人が何を信頼し、あるいは、何も信頼しないのか、ということは小さなことと思われがちです。しかし、それは、全人格、全人生、世の中全体に深い影響力を持つことなんですね。
Young Man Luther 『青年ルター』のp187の第3パラグラフから。ホイジンガの引用の続き。
実在論はおしなべて、中世の意味においては、擬人化をもたらしました。すべての実在は、イデアに帰しましたから、人はこのイデアがイキイキしているところを見たいと思いますし、イデアがイキイキするのは、イデアを擬人化することによって可能です。このようにして、寓話ができました。
寓話と言ったら、子供だまし、と思われる向きもおありでしょう。ところがそれが大間違い。キリスト教は、寓話なしには、力を持ちえなかったのではないのか? と私は考えています。
寓話化と偶像化は、音の響きは近いのですが、これ真逆のものなんですね。寓話化は言葉のイメージの力を物語るものです。偶像化は、言葉のイメージを蔑ろにして、眼に見えるイメージに頼ろうとします。
寓話は、言葉のイメージの力そのものです。
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