goo blog サービス終了のお知らせ 

エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ルターとドイツ神秘主義

2015-03-27 05:39:23 | アイデンティティの根源

 

 自分を確かにするには、進取の気質が必要だったり、積極的であったりする必要があると考えがちです。しかし、実際は真逆です。完全に受け身な方が、はるかに自分を確かにすることができます。

  Young Man Luther 『青年ルター』p189の第3パラグラフの5行目途中から。

 

 

 

 

 

ドイツ神秘主義と、洋の東西の他の思想体系の、類似点、あるいは、相違点を、ここでは取り上げません。ルターは、はるか彼方から、ドイツ神秘主義をよしとしました(ルターは、タウラーの著作の序文を書いています)。しかし、ルターは、知的にも、気質の上でも、ドイツ神秘主義とは相いれませんでしたし、何となしに怖れをなしていました。

 

 

 

 

 

 ルターはドイツ神秘主義の良さを知っていました。しかし、その問題点の方に注意が行っていたのだろうと思います。ドイツ神秘主義には、自分の得点を勘定に入れるきらいがあったのでしょう。それが神秘体験でしょうね。しかし、自分の得点を掲げる態度とは逆の、自分は零点でも良しとされる、受け身で自分を確かにする道を選んだのが、ルターでした。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シングルマザーと安倍政権 | トップ | 魂の炎 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿