~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

「あとみよそわか」

2009年03月06日 | 本の紹介いろいろ
久しぶりに読み返した本があります。

 幸田 文作『父・こんなこと』 

数日前の朝刊で、目に飛び込んできた文字
「あとみよそわか」
この言葉にピンと反応してしまい、すぐ書棚からひっぱりだしてきました。

幸田文が、父である大文学者の幸田露伴のことを書いた
『父・こんなこと』の中に「あとみよそわか」は、書かれています。

「あとみよそわか」の「あとみよ」は「跡を見て、もう一度確認せよ」、「そわか」は成就を意味する梵語だといいます。

本の中には、父、露伴から、掃除の徹底的な仕方を教えられたことが少し滑稽に書かれています。
ある日、掃除で「よーし」と返事をもらった後に、付け加えられたのがこの「あとみよそわか」という言葉です。

本文には、
「女は、ごみっぽいもんだから、もういいと思ってからももう一度よく、呪文をとなえて見るんだ」と言った。
と書いてあります。

「あとみよそわか」・・・。一時はよく唱えていたんですけどね。
すっかり忘れていました。

心を込めて、丁寧に仕事をする。
一日のうちで一番大事な仕事は、身の回りをきれいにしっかり掃除をすることかもしれません。
それなくして、何も言える事はないのです。

忙しいという言葉は、使ってはいけない言葉かもしれません。
嫌な字です。確かに。
とても便利で何かを後回しにしてしまう言葉です。

久しぶりの「あとみよそわか」に反省しました。

私も父からの教え。
「掃除をして心を磨け」
掃除をしないと心が磨かれないのかもしれません。

「あとみよそわか、あとみよそわか」
もう一度。




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