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ひと・しずおか:民族楽器「コムズ」奏者、カリマン・ウメトバエワさん /静岡(毎日新聞)

2011-06-19 00:00:00 | その他のニュース
ひと・しずおか:民族楽器「コムズ」奏者、カリマン・ウメトバエワさん /静岡

 ◇演奏通じキルギスの理解図る--カリマン・ウメトバエワさん(37)
 中央アジア・キルギスの首都ビシケクで生まれた。8歳の時、姉に誘われ民族楽器を学ぶ町のクラブに行き、伝統的な弦楽器コムズに夢中になった。以来、コムズ一筋にわき目もふらず音楽大学まで進み、後進の指導にもあたった。

 ある時、音楽以外の世界をのぞいてみたいと思い立った。友人に誘われ、国際協力機構(JICA)とキルギス政府が設立した「日本人材開発センター」の無料日本語教室に通い始めた。03年、母国で開かれた日本語弁論大会で全国1位に。「過度な自己顕示を避け、慎み深さを尊ぶ日本の文化は、とても美しい。キルギスと似ています」という。

 04年に研修生として大阪市にやってきた。4カ月間、勉強の一方、コムズを紹介するために大阪や東京で演奏した。関心の中心はコムズと日本。何とかこの二つを結び付けたいと考えた。文部科学省の奨学金を得て、07年に東京芸術大音楽学部の研究生として2度目の来日を果たした。キルギスには口にくわえて音を出す口琴という伝統楽器がある。これと似た楽器をアイヌの人々が用いていることを知り、修士論文を書いた。今は博士課程で勉強を続けながら、公開講座などで日本人にコムズを教えている。

 ビシケクでJICAのボランティアとして活動していた日本人7人にコムズを教え、アンサンブル「サフナグル」(花舞台)を結成した。やがてメンバーは帰国したが、来月16日、そのうちの一人、石阪由美子さんとともに浜松市楽器博物館のステージに立つ。

 キルギスの人々の風貌は日本人と似ている。しかし元来は遊牧の民で、その伝統文化が日本で紹介される機会は少ない。アンズの木などから作られるコムズは3弦の細長いひょうたん形の弦楽器。故郷で80歳の女性が歌うのを聴き感動して覚えた「ブルルチャちゃんのブランコ」など、無伴奏の歌も歌う予定だ。

 「浜松の楽器博物館の展示は素晴らしい。けれどキルギスの楽器がなかったのは残念。去年、館長に四つほどお渡したので、今回は世界の楽器と一緒にコムズが並んでいるのを見るのが楽しみです」。コンサートを通じ、キルギスへの理解が広がることが、とてもうれしい。【高橋龍介】

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 アンサンブル「サフナグル」のコンサートは浜松市楽器博物館天空ホールで7月16日18時半開演。一般2000円、学生1000円。問い合わせは同館053・451・1128。

毎日新聞 2011年6月19日 地方版

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110619ddlk22070132000c.html


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