エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

点検、また、点検 改訂版

2015-01-14 16:30:44 | エリクソンの発達臨床心理

 

 吉本隆明さん。倫理について、自覚しているレベルと、自覚できない無意識的なレベルで、善悪が逆転しやすい、ということを指摘してくれましたね。実に見事な一隻眼です。

 これは、太平洋戦争が「八紘一宇」のような「正義」を旗印にしながら、ケダモノのような残虐行為を繰り返してきたことの反省に立っていたと考えられます。ただ、これだけではないと私は見ますね。つまり社会批判だけではなく、自己批判、内省がそこにあったと見る訳ですね。

 その自己批判、内省とは、自分も「八紘一宇」を完全に信じたわけではないけれども、むしろ「腑に落ちない感じ」があったのにもかかわらず、その「正義」に与してしまった、ということですね。それなしには、先の一隻眼が出てこないし、説得力を持たないでしょう。

 内省に基づく態度、今日あなたがやろうとしている「正しいこと」が、「本当に正しい」ものなのかどうか、いつでも点検、また、点検と言う態度が大事ですね。

 よろしくね。

 

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「三高」でも、幸せにはなれません!改訂版

2015-01-14 12:16:42 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 自由恋愛は、人を大事にすることについて学ぶことに繋がらないことが多いらしい。

 p3の3行目からる

 

 

 

 

 

 この要素に一番近いものは、現代文化のもう1つの特徴的な性質です。私の文化全体は、モノを買う物欲、すなわち、お互いに良い買い物をすることに基づいています。現代人の幸せとは、ウィンドゥ・ショッピングのドキドキ感、現金でもカードローンでも買えるものはすべてを買う時のドキドキ感、からできてんですね。その人は男でも女でも、人を似たり寄ったりの見方で見るものですね。男にとって魅力的な女は、あるいは、女にとって魅力的な男は、みんなが欲しがる勲章です。「魅力的」とはつまり、人気市場で人気があり、求められる、一塊の性質なんですね。

 

 

 

 

 

 現代人が求めるパートナーは、モノ金と一緒。人も羨む異性です。日本でも「三高」、すなわち、高学歴、高身長、高収入、が、女にとって魅力的な男と言われた時期がありましたね。この三つ、人格と関係のあるものが何もない。ですから、「三高」の人と結婚しても、夫婦関係がうまくいくかはわかりません。

 残念!

 

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国同士も、相手の国の歴史的個性に敬意を払ってね。改訂版

2015-01-14 08:42:05 | アイデンティティの根源

 

 今の危機を突破するためには、倫理の力が必要です。

 p241の9行目途中から。

 

 

 

 

しかしながら、倫理と言うものは、デッチアゲルことなどできません。倫理は「人類皆兄弟」になるべく近づけるように、自分を確かにする道を、十分に情報を得て、霊感に満ちた探究することからだけしか、生まれてきません。この「人類皆兄弟」に近づけた自分を確かにする道が可能になるばかりではなく、必須になるのは、新しい科学技術や新しい世界観がある場合なんですね。でもね、私がここで皆様にお示しできるのは、様々な主題だけです。親子、男女、医者と患者の関係について今まで言われてきたことは、国と国の関係にも、かなり当てはめてきたかもしれません。今日、国家は当然、ざまざまな段階の、政治的、技術的、経済的な変化をまとめた単位なんです。こういった条件のもとでは、国々もお互いに、より教育的で、倫理的な態度で関係を持つべきだ、と先進国諸国が信じてもしかたがありません。しかし、私が申し上げたいポイントは、不平等を強調することではなくて、歴史的な多様性のある個性に対して敬意を払うことなんですね。

 

 

 

 

 人同士もそうですが、国と国との関係においても、相手の国の歴史的個性に対して、敬意を払うことが何よりも大事です。韓国・朝鮮に対する敬意、中国、台湾、香港に対する敬意も、今こそ大事でしょ。

 

 

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