アイヌ民族関連報道クリップ

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◆蝦夷はアイヌ民族?札医大と東北大解明へ 人骨600体の形やDNA比較【北海道新聞】

2005-06-12 08:03:00 | アイヌ民族関連
◆蝦夷はアイヌ民族? 日本書紀記す東北の民 札医大と東北大解明へ 人骨600体の形やDNA比較  2005/06/12 08:03【北海道新聞】
 古代の東北地方に広く住んでいた「蝦夷(えみし)」はアイヌ民族か和人か-。これまで文献や遺跡などから類推するしかなかった民族の帰属を科学的に解明するため、札医大は本年度から三年間、東北大と協力して共同研究を行う。最近十年で東北地方で人骨の発掘・収集が進んだ
ことから、両大学合わせて六百体以上の人骨の形状やDNAを比較調査し、検証する。
  日本列島に住む民族の起源は、札医大助教授だった人類学者の故埴原(はにはら)和郎氏が一九九一年に提唱した「二重構造モデル」が最も有力な仮説とされる。
 《1》約三万年前の旧石器から縄文時代にかけ、日本列島には東南アジア系の縄文人がいた《2》弥生時代から約千年にわたり大量の北東アジア系の弥生人が流入《3》弥生系の人々が西日本に、縄文系と弥生系の混血度が強い人々が東日本に定着し、縄文系の人々がアイヌ民族と沖
縄の琉球人として残った-という考え方だ。
 日本書紀は、蝦夷を大和朝廷の征服の動きに対抗する東方の異民族として記しているが、記述が事実をどこまで反映しているか定かでない。これまで蝦夷について、こうしたあいまいな過去の文献資料や、遺跡や遺物などから文化的な流れを類推する考古学的手法に頼ることが多かっ
た。
 このため、蝦夷のルーツに関する学説は、アイヌ民族とする「蝦夷アイヌ説」や、和人の一部とする「蝦夷辺民説」などに分かれているほか、アイヌ民族と和人のいずれにも属さないという考え方もあり、統一されていない。
 共同研究では人類学的な手法を用い、まとまった数の東北地方の古人骨を初めて調べるのが最大の特徴だ。
 東北は他地域より弥生時代以降の出土人骨が少なかったが、元札医大教授の百々(どど)幸雄氏が九四年に東北大教授(人類学)に就任後、秋田や青森県の遺跡約五十カ所で発掘作業を精力的に進め、約三百体の古人骨を収集したことから、研究に着手することにした。
 今後三年間をかけて、頭蓋(ずがい)骨、両手足の骨、歯の形状や大きさをデータ化するとともに、DNAを抽出して塩基配列を調べるなど、遺伝子レベルの解析も行う。
 札医大で保管する道内で出土した江戸時代以前の三百体近いアイヌ民族の遺骨や縄文時代の古人骨などと比較し、東北地方で出土した人骨に、アイヌ民族との共通要素があるかを解明するという。
 百々教授は「東北地方北部にアイヌ語地名が数多く残るが、実際に住んでいた人々がアイヌ民族だったという証拠はない。調査を通し、歴史の空白を埋めたい」と話す。札医大の松村博文講師(人類学)も「互いに協力して良い成果を出したい」としている。
引用元URL:http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050612&j=0022&k=200506120465

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