今回は役者さんのことを書こうかと思う。
最近、ドランクドラゴンの鈴木(塚地じゃないほう)が、フジの番組「逃走中」で、自首したばかりか、ミッションに参加する奴を罵倒したりとか、その言動があまりに酷いということでツイッターが炎上。本人がツイッターを閉鎖し、「芸能界を辞めたい」と言ったとか言わないとかが話題になっている。
気の毒なことだと思う。
鈴木はそういうへタレキャラ、憎まれ役を演じただけなのに……。
言ってみればプロレスのヒール、悪役を演じたレスラーのブログが炎上するようなもん。
まあ、ヒールなのだから憎まれてなんぼとはいえ。
演出ありのテレビ番組をさもリアル、ガチだと信じる馬鹿の何と多いことか…。
かつて歌舞伎の市川亀治郎(今の猿之助)もこの番組に出て、ろくにミッションにも参加せず、賞金50万を手にし早々に自首。ネット上で散々に叩かれたことがあった。
「最低」「金の亡者」「幻滅した」「二度と呼ぶな」「糞過ぎ」「死んだほうがいい」など……。
2010年の4月に放送されたこの回は長崎のハウステンボスが舞台だった。
2011年1月。同じフジテレビの「ウチくる?」で亀治郎がゲストで出たとき、この時の裏話が暴露された。
「逃走中」のプロデューサーが大学の同期の人間で、出演を頼まれた。当日の午後東京で仕事があると伝えると、「自首すればいいから出て欲しい」と言われたとも。(ちなみに亀ちゃんは慶応大学出身)
何のことはない。最初から自首が決まっていたのだ。(ちなみに捕まると、後で牢の中にいないのが不自然に映るからね)
亀治郎にすれば、舞台で悪役を演じるのと同じつもりで、友だちへの義理を果たそうと出たのかもしれない。
また、当日は博多公演の最中で、博多での芝居が終わった後長崎に移動し、わずかな仮眠の後、深夜から朝にかけて収録し、そのまま次の仕事に向かったという情報もある。
とてもではないがお気楽にテレビに出ていたわけではないのだ。
ところでこの番組、私は台本(シナリオ)があると思っている。
とゆうのは、当初深夜でやっていた「クロノス」の頃は、かなりミッションも単純だったりして、ガチでやっている気配が濃厚だった。
が、スペシャルの2時間番組になってから参加者も多く、ミッションも複雑になった。
中には、失敗するとハンター100体放出、というミッションもあった。
当然100体のハンターがいては最後まで逃げ切れるわけはない。
とゆうことはミッションは成功させねばならない。
100体とはいかないまでも、1分毎に1体放出という回もあった。
これだってミッションが成功しないと、逃走者は最後まで逃げ切れない。
ミッション成功のためには、最低でも3組がチャレンジ、任務を成功させねばならなかったりする。
そんな複雑なミッションが、完全に出場者の自主判断任せで成功できるだろうか?
また逆に、全ての参加者がミッションに参加しても面白くない。
正義感に燃える奴、ずるがしこい奴、卑怯な奴、参加したいけど怖くて出来ない奴……。
いろんな奴がいるから面白いのだ。
つまりそうしたシナリオがあらかじめ組まれていて、スタッフから指示があるとみるのが普通である。
プロレスと同じで、完全ガチ、真剣勝負がいかに面白くないかは、歴史が物語っている。
ハンターだって、ミッション中は、わざとその機械の周りから離れてないと、永遠にミッションは成功できない。
ハンターが誰を捕まえる、捕まえない、あるいは見てみぬふりをするとか、空間をあけておくなどの指示も当然スタッフからなされているだろう。
そして、実はここが重要なのだが、出演者に悪役や善人、成功者、逮捕者があらかじめ決まっているとしたら、当然賞金、すなわち自首や逃げ切ったことに対する成功報酬は、リアルには払われてない、と見るべきだ。だって、逃げ切る人以外の役を演じた人は損じゃないですか。汚名を浴びた上に、ただのギャラしかもらえないんですから。
では、その推測に基づいて、この手の賞金が嘘だとしたら……。(というか、ただでさえ制作費が馬鹿高いのに、この上賞金なんか本当に支払ってたら、番組つぶれますよ、普通は)
「賞金目当てに自主しました」っていう鈴木や亀ちゃんの動機は、そもそも成立しない、ということになりませんか?
(だから鈴木を叩くのは倫理上間違ってるんですよ。あーやっと冒頭につながった)
ちなみに、自分はエキストラをやっていた時に市川亀治郎さんとドラマで共演したことがあります。
エキストラを人間扱いしないスタッフや役者さんも多い中、亀治郎さんは実に丁寧な言葉をかけてくれました。
大河で主役を張る、歌舞伎界のプリンスですよ。エキストラから見たら天地ほど立場の違う人。当然天狗になってもいい立ち位置なのに、そうではないんです。
エキストラに丁寧に対応する役者。
実はそういう人、案外少ないんです。自分の記憶でも数えるほどしかいません。
おまけにものすごい痩せてるし。
もうそれだけで努力家だと分かりますね。
女形をやるだけあって妖艶だし。(ちなみに亀治郎さんはドラマ「JIN-仁-」では中岡慎太郎を。「龍馬伝」では龍馬を斬る刺客を。さらに舞台では龍馬の妻であるお龍を演じたことがあるそうです。やってないのは龍馬だけ)
そんな亀ちゃん、もとい、市川猿之助さんが50万のはした金(歌舞伎の舞台衣装って一着でン百万とかするんだよね。もう庶民とは桁違いの世界)に目がくらんで自首?
まああり得ませんね。考えられません。
舞台では本当に、一歩間違ったら大怪我をしかねない、死ぬかもしれない。そんなアクロバティックな動きもあるのです。
まさに歌舞伎に命をかけている。
従兄弟にあたる香川照之さんも別の意味で凄い役者ですが……。
以上、まだまだ誤解されているようなので、余計ながら弁護する次第。
最近、ドランクドラゴンの鈴木(塚地じゃないほう)が、フジの番組「逃走中」で、自首したばかりか、ミッションに参加する奴を罵倒したりとか、その言動があまりに酷いということでツイッターが炎上。本人がツイッターを閉鎖し、「芸能界を辞めたい」と言ったとか言わないとかが話題になっている。
気の毒なことだと思う。
鈴木はそういうへタレキャラ、憎まれ役を演じただけなのに……。
言ってみればプロレスのヒール、悪役を演じたレスラーのブログが炎上するようなもん。
まあ、ヒールなのだから憎まれてなんぼとはいえ。
演出ありのテレビ番組をさもリアル、ガチだと信じる馬鹿の何と多いことか…。
かつて歌舞伎の市川亀治郎(今の猿之助)もこの番組に出て、ろくにミッションにも参加せず、賞金50万を手にし早々に自首。ネット上で散々に叩かれたことがあった。
「最低」「金の亡者」「幻滅した」「二度と呼ぶな」「糞過ぎ」「死んだほうがいい」など……。
2010年の4月に放送されたこの回は長崎のハウステンボスが舞台だった。
2011年1月。同じフジテレビの「ウチくる?」で亀治郎がゲストで出たとき、この時の裏話が暴露された。
「逃走中」のプロデューサーが大学の同期の人間で、出演を頼まれた。当日の午後東京で仕事があると伝えると、「自首すればいいから出て欲しい」と言われたとも。(ちなみに亀ちゃんは慶応大学出身)
何のことはない。最初から自首が決まっていたのだ。(ちなみに捕まると、後で牢の中にいないのが不自然に映るからね)
亀治郎にすれば、舞台で悪役を演じるのと同じつもりで、友だちへの義理を果たそうと出たのかもしれない。
また、当日は博多公演の最中で、博多での芝居が終わった後長崎に移動し、わずかな仮眠の後、深夜から朝にかけて収録し、そのまま次の仕事に向かったという情報もある。
とてもではないがお気楽にテレビに出ていたわけではないのだ。
ところでこの番組、私は台本(シナリオ)があると思っている。
とゆうのは、当初深夜でやっていた「クロノス」の頃は、かなりミッションも単純だったりして、ガチでやっている気配が濃厚だった。
が、スペシャルの2時間番組になってから参加者も多く、ミッションも複雑になった。
中には、失敗するとハンター100体放出、というミッションもあった。
当然100体のハンターがいては最後まで逃げ切れるわけはない。
とゆうことはミッションは成功させねばならない。
100体とはいかないまでも、1分毎に1体放出という回もあった。
これだってミッションが成功しないと、逃走者は最後まで逃げ切れない。
ミッション成功のためには、最低でも3組がチャレンジ、任務を成功させねばならなかったりする。
そんな複雑なミッションが、完全に出場者の自主判断任せで成功できるだろうか?
また逆に、全ての参加者がミッションに参加しても面白くない。
正義感に燃える奴、ずるがしこい奴、卑怯な奴、参加したいけど怖くて出来ない奴……。
いろんな奴がいるから面白いのだ。
つまりそうしたシナリオがあらかじめ組まれていて、スタッフから指示があるとみるのが普通である。
プロレスと同じで、完全ガチ、真剣勝負がいかに面白くないかは、歴史が物語っている。
ハンターだって、ミッション中は、わざとその機械の周りから離れてないと、永遠にミッションは成功できない。
ハンターが誰を捕まえる、捕まえない、あるいは見てみぬふりをするとか、空間をあけておくなどの指示も当然スタッフからなされているだろう。
そして、実はここが重要なのだが、出演者に悪役や善人、成功者、逮捕者があらかじめ決まっているとしたら、当然賞金、すなわち自首や逃げ切ったことに対する成功報酬は、リアルには払われてない、と見るべきだ。だって、逃げ切る人以外の役を演じた人は損じゃないですか。汚名を浴びた上に、ただのギャラしかもらえないんですから。
では、その推測に基づいて、この手の賞金が嘘だとしたら……。(というか、ただでさえ制作費が馬鹿高いのに、この上賞金なんか本当に支払ってたら、番組つぶれますよ、普通は)
「賞金目当てに自主しました」っていう鈴木や亀ちゃんの動機は、そもそも成立しない、ということになりませんか?
(だから鈴木を叩くのは倫理上間違ってるんですよ。あーやっと冒頭につながった)
ちなみに、自分はエキストラをやっていた時に市川亀治郎さんとドラマで共演したことがあります。
エキストラを人間扱いしないスタッフや役者さんも多い中、亀治郎さんは実に丁寧な言葉をかけてくれました。
大河で主役を張る、歌舞伎界のプリンスですよ。エキストラから見たら天地ほど立場の違う人。当然天狗になってもいい立ち位置なのに、そうではないんです。
エキストラに丁寧に対応する役者。
実はそういう人、案外少ないんです。自分の記憶でも数えるほどしかいません。
おまけにものすごい痩せてるし。
もうそれだけで努力家だと分かりますね。
女形をやるだけあって妖艶だし。(ちなみに亀治郎さんはドラマ「JIN-仁-」では中岡慎太郎を。「龍馬伝」では龍馬を斬る刺客を。さらに舞台では龍馬の妻であるお龍を演じたことがあるそうです。やってないのは龍馬だけ)
そんな亀ちゃん、もとい、市川猿之助さんが50万のはした金(歌舞伎の舞台衣装って一着でン百万とかするんだよね。もう庶民とは桁違いの世界)に目がくらんで自首?
まああり得ませんね。考えられません。
舞台では本当に、一歩間違ったら大怪我をしかねない、死ぬかもしれない。そんなアクロバティックな動きもあるのです。
まさに歌舞伎に命をかけている。
従兄弟にあたる香川照之さんも別の意味で凄い役者ですが……。
以上、まだまだ誤解されているようなので、余計ながら弁護する次第。