今日は、立川市の中学校へ呼んでいただきました
1年から3年生まで各学年2クラスずつ、授業時間1~6時間を使って、語ってまいりました。
かなりハードな時間割でしたが、ぎっしりつまったハードさを感じない、今回は、とても静かなプログラムでした
静かなって?と思いますよね。
というのは、今日、語った作品は、心澄む、とてもロマンを感じるもので、ずっと物思いにふけり、遠くを見つめるような気持ちでいたのです
と言うのも、中学校から、リクエストいただいていたのは、『古典を楽しむ』がメインで、
1年生『竹取物語』、2年生『枕草子・春暁』、3年生『奥の細道』でした。
教科書からの課題です。
その他は、ご自由にということでした。
「竹取、枕草子(冬)、奥の細道」から浮かび上がってくるイメージが、
どうしても、冷たい空気に冴え冴えと輝く、青白いお月様。
とても静かで美しく、月光の帯が白く輝いている景色。
そして、宮沢賢治の『雪渡り』の世界も重なります。
青白いお月様の輝く、美しい月夜の晩のおはなしですものね。
こんなイメージで、おはなし会のプログラムも決めました。
リクエストでしたが、ここにある、孟浩然「春暁」は、「春眠不覚暁」から始まりますよね。
これは、語っても、季節に合わぬ違和感もあり、変更しました。
もちろん五言絶句です。
大好きな李白の『静夜思』を語りました。
そして、全員で暗誦できるように10回は繰り返しましたね
なかなか、いい響きだったです
先生から拍手もらいましたから
実は、『雪渡り』と向かい合いながらも、私の中でこの『静夜思』の世界を浮かべているので、これしか思い浮かばなかったというのが本音です
李白の傑作ですから、好きな方もたくさんいらっしゃるでしょう。
声に出すと、とても安らかになり、それでいてとても切ない気持ちになる詩のひとつです。
ここに記します。
もしかしたら、昔、暗誦したりして、懐かしい気分になられる方もいるのではないですか・・・
『静夜思』 李白
牀前看月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷
牀前(しょうぜん) 月光を看(み)る
疑(うたご)うらくは是(こ)れ地上の霜かと
頭(こうべ)を挙げて 山月を望み
頭(こうべ)を低(た)れて 故郷を思う
私がこの名詩を初めて知ったのは、高1でした。
担任の先生から教えてもらいました。
先生の専門は古典でした。
私は夏休み明けから、先生と交換ノート!!してました。
というと聞こえが悪いですが、先生が、俳句、和歌、漢詩を紹介してくれ、私は、その鑑賞を書くということをほぼ毎日続けていたのです。
私が、古典が大好きになったのも、この雲龍先生の影響でした。
今日の、課題のお話をするときも、この先生から聴いた、心に残っているお話もしました。
そして、3年生には、ちょっと難しかったかもしれませんが、中島敦作『山月記』を語りました。
「こういう男っぽい作品を語る方が合ってますね」とよく言われている大好きな作品です。
この作品の中にも漢詩が含まれています。
3年生諸君とは、一緒に読み下したり、訳文作ったりしました。
これもまた、明月を見て、また、非常に切なくなるものです。
でも、『山月記』は、おもしろかったと好評でした
中には、ちゃんと読んでから、またもう一度聴きたいですと感想をくれた生徒もいました。
「続きは、高校でね」っと、少し宿題もだしました。
全体を通すとまんまですが、『静夜の思い』とタイトルをつけたくなりますね
今日よくよく思いました。
『静夜思』、中国語で発音して語ってみたいな