エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 有働さん、ごめんなさいね

2017-01-18 07:56:43 | 間奏曲

 

  発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に 変換してください。

 

 
デッカイ東電のフクシマ事故とちっちゃいバス会社の碓氷峠バス事故
  自分自身に気付く方法 +どこでも通用するやり取りの技術力2015-01-17 07:44:01 | アイデンティティの根源  黄金律はや......
 

 

 昨日 1.17, 2017 NHKスペシャル「女たちの大震災~最新医療が迫る 体と心のリスク」が放映されました。私は、これはミスリード、テレビを見た人に誤解を与える番組、私どもが大事なことから目をそらすため、目隠し番組だ、と強く感じましたね。

 要するに、女性の方が、災害に対して弱い、それが心筋梗塞、脳梗塞に繋がり、またうつ病などのリスクになる、という番組でした。

 でも、果たしてそれで十分だった、と言えるでしょうか?

 ここには、女性の方が、自分の意見を広く言えない、低賃金、家事の受け持ちが多い、長時間労働…と言う社会的な視点が欠落しています。

 また、多くの人数が、そもそも発達トラウマ障害(DTD)になっている、と言う視点もありませんでしたね。

 大震災、という「自然災害」が悪者と言う間違ったラベリングを喧伝する点で、非常にダメな番組です。有働さん、ごめんなさいね。

 一番の悪者は、繰り返しで申し訳ないのですが、長時間労働と低賃金です。日本の労働政策が、あまりにも貧困で、ブラックで、犯罪的、非人間的なんですね。

 その日常的なストレス、発達トラウマの方が、震災ストレス、震災トラウマよりも、はるかに大きく厳しいことを、忘れてはなりません。

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長時間労働で子どもが親を奪われると、うつ病、心筋梗塞、自殺のリスクが非常に高まりますよ

2017-01-18 07:36:37 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に 変換してください。

 

 
依存性が高いお薬(ベンゾディアゼピン系の薬)も危険です
  ヴァン・デ・コーク教授は、マインドフルネスとヨガをやるようになってからは、薬は、眠剤以外は、あんまり使わないらしい。 ヴァン・デ・コーク教授のThe body ke......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.156の、第3パラグラフ、8行目から。

 

 

 

 

 

親を奪われて仲間とだけ一緒だったサルの(訳注:ストレス・ホルモンである)コルチゾールが、母親に育てられたサルのコルチゾールに比べて、大きな物音に対して、とてもよく反応します。親を奪われて仲間とだけ一緒だったサルの(訳注:神経伝達物質の1つで、心の安定と関係すると言われている)セロトニンの代謝が、遺伝的に攻撃的になりやすいけれども、母親に育てられたサルのセロトニンに比べて、非常に異常です。このことから得られる結論は、少なくともサルにおいては、赤ちゃんの時に体験することは、遺伝と同じ位、生態に強い影響を及ぼすものだ、ということです。

 

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授は、科学者らしく、サルの実験から得られたデータに基づくことしか、ここで入っていません。しかし、その後の30年にわたる研究からは、このサルに勝るとも劣らない異常を、人間が示すことが明らかになってきています。

 それが何を物語るのか? 

 赤ちゃんが母親を奪われると、日本のように長時間労働によるものであっても、コルチゾールが大量に分泌され続けるので、脳の発達が異常を来たし、ストレスに弱い脳がイッチョアガリになってしまいます。セロトニンの分泌は弱くなるでしょ。不安が強く、心の安定を取り戻すことがなかなかできません。うつ病やアルコール依存症、薬物依存症などになるリスクや、ガンや心筋梗塞、脳こうそく、肺疾患などストレス病にになるリスク、自殺するリスクが非常に高くなります

 

 

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聖書の言葉 : 探し出すことは救い出すこと

2017-01-18 02:55:57 | 聖書の言葉から

 

 

 
8番目の舞台も、実感が大事
 人を大事にすることで学ぶべきものはない、との誤解2015-01-17 11:30:43 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い) 人を大事にする時で......
 

 『新約聖書』にあるイエス・キリストの物語の3番目は、「ルカによる福音書」です。その第19章10節には、前田護郎先生の翻訳では、

10人の子が来たのは失われたものを探して救うためである

といいます。

「人の子」はすでにご指摘しましたように、イエス・キリストが「私」と言う代わりに言った代名詞です。イエス・キリストの生きる目的、とでも言っていいことを、端的に述べている言葉でしょう。

 イエス・キリストは、探し出してζητῶ、救い出す σῷζω ために生きている。しかも、探し出すことと、救い出すことは、ほとんど同じことを、別の角度からいったものではないか? と私は感じています。すなわち、探し出すことは助け出すことだと。

 ここも隠れん坊のお話ですね。

 金持ちだったけれども、仲間を裏切って税金を取り立てていた、そして、ピンハネもしていたザアカイは、仲間からは嫌われ者でした。誰も家によってくれませんでした。ザアカイ自身も、後ろめたい気持ちだった、ということは容易に想像できますでしょ。その時に、何かを探して、こっそりと隠れてイエスに会いに来たザアカイに気付いたイエスは、ザアカイの家に泊まることにしたようです。人はそれをいぶかったけれども、ザアカイは喜びにあふれて、ピンハネ分は4倍にして返します、全財産の半分は貧しくされた人たちに寄付します、と言いだしました。そして、今日ご紹介している、イエスの言葉です。

 イエスは何を探し出したんでしょうか? 木に隠れていたザアカイでしょうか? そうかもしれません。でも、少なくてもそれだけではないでしょう。ザアカイは、後ろめたい気持ちを持ちながらも、自分でも価値を見出せずに困っていた≪本当の自分≫を、ザアカイよりも先に見つけ出して、「ほら、こんなに素敵な、あんたの≪本当の自分≫ですよ」ということを言葉ではなくて、ザアカイの家に泊まる、と言う態度で、イエスはハッキリと示したんだと感じますね。

 探し出すことは救い出すこと

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : ≪本当の自分≫は必ず自己中心で 晴れ晴れ

2017-01-18 01:51:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
不安でたまらない現代人には、新しい祈りが必要です!
 20年前の1月17日 改訂版2015-01-17 14:21:41 | エリクソンの発達臨床心理  20年前の1月17日。読者の皆さんは、どこ......
 

 今宵は久しぶりに、The Galilean sayings and the sense of ” I ” 、「ガラテヤのイエス・キリストの言い伝えと(アイデンティティの元になる)≪本当の自分≫という感じ」から。
p.323.

 

 

 

 

 

 

 ≪本当の自分≫は、ひとりびとりが、コミュニケーションのできる体験世界の中で中心ですし、その中心にいることがあまりにもヌミノースであるために、イキイキとしてきますし、さらには、晴れ晴れとした生き方になるものです

 

 

 

 

 

 ここでヌミノースと言うのは、ドイツの哲学者オットーの著作『聖なるもの』(岩波文庫)にある言葉です。神様に出逢って、畏敬の念を抱いていると同時に、圧倒的な悦びを感じている感じ、それがヌミノースでしょうか。

 ですから、エリクソンが教えてくれているように、≪本当の自分≫は、それを生きる時に、どなたでも、自分が、出来事の中心でいると感じると同時に、それがあまりにももったいないと同時に土びあがるほどの悦びなので、イキイキとした生きる手応えを感じつつ、晴れ晴れと生きることができます

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