~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

愛読書♪

2013年06月03日 | 本の紹介いろいろ

また、読んでます。
私の愛読書と言えるでしょうね。

井上靖 『蒼き狼』

こういう生の息吹を感じる壮大な歴史ロマン!のようなものが大好きで、
小さな世界からポンっと抜け出すような気持ちで、大陸を疾風のごとく馬にのって駆け巡る~気分を味わうのです

本はいい。
まったく気分が変わる。
脳みそが甦るように思える。
色彩も豊かになって、実にいい気分になります。
簡単に言うなら、ハイになるのです

もう、何十回も読んでるので、好きなシーンは声に出しても読んでしまいます。

大好きな本を読むと、それを伝えたくなるのは、
これは、私の性分です
ストーリーテラーとしては、良い癖ですね。

今は、この話を、読書塾の中学生諸君にしています。
それから、学校訪問で、小学校の高学年生には、かっこいいチンギスカンという話ですることもあります。
話しすぎると、他の時間が無くなってしまうので、ほどほどを心がけていますが、
好きな本のことを語るときは、夢中で語ってしまいますから、
そうして、時間をたくさん使ってしまった後、私の逃げの台詞としては、
「これも、パーソナル語りといいます!」

しかし、私が、小中高生の頃よく読んだ本を話題にして、そのことで最初から盛り上がるほど、
子どもたちと読んでいる本が重なることはほとんどありません。
本当に寂しいことです。
『西遊記』や『水滸伝』も、日本もので『南総里見八犬伝』、児童書の分野か、『十五少年漂流記』など、
心躍るくらいワクワクドキドキするのに、読んでいない子どもたちがほとんどです。

でも、話はよく聞きます。面白いのがすぐわかるのです。
本の楽しさを伝えるのは、それほど難しくはないのです。
ただ、読む機会を得る、その時間を得ることを進んで作ることは、無意識ではできず、
努力しなければ作れない。そんな状況です。

中高生に愛読書はなんですか?
という質問は投げかけられるものだろうか?
目を輝かせて、それを教えてくれるだろうか?

読書は、まず、文字、文章に出会い、記憶と心の奥に留まり育ち、見果てぬ世界が広がります。
そこから得る深い感動は、知らぬ間に体に染みつきます。
そんな体験をたくさんしてほしいのですが、
今は、その機会が、子どもたちの大切な時間から奪われてしまっているように思います。

スマホや携帯はいつでも手に取る距離にあり、本はそうではないということです。

なぜ、そんな風な時代になっちゃったのでしょうねぇ。
情報を得る、情報を発信する、近況を報告する、それに応える、みんなそんなにスピーディーな方がいいですか?
小さな機械を見つめ下を向きながら歩き、まっすぐ前を向いて歩いている人が避けざるを得ないのも普通のこと、
景色を眺めるより、下を向く方がいいのですか?


細胞が若い諸君には、私は、安易に情報を得てほしくないと思っています。
チョンと検索して得られたり、チョンとそういうツールでつながったり、
つながっているのか、気がかりなのか、そんなに一度にいろいろしなくていい。

自分の足で歩ける範囲で、採取し、知恵を出して発見し、吟味し、考えて、やっとのことで得てほしい。
じっくり、ゆっくり、揺れないでいるには、余計なことには触れないことも大切だと思います。

その手で、しっかりページをめくって本を読んでほしい。
どんなにたくさんの名作品がスマホやPCで見られて読めても、
本で読むのとは違います。

音読したらわかります。
どちらが読みやすいですか?
どちらが間をあけて読めますか?
難しい漢字や言葉が出てきたとき、前後の文脈からどちらが想像できますか?
まとまりとして説得力があるのはどちらですか?

本は眺めていられるものではありません。
読むのと、見るのとは違います。



私の本棚のことですが、非常に古ぼけたもので、
その昔「ブリタニカ百科事典」がぎっしり詰まっていたものです。
すごく丈夫なので、ずっと使っています。

そして、その中にある本も、古いものが多いです。
確かに、私が高校生の頃買ったものくらいからのものが一番多いですから。

でも、読みたい時にそこに在ってくれるのはいいです。

私の場合、スマホを持つより、文庫を持つ方が持ちやすいです

せめて、中高生はそうである人が多いといいなと思います。

これからの季節、また、読み返すだろう本です。
高校生の時からの愛読書。

 ・小林秀雄『無常ということ』
 ・外尾悦郎『バルセロナ石彫り修業』
 ・夏目漱石『それから』『伊豆の踊子』『こころ』
 ・太宰治『人間失格』

ず~っと読んできて、なぜ、こうも好きなんだろうと思うと、
まずは、この難しさ、人と自然の息遣いと空気感、それからどの本にも、色が浮かぶ。
何度読んでも、自分の歳と共に、もっと深く美しくなっていく。何度読んでも飽きるということがない。
何度読んでも、深く心が動く。


若者たちに、たくさんの良い本に出会ってほしい。
人生の友となるような、そんな本。

心から願っています。
そこに力を注いでいきたいです

学校訪問、語り授業、がんばるぞ!













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