~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

誰もいない野池

2008年05月19日 | 日々徒然
久しぶりに野池に散歩に行きました。

うわぁと緑の量がまして、気持ちのよい風が吹いていました。

でも、この間来た時と何か様子が違っています。
来ればいつでも会えた、カルガモさんの姿がまったく見えません。
シーンとしています。
「どこに行っちゃたんだろう。みんなつがいで楽しそうにしてたのに・・・。」
しばらく佇んでいると、一羽だけカルガモが残っているようで、低い鳴き声が聞こえます。ものすごく低く響いていて、誰かを呼んでいるような、寂しそうな声に聞こえます。私の気持ちがそうなのかもしれませんが・・・。
ふと、「そうだ、子育ての最中かな?もう少ししたら、コガモを連れてくるのかな?みんな群れて、きっと巣の在る方へ行ったんだ。ここには、遊びに来ているだけってグリーントラストのおじさんが言ってたな。」と思いました。
本当はどうかわかりません。

帰り道、久しぶりに、前にブログで書いた名前も知らない友達のおばあさんに会いました。
「こんにちは。随分陽気が良くなりました。お元気でしたか?」
というと、予想していた通り
「本当に幸せ。毎日歩いてここに来るのが楽しみだからね。これが生き甲斐だから」と。
私が、「今日はカルガモいないですね。どこに行っちゃったんでしょうね。」というと、
「さあ、そういう時もあるでしょう。興味もってないから。興味持ったって自然のことだからねぇ。私は、ただ、緑を見に来て、幸せだなぁと思うだけだから。」
とあっさり言うのです。
その時、ここへ、10年以上、脚のために日課にして欠かさず散歩に来ているおばあさんのこの言葉が、何か、とても味のある言葉に聞こえました。
10年の、野池の自然をずっと静かに眺めてきたおばあさんの歴史を感じてしまいました。
「緑を見に来ているだけ」ということばに、この野池の自然の営みが、おばあさんの自然な生活の一部として同化しているんだなと思えたのです。
そう「自然のこと」です。

自然は、破壊されない限り繰り返しの営みの中で続いていきます。命を繋いでいくものです。
だから、また来ればいい。自然の流れでみんな生きてるから。
その時まで、私もちゃんと生きて、また、ここに来ればいい。

心を軽くしてまた、始まります。一週間!



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4 コメント

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はじめてのコメント (村上正裄)
2008-05-19 18:26:35
愛衣さん、こんばんは。 村上です。
はじめてコメントします。

愛衣さんのエッセーを読んでいたら、なんだか「ほんわり」してきました。愛衣さんそのままですね。

野池ってどこにあるのですか?ひっとして野川の源流だとすると日立中研の中ですか?

ほんわりエッセー、楽しみにしています。

村上
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村上さんへ (愛依)
2008-05-20 01:13:36
コメントありがとうございます。
エッセーといえるほどのものではないですが、心に感じるものがあったなら、書いていきたいと思います。
時々覗いてみてくださいね。
返信する
野池はどこですか? (マッキー)
2008-05-20 07:49:55
マッキーこと村上です。

小金井あたりから野川に沿って多摩川合流地点の二子玉川までサイクリングしたことあるので、ひょっとして野川の源なら、行ってみたいので教えてください。

覗いて見えるのはブログではなく、実は愛衣視点からの世界が観えるのが、いいですね。

マッキー
返信する
マッキーさんへ (愛依)
2008-05-20 16:27:32
こんにちは。
野池は東京じゃないんです。
私の田舎です。
小さい頃はちょっと鬱蒼としてあんまり遊ばなかったひょうたん池のことです。
ひょうたん池便りは時々書いていくつもりです。
何もかもが心地良いところです。
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