トウキョウサンショウウオの保護活動をお手伝いしました

2012年02月06日 23時26分07秒 | 活動報告
皆さん今晩は。
冷たい雨が降り続きます。お身体くれぐれもご自愛下さい。

さて今日は、南房総地域の環境保全活動に取り組む市民団体南外房環境クラブの皆さんが行っている、トウキョウサンショウウオ産卵地の保全活動を見学、お手伝いして来ました。

トウキョウサンショウウオは千葉県指定の最重要保護生物となっています。
その稀少生物が勝浦市内に棲息していると聞き、大変驚きました。
また、南外房環境クラブではその生息地の保全活動をしているというので、私も無理矢理お願いして活動に参加させて頂いた次第です。
(何を隠そう、私は大の生き物好きです。現在事務所にはペットであるスッポンのぽんいちも居ます)

生息地は市内某所の谷津田ということで、朝10時に現地集合。
今日の活動は当該地域の環境保全を促す看板設置という事で、市環境防災課職員の方とも合流し、早速現地へ向かいました。

現地へ到着して驚きました。勝浦市にこんな環境が残っていたなんて!
水路を遡って行くと、湿地が広がり、かつて農地であった広大な谷津田が広がります。
(谷津とは、谷にある湿地のことで、谷津田とはその自然環境を利用した湿田であり、里山環境の一つです。
湿田に依存した絶滅危惧種が多数いることや、谷間のために田が小さく不定形で機械化されにくく、多くの生物が残されていることなどを背景として、生態系や里山の生物の保全の場として近年注目されています)

人工の水路や、立派な石橋、灌漑用トンネルなど、かつて様々な工夫を凝らして開墾したであろう痕跡がそこかしこに残り、以前はここが理想的な里山環境であった事が偲ばれます。
歩いているだけで不思議と癒される、何処か懐かしい、日本の原風景の様な場所でした。こうした場所にトウキョウサンショウウオが生息しているとは・・・

産卵場所に到着してさらに驚きました。
南外房環境クラブの皆さんの手によって、防護柵の設置や草刈りなど、産卵場所周辺の環境整備が行われていたのです。

原野化し、イノシシなど有害鳥獣の発生源ともなっている荒廃した谷津田。
その荒れ果てた谷津田を、自然観察用の生態系として整備し、継続的に維持管理出来る観察園に整備する。
そして、谷津田観察園を子ども達の教育の場、市民の憩いの場として、また観光資源として活用する。

南外房環境クラブでは、そうした目標を持って活動を行っておられました。これは、本当に素晴らしい取り組みだと思います。
荒れ果てた休耕地も、考え方を変えれば、保護生物の繁殖地、環境の大切さをを考える場として再生利用する事が可能となり得ます。
こうした、マイナス要素を悲観的に捉えるのではなくプラスとして捉える前向きな発想が、今の勝浦市には必要なのだと思います。

既にこの計画は市民提案型事業の一つとして市に提出されているとの事ですが、市としても、こうした取り組みに対しては今後も積極的に連携・協力して行く必要があると感じます。

勝浦市は、かつて本当に自然豊かな街でした。
私が子どもの頃、漁港ではオヤビッチャやコバルトブルーなどの美しい魚が見られたものでした。
浜勝浦川でイモリを捕ったり、山の方に行ってサンショウウオやザリガニ、ホタルと戯れることもできました。側溝にはカニが歩いていたし、水路には沢山の数えきれないほどの生き物が居ました。
それが今や、みんな居なくなってしまいました。今浜勝浦川で穫れるのはゴミと空き缶くらいになってしまいました。

かつての様な美しい勝浦市の自然環境を取り戻す為に、私も率先して活動・調査研究して行きたいと思います。
南外房環境クラブの皆さん、今日は本当に有り難うございました!

看板設置の様子


生息池の観察


追伸:
南外房環境クラブによる「トウキョウサンショウウオ講演と卵嚢の観察会(勝浦市役所共催)」チラシ(画像クリックで拡大)


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