エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ブルース・ペリー教授の『犬…』から 今のニッポンの学校では、一番役立たない大人が多すぎる!

2016-02-09 08:41:32 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
東京人がはとバスに乗らないのに似ています
  夜空の星々は、私どもの心と繋がっているのかもしれませんね。 『The Sense of Wonder 不思議を感じる心』から p68の下から3行目から。...
 

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、p.232

 

 

 

 

 

 ひどい育てられ方をされ、トラウマを負わされた子ども等が一番必要としていることって、幼い時にトラウマを負わされたために生じている、痛み、悩み、一人ぼっちな感じを和らげてくれる、気持ちの良いやり取りなんですね。その子らを癒すのに役立つのは、1人の子どものいろんな対人関係を、質量ともに増やす何某かのものですよね。役立つのは、言ってることとやってることが一貫した、忍耐強くて、しかも、約束通りに繰り返される、相手を大事にする関わりなんですからね。

ついでながら、役にも立たないのは、良いことをしているつもりだけれども、心が整っていない「専門家」で、トラウマを負わされた出来事を追いかけたり、子ども等に「心を開きなさい」だとか、「怒るんじゃないの」などと、正しいことを強制する輩です。

 

 

 

 今のニッポンの学校では、やり取り上手の人よりも、「正しいこと」を強制する一番役に立たない人が、あまりにも多いのが残念ですね。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風みたいな

2016-02-09 07:27:59 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
「触る程度」の子どもになりますよ。
  異化 ロシア語でオストラニェーニェ остранение レイチェル・カーソンの翻訳の件で今日出てきましたね。それはとても大事です。 ふつうは文学や芸術で...
 

 

 1つにまとめる力のある生き方とは、すなわち、やり取りのある、陽気で楽しい、大らかで、実に、爽やかな生き方でね。それはまるで、春風のようですよ。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.8の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ≪一つにまとめる力のある生き方≫とは、とても遣り甲斐のある言葉ですよね。1つにまとめる力のある生き方がしたかったら、熱心に思案したり、熱心にやってみたりする必要など1つもありませんよ。ただ、日々の、大小の些事を何とかこなすように、日々の暮らしをつつがなく過ごすのに必要な堅実な気配りが必要なだけですね。≪一つにまとめる力のある生き方≫は、いたって単純素朴で、至極く直球でいて、それでいて、とても難しいものですね。

 

 

 

 

 

 ≪一つにまとめる力のある生き方≫は、人格の香りです。子どもがすぐにそれと分かる生き方ですね。赤ちゃんでも、その人格の香りをかぎ分けますからね。

 今のニッポンの子ども等が、一番必要としているもの、それは人格の香り溢れる≪人間皆兄弟≫を実現し続ける≪一つにまとめる力のある生き方≫です。

 春風みたいでしょ。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

創り出されたイメージでは、癒しにならない

2016-02-09 02:43:37 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
縦の関係と横の関係の交差点 エクレシア
  二王国説、はまずい。 Young Man Luther 『青年ルター』のp180の下から4行目途中から。   ...
 

 

 トラウマのことを話すことは良い、と言うのがセラピーの神話になっちゃってたんですね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.233、下から8行目から。

 

 

 

 

 

 残念なことですが、話せば治る、と言うほど、事は単純ではありません。トラウマを負わされるような出来事は、言葉にすることなど、ほとんど不可能ですね。これは、私どもすべてに当てはまることでして、なにもPTSDに苦しんでいる人だけではありませんからね。9.11の最初の刷り込みは、単なるお話じゃぁなくて、いろんなイメージなんですね。半狂乱で道を走る人々、灰を被った顔また顔、世界貿易センター第1ビルに突っ込んだ飛行機、手に手を取って飛び降りた人々の、バラバラな点また点。こういったイメージは、心の中やテレビの中で、繰り返されて、ジュリアーニ市長とメディアによって、私どもが分かち合うことが出来る、1つの物語を作り上げたわけですね。

 

 

 

 

 

 9.11の物語は、ひとりびとりのものと言うよりも、行政とマスコミがでっち上げたものだった。「でっちあげた」は言い過ぎなのかもしれませんが、ニュアンスとしてはそういうことですね。状況を見た人で生き残った人があまりいないからでしょう。言葉よりも、イメージが、メディアを通して繰り返し示されました。ひとりびとりの物語ではなくて、マスコミが創り出したイメージですと、個人を癒す力はありませんよね。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あらゆる依存症の、≪悪≫の元凶

2016-02-09 01:52:31 | アイデンティティの根源

 

 

 
東京人がはとバスに乗らないのに似ています
  夜空の星々は、私どもの心と繋がっているのかもしれませんね。 『The Sense of Wonder 不思議を感じる心』から p68の下から3行目から。...
 

 

 

 大人と子どもの関係を支配する正義は、大人が身勝手にコントロールできるものではありません。しかし、この正義を大人が我が物のように支配する時、大人は子どもに抜きがたい不信を植え付けることになりますし、エリクソンかも指摘している通り、早すぎる良心と本音の溝の大きさを恥じる人間にしてしまいます。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.256の、5行目途中から。

 

 

 

 

 

 フロイトは、こういったことをダイナミックに定式化しました。フロイト以前の人で、心理学と神学の境目にある、こういった経験をありのままに表現できた人は、ルター以外には、ほとんどいませんでした。ルターは、こういった経験から、神学的な言葉で定式化した宗教的な手柄を引き出しましたね。ルターが描き出したのは、いろんな形で、子どもの頃から人間の生き方に蔓延る≪悪≫でした。その≪悪≫とは、たとえば、ルターが描き出した恥です。この恥は、赤ちゃんが裸にされて、バカにされた感じがした時に初めて体験する気持ちです。

 

 

 

 

 

 この恥も実に曲者です。臨床をしてますと、不信も厄介ですが、その不信が恥になったものは、もっと厄介ですね。というのも、この恥が無意識裡に自己主張をすると、人も自分も傷つけることにもなりますし、あらゆる依存症を作り出すからです。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする