキとヒゲおじさんの日常

ヒゲおじさんは元遊園地の園長で家庭料理人、今は新聞の料理コラムニスト、猫のキキと前橋な毎日と家庭料理をお届けします。

麻屋の建物について、「麻屋は八番街構想の邪魔者」と前橋市長は考えているようです…

2010-12-14 08:29:02 | ヒゲクマとキキの日記

Dscf9089 <昨日の夕方ね、ヒゲクマは長い電話してたんだよ。麻屋さんがどうだこうだって、その電話のお話をしてもらうことにしましたからね…>

  

昨日の電話は、今、解体されようとしている旧麻屋呉服店の建物を何とか残せないかと苦心をされている方からでした。

このブログの読者の方が、ヒゲクマを紹介してくれたんだそうです。

   

Dscf8712 「何とか残せないものかと運動を始めて、市議会や市長に請願も提出しました」お電話の主はお話になります。

このことは、毎日新聞で報道されました。

   

旧麻屋ビル:保存を求め請願書 前橋市長に市民団体

                        (毎日新聞 2010年12月9日 地方版)

前橋市民らで作る「前橋の『平和資料館』設立をめざす会」(岩根承成代表)は8日、取り壊しが決まっている同市中心部の旧麻屋百貨店ビル(同市千代田町2)の保存を求める請願書を高木政夫市長あてに提出した。

 市によると、同ビルは鉄筋コンクリート造り地上3階、地下1階、延べ床面積約1324平方メートル。1934年に建築され、07年に国の有形文化財に登録された。ビル所有者が取り壊しを決め、今月2日、市が跡地を購入する契約を結んだ。解体工事は13日から始まる。

 請願書は「前橋が商業で繁栄した歴史を伝える貴重な文化財であり、前橋空襲の生き証人としての戦争遺跡」と主張している。【塩田彩】

これよりも前に前橋市議会に提出された麻屋の建物を残してほしいという請願について、12月10日に開催された前橋市議会は「市長と所有者間で契約が成立しているから請願事項は不存在」との理由で委員会付託を省略して、圧倒的多数で「不採択」にしたと聞いています。(下線部修正14日16:20)   

つまり、前橋市議会の大勢は、議論もせずに、麻屋の建物を残す必要はないとしたようです。

   

Dscf8713 「前橋市長は『麻屋の建物の文化財としての価値は認めるが、どうしても残すことができない、不本意だけれども壊してもらわざるを得ない』の一点張りなのです。残せない理由は『八番街の再開発構想を進めるうえで不都合』だというのです」と、電話の主は話しておられました。

このことについては、少し長いのですが、10日の東京新聞の記事を引用します。

  

市の意向で解体へ 国有文化財 前橋の「旧麻屋百貨店」

                            (東京新聞 2010年12月10日)  

 前橋市中心街で国の登録有形文化財に指定されている「旧麻屋百貨店」(同市千代田町)について、所有者が市と売買契約を結ぶ際に再三保存を要望したものの、市側が解体を求め、解体が決まったことが分かった。同百貨店は国の重要文化財も手掛けた木田保造(一八八五~一九四〇年)が施工。有識者や市民からは解体に疑問の声が上がっている。 (菅原洋)

Pk2010121002100029_size0_2  同百貨店は三四(昭和九)年に建ち、鉄筋コンクリートの地上三階、地下一階建ての延べ床面積約千三百二十平方メートル。前橋空襲でも奇跡的に焼け残ったが、六四(同三十九)年に閉店し、一時は市の部署などが入っていた。

 「アール・デコ」と呼ばれるモダンな外観などから、二〇〇七年に登録有形文化財に指定。だが、老朽化のため、保存には改修が必要となっている。

 同百貨店の創業家で、不動産を所有・管理する「麻屋」の手塚道雄社長によると、建物に現在はテナントがない上、社長自身も難病を抱え、管理が難しいのが現状だ。

 このため、手塚社長が市に今春、建物を寄贈し、敷地を売却する案を提案。市は協議に応じ、市議会でも保存に前向きな答弁もしたが、その後に市側から、改修工事費が膨らむため、事実上解体を求められたという。

 手塚社長は市に何度も保存を求め、高木政夫市長にも先月二十日に要望書と百ページを超える関連資料を提出。しかし、今月初めに高木市長と話し合い、解体を了承した。

 市との契約によると、市は適正な鑑定価格で敷地(建築面積三百七十五平方メートル)を数千万円で購入し、近く解体作業に入る見通し。

 木田について図書館や古本屋で調べてきた手塚社長は「木田の施工は誇り。解体の決断は人生で最も重く苦しく、わが身を自ら切り裂くようにつらい。今からでも奇跡が起これば、市が保存してほしい」と苦渋の表情を浮かべている。

 高木市長は七日の定例会見で「総合的に判断し、所有者が解体すると決めた。敷地一帯を再開発したい」と説明。ただ、具体的な計画は示さず、財政・経済状況の厳しさから、懐疑的な見方もある。

改修すれば使える

 星和彦・前橋工科大大学院教授(建築史)の話 解体は残念で、承服できない。木田の施工で建物はきちんと造られ、改修すれば十分に使えると思われる。改修し、中心街の活性化に寄与させるべきだ。

 <木田保造> 社長を務める木田組が、1915年に施工した国内初の鉄筋コンクリート造り寺院「本願寺函館別院」(北海道函館市)は国の重文。道内に多くの建物を残し、松屋銀座(東京)など百貨店も多い。

   

この東京新聞の記事は、ヒゲクマがいろんな皆さんからお聞きしている話とよく一致しています。麻屋の建物の解体は、(有)麻屋の意向ではなく、前橋市長の意向であったのです。

   

Dscf8715 「私たちの請願は門前払いを食ってしまいましたが、今、商店街のお店のご主人たちが署名を集めて地元としても残してほしいという請願を出されました」と電話の主は話されました。このことは、風邪ひきで籠っているヒゲクマの初めて聞くお話でした。

いろんな皆さんが、麻屋を残してほしいと考えているようです。

このまちの多くの人たちがそう思い/、そのことを意思表示しないと、急いで意思表示しないと、今がこわすチャンスと思っている前橋市長を止めることはできないと思います。

前橋市長は麻屋は八番街構想の邪魔者と考えているようですし、そういう市長の考えに前橋市議会は全く批判的考えを持っていませんから…

    

普段、伝聞や、新聞記事にの内容だけを頼りにブログの記事を書かないようにしています。

風邪っぴきで籠っていることと、もう一つ、お電話くださった方の熱意にこたえるため、この記事をアップします。

旧麻屋の建物については今までに二つの記事を書きました。

「麻屋百貨店解体問題」に関する記事は昨年の11月16日から書いています。まとめて読みたい方はコチラをご覧ください

 

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200806072 次回の「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)は、新年の1月8日の朝刊に掲載予定です。来年もよろしくお願いします。

  

 


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 ご紹介ありがとうございます。 (啼兎)
2010-12-14 14:57:13
 ご紹介ありがとうございます。
何も表だっては声が上がらないまま、なし崩し的に解体が進んでしまうのかと、政治への不信と無力感を抱いておりました。
地元の商店主の皆様、地道に熱心に活動されている方々、ご意見番のヒゲクマ様に心からの敬意を表します。
>前橋市議会の常任委員会で、圧倒的多数で「不採択」になった……
なんと!
議員である前に一人の前橋市民として、次代を担う子供達の先行世代として、「文化財の破壊」に手をかすことに、もっと恐れをもって慎重であって欲しいと思います。そしてこれは自分自身への戒めでもあります。
小さいですが声を上げます。
「保存に一票!」
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啼兎さん (ヒゲクマ)
2010-12-14 16:14:05
啼兎さん
ご丁寧に恐縮します
すみません、私の記事の記述に間違いがありました。
「12月10日に開催された前橋市議会の常任委員会で、圧倒的多数で「不採択」になった」のではなく、「常任委員会に付託されることもなく圧倒的多数で不採択になった」と書かねばならなかったようです。すみません。記事中でまた訂正します。
それから、ヒゲクマは「ご意見番」ではありません。私を育て、遊ばせ続けてくれたまちの皆さんに、今私ができることをしているだけです。私は、どなたにも、「ああせい、こうせい」を言うつもりはありません。今も、街中をうろつき、酒を飲み、遊ばせていただいていますんで…
返信する
私は前橋市の政策があまりにも政治的に決められて... (一浴一杯)
2010-12-14 21:27:03
私は前橋市の政策があまりにも政治的に決められているような気がしてなりません。中学生までの医療費無料化、子宮頸がんワクチンの無料化、小中学校の全教室へのエアコン設置、いずれもあったほうがよいであろう助成であるとは思います。しかし、これらは喫緊の政策なのでしょうか。マスコミで取り上げられる政策を次々と報道に合わせて採用しているように思えてなりません。小学生までではなく、中学生にまで医療費を無料にする理由、ワクチンの効果、夏休みと冬休みの組み替え、など先ずは検討すべき事があるはずなのに、そのような議論を市議会がおこなっている形跡がありません。一般受けするであろうそのような政策は予算額にかかわらず即決されるのに、重要な街の文化財を保存するという事については議論すらしない。この街の政策はどこかがおかしい、政治的な意図がきわめて強くはたらいているとしか思えない、そう感じています。
 上毛新聞のような地元紙がそういう視点で取材、報道市内のも不思議です。
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