今夜(4月29日)、前橋市第2コミュニティーセンターで、前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会の報告会が開かれました。
ヒゲクマも、ちゃんと出席してお話を聞いてきましたので、レポートを書きま。
前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会は、昨年の3月に中川地区と城東地区の15自治会が集まって作った市民運動組織です。
宮崎病院長と高木政夫前橋市長の移転方針に疑問を呈し、現在地でも建て替えが可能なことを明らかにしてゆこうとしてきました。
今日の報告会は、その一年間の活動と、現在の状況を報告するために開かれました。
今日の「報告会」で配られた「前橋赤十字病院建て替え問題・主な経過」です。クリックするとポップアップ画面で読めます。
「報告会」の冒頭、協議会の青木会長(中川地区自治会連合会長)は、「現在、協議会には市内の77自治会が参加している」「(移転論者であった)宮崎院長も『現在地でも良いです』と言い出している」「しかし、新しい困難に直面している…」と挨拶しました。
今、どのような困難に直面しているのかについて、事務局の報告と、前橋赤十字病院建築検討委員会委員の狩野浩志群馬県議会議員の報告から、まとめてみます。
① 09年3月26日、病院主宰の説明会で宮崎院長は、1万5千名の署名も市議会の移転反対の請願採択も無視して、「現在地での協力が得られないので移転建て替えを考えている」と説明し、出席者の不信を買った。
② この院長の説明に危機感を抱いた地元は、3月28日に前橋赤十字病院現在地建て替え推進協議会をつくり、市内の自治会に参加を呼びかけるとともに、、県、市、日赤への働きかけ、住民へのPR活動を続けてきた。
③ 日本赤十字社群馬県支部長・大沢正明群馬県知事は、6月に「現在地建て替えの是非を検討するため、第三者組織を新設する」ことを決め、11月に「前橋赤十字病院建築検討委員会」(以下「検討委」)が設置された。この委員会に、協議会の役員2名がオブザーバーとして参加。
④ 協議会は、「なぜ私たちは現在地の建て替えを望むのか」(下の写真)を委員会に提出した。
(この資料は少し長文ですが、全文写真掲載します。クリックしてポップアップ画面で読んでください。)
⑤ 検討委に対して、事務局から現在の赤十字病院の敷地の中で立替を行うプランが提出され議論されてきた。ただし、解決しなければならない問題がたくさんあることがわかった。
第一に病院の診療を継続しながら建て替えなくてはならない、第二に既存建物を壊してそこに新しい建物を作り病院機能を移す、この繰り返しを4回やらねばならず、工期が6年以上になる、第三に、敷地北側は3階建てが上限で高層化できない、第4に病院が目指す将来の病院機能を担保できなくなる可能性がある、等々の問題が検討委の議論で明らかになった。
⑥ このままでは、現在地建て替えが困難になる可能性を感じた協議会は、敷地を国道50号線まで拡張し、高層化できる新しい建物の建設用地を確保して立替を行う案(D案)を提起した。
図で分かるとおり、赤十字病院と国道50号線の間にある9,920㎡のブロック(もちろん民有地で商店や住宅がある)を加え、そこに、地上11階地下1階の新病院を建設する案である。
この案は、概算事業費200億~220億円(用地費は含まず)、工期は4年とのことだ。
⑦ 4月13日の検討委でこのD案の検討を行ったところ、「地権者の協力等、現実化できるのかどうか」が最大の問題とされた。そこで、協議会は、17日に地権者に説明をおっこない、アンケートを依頼した。
⑧ D案は、地権者の了解を得て作られたものでなく、また事業主体の病院の資金調達の可能性についても議論はされていないものである。したがって、17日の地権者への説明は、まずは謝罪から始まったという。
⑨ 協議会は、地権者のアンケートの集約ができ次第、「要望」を取りまとめ、検討委に提出したい。
以上が、報告の要旨であります。
小児医療センターで仕事をしていたとき、放射線棟の増築工事を診療を続けながらやった経験があります。
増築だって大変なのですから、全面的な建て替え工事を診療を継続しながら行うことは簡単なことではありません。
でも、そういう困難を克服してでも、現在地での建て替えが必要だと、このまちの人の多くは考えているのです。
協議会の要望のD案は、他の案に比べて、そういう困難を小さくする効果は大きいと思います。
でも、地権者の皆さんの協力を得るの簡単なことではないと思います。
協議会は勇気ある選択をしたと思います。
黛副会長(ヒゲクマの町内の自治会長です)の閉会の挨拶は、踏み出した一歩についての決意表明でした。
会場を出て階段を下りていたら、若い方に声をかけられました。
「ヒゲクマさんではないですか?」
「はい、ひげくまです」
「ブログを読ませていただいてます」
「ありがとうございます。難しい状況になってしまって…」
「私も地権者の一人なんです…」
「そうですか…」
お名前もお聞きせずに、失礼申し上げました。お許しください。
でも、行政でも、日赤でもなく、市民が答えを出そうとしています。
その答えは、苦渋に満ちています。
行政がきちんとした仕事をしてこなかったつけを市民が払おうとしています。
でも、その負担は肩に重いです。
5月にはいると、地権者の皆さんの意向が集約されてきます。
また、新しい展開になると思います。
でも、市長と市役所は何してるんだろう、みんながこんなに汗かいているのに…
足元でコトコト音がするので見ると、キキがマタタビの棒で遊んでいました。
<追記>今朝(4月30日)の朝日新聞に報告会の記事がありました。
ヒゲクマは、昨年の春から日赤病院の問題について、書き続けてきました。
まずは、前橋SNSに3回にわたって書きました。
このブログでは次の四つの記事が主なものです。
09年8月21日「前橋赤十字病院移転問題を考える一日でした」、
10年1月8日「前橋赤十字病院の移転問題はやっと正常な方向に舵が切られたみたい」
今夜は、普通の記事とは別にこの記事をアップしました。
通常のは一つ前「キンメイチクのタケノコとシシ肉、「みちした」の行平の柄、「報告会」に出かけました」です。コチラもよろしく。