アイヌ民族関連報道クリップ

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アイヌ民族発言 議員の見識が問われる(北海道新聞)

2014-11-13 00:00:00 | 事件・差別問題・領土問題など
アイヌ民族発言 議員の見識が問われる(11/13)
 またも、道内の議員から驚くべき発言が飛び出した。

 自民党・道民会議に所属する小野寺秀(まさる)道議が、道議会決算特別委員会で「アイヌが先住民族かどうかは非常に疑念がある」と質問したのである。

 小野寺氏の持論なのだろうが、2008年6月に衆参両院が「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を自民党を含む全会一致で可決したことを、よもや忘れてはいまい。

 決議を受けて当時の町村信孝官房長官が談話を発表し、政府として先住民族との認識を示した。

 これだけの経緯がありながら、なお疑念があるというのなら、小野寺氏には歴史的、科学的根拠を示してもらいたい。

 確かに議員は議会で自由に発言する権利が保障されている。だからといって、空論をかざしては有権者の負託に応えているとは言えまい。

 司法の立場からアイヌ民族を初めて先住民族と認めたのは、1997年の二風谷ダム訴訟判決だ。

 その中で札幌地裁は「わが国の統治が及ぶ前から主として北海道に居住し、先住民族に該当する」と明快な判断を示した。

 それ以降、行政府、立法府がそろって認めるに至った。揺らぐ余地はない。

 なのになぜ、アイヌ民族の尊厳を傷つける発言が議員から出てくるのか。

 8月にも札幌市の金子快之(やすゆき)市議が短文投稿サイト「ツイッター」に「アイヌ民族なんて、いまはもういない」などと書き込んで批判を浴びた。

 自民党から除名され、市議会で議員辞職勧告決議を受けたのは記憶に新しい。

 問題発言が相次ぐ背景には、歴史を直視しようとする意識の薄さがあるのではないだろうか。

 国会決議は「アイヌの人々が差別され、貧窮を余儀なくされた歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない」と訴えた。

 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」は、国の同化政策がアイヌ文化に深刻な打撃を与えたことを報告書に明記したうえで「国に(文化振興の)強い責任がある」と求めた。

 こうした言葉の重みを、いま一度かみしめてもらいたい。

 歴史を見つめなければ未来を創ることはできない。文化や民族の多様性を認めなければ社会を語れない。議員こそ、未来や社会のあり方に敏感であらねばならない。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/574116.html


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