エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

転移と逆転移に対する気付き

2014-12-29 07:21:52 | アイデンティティの根源

 

 医者を始め、ヒューマンサービスに携わる者は、不平等な上下関係を利用するものが、非常にたくさんいます。

 p236の16行目途中から。

 

 

 

 

 

ここでも、フロイトは、1つの独特な関係の仕事に対して、親しみのある元からある光を当ててきました。友達や、良き指導者のフリスに宛てたフロイトの手紙が示しているのは、フロイトが「転移」と呼んだものが患者たちにあることに気づくことができた1つの経験です。「転移」とは、転移を起こす患者は、病気や治療を、幼稚で退行的な目的のために搾取することですね。さらにフロイトが気付いたのは、「逆転移」でして、この「逆転移」は、治療者が、患者の転移に付け込んで、患者支配し、あるいは、患者のために尽くし、あるいは、患者に取りつき、あるいは、患者を大事にして、患者が本当に自分を生きることに反するようにさせるのです。フロイトは、精神分析の開業医になる訓練を、「転移と逆転移」に対する気付きを体系化しました。

 

 

 

 転移と逆転移に気付いたことが、フロイトの貢献で大きいものですね。臨床的にも非常に大事なところですね。転移と逆転移に気付かずに、臨床はできません。クライアントの発達を助けるどころか、それを阻害します。また、臨床家も成長どころじゃないですね。

 皆さんご注意くださいね。

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