あほねんのブログ

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フクシマがプライス・アンダーソン法を終わらせるか? 市場基準の賠償責任制度【全和訳】

2011-10-31 14:40:26 | エネルギー&核
いつも拝読している童子丸開氏の訳文をご紹介したいと思います。

フクシマからの警告ブログから転載します。

 米国の核関連産業は、1957年に通過したプライス・アンダーソン法のおかげで自由市場経済から隔絶され、政治家によって保護された「別天地」で、その奇形的な発展を成し遂げてきました。核開発を行う世界の国々は基本的にこの米国のやり方にならってきたといえます。そして日本でも、1961年にこの法案を元にして原子力損害賠償法が作られたのですが、日本の核(原子力)産業は、本家の米国ですらありえないほどの賠償責任の低さを享受してきたのです。現在の東京電力の、人を人とも思わず顧客を顧客とも思わない横柄で傲慢な姿勢は、この本体の自由市場から切り離された賠償責任制度に浸り続けた結果、という面があるように思えます。
 長年Vermont Law Schoolで研究員を務めるMark Cooper は、政治ではなく市場をベースにして事故の際の賠償責任を明らかにするならば原発は存在不可能であり、フクシマ事故をきっかけにして自由市場経済への政治の横槍を見直す動きが生まれなければならないと主張します。 これは「原発廃止論」ではないのですが、Cooperは、もしそのような損害賠償責任の体制が作られるなら自由市場経済での必然的な帰結として核(原発)開発は廃止に向かわざるを得ず、現行の損害賠償制度の基本となっているプライス・アンダーソン法の廃止がその動きを現実のものにするだろうと語ります。
 日本の電力会社がもし政治の保護から離れて本来の自由市場の中に置かれるなら、たとえ事故が起こらなかったとしても、おそらく数年も待たずに惨めに倒産していることでしょう。3月11日以来、原発についての議論は様々に起こっているのですが、このような視点で書かれたものは見ることが少なかったように感じます。私は経済学にはとんと疎い者ですが、このCooperの論文には、経済学の分野の専門家たちによって大いに、そして早急に議論されるべき多くの事柄を含んでいるように思われます。

※フクシマからの警告記事
http://doujibar.ganriki.net/fukushima/Nuclear_liability.html

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