お散歩猫のキキとヒゲおじさんの日常

ヒゲおじさんは元遊園地の園長で家庭料理人、今は新聞の料理コラムニスト、猫のキキと前橋な毎日と家庭料理をお届けします。

前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会の報告会のレポート

2010-04-29 23:44:25 | ヒゲクマとキキの日記

今夜(4月29日)、前橋市第2コミュニティーセンターで、前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会の報告会が開かれました。  

ヒゲクマも、ちゃんと出席してお話を聞いてきましたので、レポートを書きま。

   

前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会は、昨年の3月に中川地区と城東地区の15自治会が集まって作った市民運動組織です。

宮崎病院長と高木政夫前橋市長の移転方針に疑問を呈し、現在地でも建て替えが可能なことを明らかにしてゆこうとしてきました。

今日の報告会は、その一年間の活動と、現在の状況を報告するために開かれました。

   

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今日の「報告会」で配られた「前橋赤十字病院建て替え問題・主な経過」です。クリックするとポップアップ画面で読めます。

  

「報告会」の冒頭、協議会の青木会長(中川地区自治会連合会長)は、「現在、協議会には市内の77自治会が参加している」「(移転論者であった)宮崎院長も『現在地でも良いです』と言い出している」「しかし、新しい困難に直面している…」と挨拶しました。

Dscf1594 今、どのような困難に直面しているのかについて、事務局の報告と、前橋赤十字病院建築検討委員会委員の狩野浩志群馬県議会議員の報告から、まとめてみます。

  

① 09年3月26日、病院主宰の説明会で宮崎院長は、1万5千名の署名も市議会の移転反対の請願採択も無視して、「現在地での協力が得られないので移転建て替えを考えている」と説明し、出席者の不信を買った。

② この院長の説明に危機感を抱いた地元は、3月28日に前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会をつくり、市内の自治会に参加を呼びかけるとともに、、県、市、日赤への働きかけ、住民へのPR活動を続けてきた。

③ 日本赤十字社群馬県支部長・大沢正明群馬県知事は、6月に「現在地建て替えの是非を検討するため、第三者組織を新設する」ことを決め、11月に「前橋赤十字病院建築検討委員会」(以下「検討委」)が設置された。この委員会に、協議会の役員2名がオブザーバーとして参加。

④ 協議会は、「なぜ私たちは現在地の建て替えを望むのか」(下の写真)を委員会に提出した。

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Photo_8 (この資料は少し長文ですが、全文写真掲載します。クリックしてポップアップ画面で読んでください。)

   

⑤ 検討委に対して、事務局から現在の赤十字病院の敷地の中で立替を行うプランが提出され議論されてきた。ただし、解決しなければならない問題がたくさんあることがわかった。

第一に病院の診療を継続しながら建て替えなくてはならない、第二に既存建物を壊してそこに新しい建物を作り病院機能を移す、この繰り返しを4回やらねばならず、工期が6年以上になる、第三に、敷地北側は3階建てが上限で高層化できない、第4に病院が目指す将来の病院機能を担保できなくなる可能性がある、等々の問題が検討委の議論で明らかになった。

⑥ このままでは、現在地建て替えが困難になる可能性を感じた協議会は、敷地を国道50号線まで拡張し、高層化できる新しい建物の建設用地を確保して立替を行う案(D案)を提起した。

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図で分かるとおり、赤十字病院と国道50号線の間にある9,920㎡のブロック(もちろん民有地で商店や住宅がある)を加え、そこに、地上11階地下1階の新病院を建設する案である。

この案は、概算事業費200億~220億円(用地費は含まず)、工期は4年とのことだ。

⑦ 4月13日の検討委でこのD案の検討を行ったところ、「地権者の協力等、現実化できるのかどうか」が最大の問題とされた。そこで、協議会は、17日に地権者に説明をおっこない、アンケートを依頼した。

⑧ D案は、地権者の了解を得て作られたものでなく、また事業主体の病院の資金調達の可能性についても議論はされていないものである。したがって、17日の地権者への説明は、まずは謝罪から始まったという。

⑨ 協議会は、地権者のアンケートの集約ができ次第、「要望」を取りまとめ、検討委に提出したい。

  

以上が、報告の要旨であります。

小児医療センターで仕事をしていたとき、放射線棟の増築工事を診療を続けながらやった経験があります。

増築だって大変なのですから、全面的な建て替え工事を診療を継続しながら行うことは簡単なことではありません。

でも、そういう困難を克服してでも、現在地での建て替えが必要だと、このまちの人の多くは考えているのです。

協議会の要望のD案は、他の案に比べて、そういう困難を小さくする効果は大きいと思います。

  

でも、地権者の皆さんの協力を得るの簡単なことではないと思います。

協議会は勇気ある選択をしたと思います。

Dscf1593 黛副会長(ヒゲクマの町内の自治会長です)の閉会の挨拶は、踏み出した一歩についての決意表明でした。

  

会場を出て階段を下りていたら、若い方に声をかけられました。

「ヒゲクマさんではないですか?」

「はい、ひげくまです」

「ブログを読ませていただいてます」

「ありがとうございます。難しい状況になってしまって…」

「私も地権者の一人なんです…」

「そうですか…」

お名前もお聞きせずに、失礼申し上げました。お許しください。

  

でも、行政でも、日赤でもなく、市民が答えを出そうとしています。

その答えは、苦渋に満ちています。

行政がきちんとした仕事をしてこなかったつけを市民が払おうとしています。

でも、その負担は肩に重いです。

  

5月にはいると、地権者の皆さんの意向が集約されてきます。

また、新しい展開になると思います。

  

でも、市長と市役所は何してるんだろう、みんながこんなに汗かいているのに…

   

Dscf1600 足元でコトコト音がするので見ると、キキがマタタビの棒で遊んでいました。

   

<追記>今朝(4月30日)の朝日新聞に報告会の記事がありました。

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ヒゲクマは、昨年の春から日赤病院の問題について、書き続けてきました。

まずは、前橋SNSに3回にわたって書きました。

4月1日同4月4日同5月2日です。

このブログでは次の四つの記事が主なものです。

09年5月15日「前橋赤十字病院の移転は理解できません」

09年6月4日「前橋赤十字病院の移転は検討不十分」

09年8月21日「前橋赤十字病院移転問題を考える一日でした」

10年1月8日「前橋赤十字病院の移転問題はやっと正常な方向に舵が切られたみたい」

    

今夜は、普通の記事とは別にこの記事をアップしました。

通常のは一つ前「キンメイチクのタケノコとシシ肉、「みちした」の行平の柄、「報告会」に出かけました」です。コチラもよろしく。


キンメイチクのタケノコとシシ肉、「みちした」の行平の柄、「報告会」に出かけました

2010-04-29 21:58:07 | ヒゲクマとキキの日記

Dscf1573 昨夜のことです。「ひろ子」で飲んでいたら、立派なタケノコが届けられました。これは、仕事になってしまいました。

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家に持ち帰って、すぐに茹でました。よく育ったタケノコ、キンメイ竹(孟宗の一種)のタケノコです。酔っ払っていたけれど、無事に茹でることができました。

Dscf1579 笛吹さんから、イノシシの肉が届けられました。赤味のよいところです。

イノシシの大好物はタケノコ、だからシシ肉とタケノコは相性がピッタンこのはずです。

明日、タケノコとシシ肉の煮物を作ります。

    

Dscf1572 今朝、愛用の行平の柄がとれてしまいました。この行平は、もう十数年前に前橋の銀座通りにある「みちした」で買ったものです。愛用品なので、取り替えるわけには行きません。

私の使っている調理用具の大部分は、亡くなった「みちした」のご主人の奨めに従って買ってきました。包丁、砥石、鍋、フライパン、貝べら、裏ごし…、みんな思い出があります。

Dscf1584 開店直後の「みちした」にとんで行きました。隣が、息子さんがやっているふぐ料理店「ふく成」です。

Dscf1587 おかみさんに話すと、すぐに交換用の木の柄を出してくれました。400円です。

Dscf1590家に戻って鍋に新しい柄を取り付けました。良いんだよな、直して使える道具って、これでまた10年は使えるのです。

  

みんな、使い捨ての時代になりました。

ダメになったら、新しいのに交換すればよい、修理なんてしなくて良い、そう考える人が増えてしまっています。

だから、道具も壊れやすいものが増えちゃいました。

でも、ヒゲクマは、「愛用」って言葉が大好きですから、修理して使える道具を選びます。

   

Dscf1586 車の通る道で昼寝をしている猫に会いました。すぐ脇を車が通っても気にするそぶりがありません。

  

Dscf1592 夕飯は、タケノコと小松菜のパスタです。和風の味付けにしました。

今日は、二代目が東京に出かけています、ユキ子さんはお供です。

三世花柳寿楽さんの錦会が国立劇場で開かれています。

二代目は、その舞台で、「瓢箪」を踊りました。

それで、昨日からヒゲクマは一人で留守番なのです。

それで、夕ご飯も簡単に済ませました。

  

それから、前橋市第2コミュニティーセンターで開かれる「前橋赤十字病院現在地建て替え協議会」の報告会に出かけました。

   

Photo_10 昨夜野村たかあきさんから、木版画展の案内状をいただきました。詳しいことは、ウェブページ「野村たかあき木版画展 ギャラリーMalle  5月11日~16日」をご覧ください。

Photo_11 直派若柳流の大舞踊会が国立劇場で開かれます。二代目吉駒はもちろんですが、糸駒も「浦島」で出演いたします。詳しくは、ウェブページ「創流40周年記念『直派若柳流舞踊会』 5月24日 国立劇場大劇場」をご覧ください。

    

写真はクリックするとポップアップしますよ                               Ccf20080630_00000_2

  

200806072 「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)の次回は、5月1日(土)掲載予定です


キキとタイ猫、タケノコ配り、雨後の地上そして鬱金、御衣黄……

2010-04-28 23:38:50 | ヒゲクマとキキの日記

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今日も雨、キキは昨日いただいたタイの猫人形をベットに連れ込んで遊んでいました。気に入ったみたい、でも、壊されると困るので、取上げちゃいました。

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昨日のタケノコ、みんな料理しました。左は、鶏肉とタケノコの煮物、中は、筍ご飯の素、右は姫皮と山椒の煮物です。

実は、一昨日あたりから歯茎が少し腫れてきていました。

それなので、タケノコを煮てから、石原歯科に行きました。

「歯周病菌による炎症ですね…」、石原先生の診断です。

Dscf1537 お掃除をしてもらって出てくると、診療所の隣に住んでいる石原先生のご両親が飼っている猫が待っていました。<どうしたん?>、「歯茎が腫れてね…」、<ふ~ん、直してもらった?>、「うん、きれいにお掃除してもらったよ」

Dscf1535 <じゃあ、一緒に遊ぼう…>って、ゴロンゴロンをはじめました。「ゴメン、みんなのお昼作ったり、タケノコ配ったり、ご用があるんだ…」、一緒に遊びませんでした。

  

タケノコをご近所さんやお知り合いのところへ届けながら用足しをしました。

Dscf1541 雨のあがった銀座通り、人影がなくて、猫が道の真ん中に坐っていました。

Dscf1543 中央通の芝生広場、雨に打たれて散った山桜の花びらが地面を埋め尽くしていました。そうだ、雨上がりは下を向いて歩こう…

Dscf1544 広瀬川の遊歩道、厩橋辺りです。ソメイヨシノの花柄が一面に散り敷かれていました。

Dscf1545 ちょっと上流、雷神橋の袂、ケヤキの花がいっぱい落ちていました。雨で、打ち落とされたんですね。

Dscf1548 柳橋辺りの護岸の石積みの間から、羊歯とスギナが勢いよく伸びだしていました。

Dscf1551 下流の比刀根橋辺りでは、イタドリがちょっぴり黄色っぽい葉っぱを出し始めてました。もこもこして、愛嬌があります。

  

Dscf1546 岩神町の共愛学園跡の裏手のお宅の生垣で、モッコウバラが可愛い黄色の花を咲かせ始めていました。これから、たくさんたくさんの花を咲かせてくれます。

   

用事をすませたら、急に桜のことが心配になりました。

   

Dscf1552 交通公園、ウコンの花が雨に打たれて落ちていました。散ったんじゃないです、落とされたんです。

Dscf1553 明日あたりから、散り始めそうでした。ウコンの桜色に染まった花びらが散ってくるときって、すごくすごく…

   

Dscf1561 ギョイコウもまだ大丈夫でした。ちゃんとしてました。よかった…

  

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ほら、一番美しいときのギョイコウです。花って不思議です。なんで美しいのか分かりません。

でも、でもね、しっかり美しいのです。

   

Dscf1569 白いヤマブキです。「みのひとつだになきぞかなしき」っていうのですが、この白いヤマブキは、しっかり実をつけます。こんどお目にかけます。

Dscf1571 おしまいは、もう一度足元へ、タンポポの綿帽子がいっぱいになっていました。きれいです…

      

Photo_10 昨夜野村たかあきさんから、木版画展の案内状をいただきました。詳しいことは、ウェブページ「野村たかあき木版画展 ギャラリーMalle  5月11日~16日」をご覧ください。

Photo_11 直派若柳流の大舞踊会が国立劇場で開かれます。二代目吉駒はもちろんですが、糸駒も「浦島」で出演いたします。詳しくは、ウェブページ「創流40周年記念『直派若柳流舞踊会』 5月24日 国立劇場大劇場」をご覧ください。

    

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200806072 「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)の次回は、5月1日(土)掲載予定です

  


タイの猫人形、千葉から届いたデカ筍、夕飯はシチュー…

2010-04-27 23:32:44 | ヒゲクマとキキの日記

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タイの猫のお人形をいただきました。小さなぬいぐるみです。

(昨夜アップしたときに「タイ」を「インドネシア」と間違えました。お詫びして訂正します)

Dscf1523 それにしても、面白い顔をしてらいね。こういう顔した猫に会ったことはないのだけれど、それでも、これは猫だって分かるからすごいんだな…

Dscf1525 たっちさせたら、口が目みたいになっちゃって、「土偶だ!」って叫んじゃった。タイっていうと「シャムネコ」のイメージだけど、この猫「シャム」風じゃないよね。ちなみに、人口対比で猫の数が最も多いのはインドネシアだって聞いたことがあるんだけど…

   

Dscf1512 ユキ子さんの弟がでっかい筍を実家に送ってきました。お父さんが4本分けてくれました。それにしてもでかい…

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キキがやってきて、早速点検作業を始めました。

Dscf1514 <ずいぶん大きな筍だね…>、「そう、一番大きなのは2kgを超えていて、ヒゲクマのハカリでは目方が計れなかったよ」、<フ~ン、じゃあ2本でキキより重たいんだ…、スゴイ!>

Dscf1515 <こういうデカタケノコのゆで方を皆さんにお見せしたほうがいいよ…>、キキは穂先が気になるみたいで、いつまでもチョイチョイしていました。

   

Dscf1516 大きなタケノコは、皮付きのまま縦に半分に切ります。それから、穂先を切り落として、そして、皮を両手でおもいっきりむいちゃいましょう。

Dscf1517 はい、こんな具合に解体してしまいます。下が食べるところ、右が切り落とした穂先、上がむいた皮です。

Dscf1518 更に半分に切って、つまり四つ割り状態で30センチの鍋に入れてみましたが、いかんせん大きすぎて入りきりませんでした。

Dscf1519 仕方ないので鍋を二つにしました。左で1本分、右で3本分をゆでています。もちろん、米ぬかと唐辛子を入れて。向こう側にある青い鍋の中の赤いものは、今夜の夕ご飯に食べるシチューを煮ています。

  

Dscf1521これは、夜9時ごろに帰ってきた二代目とユキ子さんに食べてもらったシチューです。「おいしいよ!」って、二代目が言ってました。

  

いっぱいのタケノコどうするんだって心配ですか?

あした、鶏肉と炊き合わせたり、タケノコご飯用の煮物にしたりして、お友達に配っちゃいます。「ひろ子」にも届けます。

  

今夜はもう一本、「イトーヨーカドーが閉店する前橋を考える(その6) 熱血店舗開店支援事業をイトーヨーカドーが撤退した曽我のビルに適用するの?」をアップしました。一つ前の記事です、コチラもご覧ください。

    

Photo_10 昨夜野村たかあきさんから、木版画展の案内状をいただきました。詳しいことは、ウェブページ「野村たかあき木版画展 ギャラリーMalle  5月11日~16日」をご覧ください。

Photo_11 直派若柳流の大舞踊会が国立劇場で開かれます。二代目吉駒はもちろんですが、糸駒も「浦島」で出演いたします。詳しくは、ウェブページ「創流40周年記念『直派若柳流舞踊会』 5月24日 国立劇場大劇場」をご覧ください。

    

写真はクリックするとポップアップしますよ                               Ccf20080630_00000_2

  

200806072 「ヒゲおじさん厨房に入る」(朝日新聞群馬県版)の次回は、5月1日(土)掲載予定です


イトーヨーカドーが閉店する前橋を考える(その6) 熱血店舗開店支援事業をイトーヨーカドーが撤退した曽

2010-04-27 22:55:28 | イトーヨーカドーが消える前橋を考える

  

Dscf1487 ここは、中央通と銀座通りの交差点、「麻屋」の跡、空き店舗になっています。50年前、「麻屋」は前橋のまちの核店舗でした。

この近くに店舗を構える会社の関係者とお話をする機会がありました。

この方は、前橋市がやっている「熱血店舗開店支援事業」を拡充して、ドンドン若い人たちが出店できるようにしてもらいたいという希望を話されました。

この人は、「熱血店舗開店支援事業」の補助金の上限額が120万円であることもご存知ありませんでした。

ただ、前橋市の行政に大きな期待感を持っておられました。

  

この「熱血店舗開店支援事業」は、3月の前橋市議会の最終日に、市長を支持するグループの市議会議員の総括質問に答えて、高木政夫市長が、従来の対象地域の千代田町を拡大して、前橋駅周辺と駅前通りを加えることとしたと発表しました。

このことについては、3月11日にもなんで拡大するのだろうかって書きましたが、もう一度取上げます。

Kuikizu22 これが、市が発表した新しい対象区域です。象の鼻みたいに駅前通りが加えられています。前橋の中心商業地は、こんな奇妙な形にされてしまいました。

  

「熱血店舗開店支援事業」というのは、これをクリックすると、平成22年度の募集案内が出ますので、これを読んでいただくとよく分かると思います。

かいつまんで説明しますと、対象地域内にある空き店舗を借りて、新たに販売店や飲食店を出そうとする人に、店舗改装費と賃貸料の一部を120万円を限度として補助してくれるという制度です。

  

そこで、ヒゲクマは、今年度から拡大された駅前通の空き店舗を探しに行きました。

Dscf1505 駅前通り東側、サーバス表町の北の角に、閉店した食堂と喫茶店がありました。空き店舗です。

でも、駅前通りの東側には、この2軒しか見当たりませんでした。

Dscf1507 今度は駅前通りの西側です。あれ、テルミープラザ前橋駅前店はまだやってたっけな、閉めたんだっけな、どっちだかわかりません。

Dscf1508_2 これは明らかに空き店舗です。新妻屋さんの少し北のところです。

Dscf1509 そして信号のところ、これは「貸店舗」の表示がついていました。

  

結局、駅前通りに面している明らかに空き店舗と思われるものは、四つだけ、そのうち「貸店舗」表示のあったのは一軒だけでした。

そうなんです、駅前通りに空き店舗はとても少ないのです。

既に、多くの空き店舗は民間によって再開発され、駐車場、ビジネスホテル、日帰り温泉、マンションなどに姿を変えてしまっているのです。

   

面白いですね、高木前橋市長は、空き店舗のほとんどないところに、空き店舗対策の事業を拡大したのです。

   

そして、もう一つ、この事業がとても利用しにくいと言うことについてもお話しておく必要があります。

  

この制度では、120万円を上限とする補助金を希望するために、次の書類を整える必要があります。

  (1)交付申請書
  (2)事業計画書
  (3)収支予算書
  (4)資金計画書
  (5)その他必要書類
     ・経歴等がわかるもの
       (個人では履歴書等、会社においては業務履歴など)
     ・取得免許等の写し
      (取得中の場合はその旨がわかるもの)
     ・完納証明書等
      (市町村民税等必要な納税について滞納がないことがわかるもの)
     ・店舗の契約書の写し、または仮契約書に準じる書類の写し
      (締結済みの場合)
     ・改装工事に関する図面、店舗レイアウト
      ・その他、出店のPRになるような資料

    

私の友人は、専門家の手を借りて、これだけの書類を作って申請しました。

そうしたら、「審査」で落とされ、補助金なしで出店しました。今もやっています。

そうなんです、難しい審査があって、明確でない基準(前出の市の募集案内の「審査」の項を見てください)で振り落とされるんです。

   

この事業が、いかほどの効果を挙げているか、その実績が公表されていませんので分かりません。

でも、先月、この制度を利用して出店した飲食店が閉店しました。

経営者は、どこかに行ってしまいました。

     

Dscf1488

これは、昔日本相互銀行があったところ、銀座通り、銀行が引っ越したあと、大手流通業者の「丸井」が出店し、そして今は空き地です。

空き店舗も問題なのですが、空き地はもっと問題なのです。

中心商業地の千代田町には、空き店舗と空き地がいっぱいあります。

いっぱいあるところで、あまり効果を発揮してこなかった制度を、あまりないところに拡大しても意味のないことだと思います。

   

イトーヨーカドー前橋店の閉店が決まって、何もしないでいるのでは格好がつかないかもしれません。

でも、この程度のことをやって、対策をしていますと言うのであれば、嘘つきだと思います。  

イトーヨーカドーが撤退した後に残る曽我製粉の空きビル対策のためだということは誰にも分かります

だとすれば、国領のサティーにも適用しなくては片手落ちってもんではないでしょうか。

   

いずれにしても、大きな効果の期待できない「熱血店舗開店支援事業」なのです。

   

「イトーヨーカドーが閉店する前橋を考える」

第1回は3月21日「百貨店の消えた街」、

「第2回は3月24日「前橋の中心はスズラン百貨店」、

第3回は3月28日「大手流通業者に食い荒らされた街」、

第4回は4月9日「たった23年のヨーカドー、まちには50年以上続く店がたくさんあるぞ」、

第5回は4月18日「前橋サティーの閉店」、

第6回は4月27日「熱血店舗開店支援事業をイトーヨーカドーが撤退した曽我のビルに適用するの?」です。

第7回は5月12日「市民を惑わす前橋街づくり協議会の「駅周辺再生」提案」

全部をお読みになりたい方はコチラからどうぞ