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キングサーモンの捕獲権を断った先住民族(The Voice of Russia)

2013-01-08 00:00:00 | 先住民族関連
キングサーモンの捕獲権を断った先住民族

タグ: カムチャッカ, 解説, 国内, 社会・歴史
M プリャミツィナ
8.01.2013, 14:5

カムチャッカ半島の先住民族はキングサーモンの捕獲割当量を拒否した。先住民族らはこれによってキングサーモンの生息数を維持したい意向。

カムチャッカ半島はフィッシングの天国として有名。海で川でフィッシングを楽しもうと世界中からツーリストらが集まってくる。海には多くの種類の軟体動物、貝、魚があふれているが、河川、湖の魚の数も少なくない。

そのなかの1種、キングサーモンは太平洋で取れる鮭のなかでは最大級で、世界のフィッシャーマンたちの憧れの的となっている。大きさだけでなく、味がよく、カムチャッカで獲れるものは6-17キロにも達する。ところが昨今、キングサーモンの数が一貫して減少する傾向にある。キングサーモンに最も目をつけているのは密猟者らだ。長い冬があけたあと、キングサーモンは産卵のために川に戻ってくる。このためカムチャッカの漁師たちはキングサーモンを釣り上げるというのはとてもラッキーなことだとされている。

2012年、カムチャッカ半島に生息するキングサーモンの数は極端に落ち込み、水産業での捕獲が禁じられるまでにいたった。許可された捕獲量はたった50トン。ところが北方、シベリア、極東カムチャッカ地方の少数民族らは自分たちにはキングサーモンの捕獲権を約束されていると主張を展開した。

カムチャッカ地方にはおよそ1万5000人の先住民族が暮らしている。この数値はカムチャッカ全体の4%強にあたる。アレウト族、イテリメン族、カムチャダル族、コリャーク族、チュクチ族、エヴェンキ族をはじめとする先住民族は今日に至るまで先祖代々受け継がれてきた風習を守り続けている。彼らの昔からの生業は狩猟、トナカイの放牧、漁業であり、こうした先住民族に漁獲割当を行なうことは法律で約束されている。ところが割り当てられているだけの漁獲を許可すれば、フィッシングを目的とした観光は完全に閉鎖に追い込まれてしまう。ところがこのフィッシング観光は産業としての漁業が不足するカムチャッカの辺境においては、その社会、経済発展の基幹となるものだ。

このため状況をかんがみて先住民族のなかにはキングサーモンの捕獲権を自主的に退けるものが出てきている。彼らはこうすることによって、キングサーモンの生息数を維持し、地域の観光振興に役立てたいと望んでいる。キングサーモンの捕獲を退けても、川や湖には他の魚がたくさん生息しているため、魚の摂取自体には何の問題も生じない。

http://japanese.ruvr.ru/2013_01_08/100391263/


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