アイヌ民族関連報道クリップ

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★NEWSの窓:科学 日本人のルーツ アイヌ民族は琉球人に近い (毎日小学生新聞)

2012-11-03 00:00:00 | その他のニュース
NEWSの窓:科学 日本人のルーツ アイヌ民族は琉球人に近い
毎日小学生新聞 2012年11月03日

 ◇毎日新聞論説委員(まいにちしんぶんろんせついいん)・青野由利(あおのゆり)
 私(わたし)たち日本人(にっぽんじん)の祖先(そせん)はどこからきたのか。繰(く)り返(かえ)し話題(わだい)になりますが、そのつど、興味(きょうみ)をそそられます。

 最近(さいきん)の話題(わだい)は、「北海道(ほっかいどう)のアイヌ民族(みんぞく)と沖縄(おきなわ)(琉球(りゅうきゅう))の人(ひと)は遺伝的(いでんてき)に近(ちか)い」というDNA解析(かいせき)による研究成果(けんきゅうせいか)。日本(にっぽん)の研究(けんきゅう)グループと、マレーシアからきた留学生(りゅうがくせい)が共同(きょうどう)で明(あき)らかにしました。

 実(じつ)はこの成果(せいか)は、意外(いがい)なものではありません。日本人(にっぽんじん)の祖先(そせん)については、そもそも、次(つぎ)のような説(せつ)が有力(ゆうりょく)だからです。

 「日本列島(にほんれっとう)には旧石器時代(きゅうせっきじだい)から縄文人(じょうもんじん)が住(す)んでいた。その後(ご)、弥生時代(やよいじだい)になって大陸(たいりく)から渡来人(とらいじん)がやってきた。日本(にっぽん)の本土(ほんど)では縄文人(じょうもんじん)と弥生人(やよいじん)の混血(こんけつ)が進(すす)んだが、北海道(ほっかいどう)と沖縄(おきなわ)ではあまり進(すす)まず、縄文人(じょうもんじん)の遺伝子(いでんし)が色濃(いろこ)く残(のこ)った」

 今回(こんかい)は、個人差(こじんさ)のある遺伝子型(いでんしがた)をたくさん分析(ぶんせき)したところ、この説(せつ)を裏付(うらづ)けるような結果(けっか)が得(え)られたというのです。

 この説(せつ)は「二重構造(にじゅうこうぞう)モデル」と呼(よ)ばれますが、その発端(ほったん)は約(やく)100年前(ねんまえ)にさかのぼります。当時(とうじ)、東大(とうだい)のおかかえ医師(いし)だったベルツさんが、「アイヌ民族(みんぞく)と沖縄(おきなわ)の人(ひと)は遺伝的(いでんてき)に同(おな)じ系統(けいとう)」という考(かんが)えを提案(ていあん)したのです。一方(いっぽう)、大森貝塚(おおもりかいづか)の発見(はっけん)で知(し)られるモースさんや、長崎(ながさき)・出島(でじま)のオランダ商館医(しょうかんい)を務(つと)めたシーボルトさんは別(べつ)の説(せつ)を唱(とな)えましたが、生(い)き残(のこ)ったのはベルツさんの流(なが)れをくむ説(せつ)だったのです。

 今回(こんかい)の遺伝子解析結果(いでんしかいせきけっか)で興味深(きょうみぶか)いのは、アイヌの人(ひと)から見(み)ると、本土(ほんど)の日本人(にっぽんじん)より沖縄(おきなわ)の人(ひと)の方(ほう)が遺伝的(いでんてき)に近(ちか)いこと。さらに、本土人(ほんどじん)から見(み)ると、アイヌ民族(みんぞく)より韓国人(かんこくじん)の方(ほう)が遺伝的(いでんてき)に近(ちか)いということです。

 こんな話(はなし)を聞(き)いていると、アフリカで誕生(たんじょう)した人類(じんるい)の祖先(そせん)が、長(なが)い年月(ねんげつ)をかけてやってきたはるかな道(みち)のりが思(おも)い浮(う)かびます。

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 科学記者歴(かがくきしゃれき)は20年(ねん)とちょっと。好(す)きな分野(ぶんや)は、生命科学(せいめいかがく)と天文学(てんもんがく)。大学(だいがく)では薬学(やくがく)と心理学(しんりがく)を学(まな)んだが、小学生(しょうがくせい)のころ、将来(しょうらい)の夢(ゆめ)は天文学者(てんもんがくしゃ)だった。東京生(とうきょうう)まれの東京育(とうきょうそだ)ち。


http://mainichi.jp/feature/maisho/news/20121103kei00s00s007000c.html


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