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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

映画・レヴェナント:蘇えりし者

2016年04月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

悲願のオスカーを獲得したレオナルド・ディカプリオ主演のスペクタル巨編「レヴェナント:蘇えりし者」を観賞

 

今回の作品は、雄大な自然を舞台に息子の復讐を遂げるために過酷な状況下を生き抜く一人の男の姿が壮絶にして美しく描かれてます。その男の生き様を全身全霊で演じきったディカプリオは主演男優のオスカーに値する迫真の演技でした。

時は西部開拓時代。狩猟による毛皮採取を行う者たちのガイドを息子と共に務めていたディカプリオ演じるヒューグラスが、熊に襲われ瀕死の重傷を負い死を見届けるはずの男から殺されそうになり、助けようとした息子も男に殺されてしまう。死の淵から蘇ったヒューグラスは、復讐のために過酷のサバイバルに挑んでいく。

監督は2年連続でオスカーを受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ。前作のバードマンでは、NYを舞台に長回しの技法を駆使して限られた地域で撮影が行われた現代劇。今回は、打って変わって厳冬のオールロケで熊に襲われるシーンなど一部を除き、凍てつく川に入り、生肉を食い、動物の死体の中で暖を取る等、過酷な映像で迫ってきます。それらすべてを見事に演じきったディカプリオに加え、敵役にはマッドマックス・怒りのデス・ロードのトム・ハーディが演じその悪役ぶりも目を見張ります。

しかしながら、リアルな映像の中で繰り広げられる過酷な情景が美しくと厳しさを持った雄大な自然と坂本隆一による勇壮な音楽が三位一体となって深い感動を観る者に与えてくれます。

さすが、主演男優賞、監督賞、撮影賞の3部門でオスカーを獲得も誰もが納得できる作品です。オスカーを作品の中で、劇場で観るなら絶対欠かせない一本です。レオ様ファンはもとより映画ファン必見の名作をぜひ映画館で味わってください。


アールヌーヴォーの装飾磁器・岐阜県現代陶芸美術館

2016年04月29日 | 【美術鑑賞・イベント】

今回は、東海地方でゴールデンウイークに楽しめる美術展を紹介します。

今回は、岐阜県多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館で5月8日まで開催れている「アールヌーヴォーの装飾磁器」展です。

当館は、磯崎新により設計されたセラミックパークMINOの中心施設で、陶芸作品を中心に企画される美術館です。館内には地元美濃焼の現代陶芸作品も販売され、まさに陶芸ファンのための美術館です。

特徴としては当館所蔵のコレクションと日本大学教授でアールヌーヴォー期のコレクションで名高い塩川博義氏の所蔵品により構成されています。

今回の作品は、1889年と1900年のパリ万博を軸に構成され、ドイツのマイセン、フランスのセーヴル、デンマークのロイヤルコペンハーゲンなど日本でも名高い磁器ブランドに加え、同時期のデンマークのビング&グレンダール、スエーデンのロールストランドと北欧ブランドの作品が200点余り展示されています。

今回の作品は、一般的な量産作品とは一線を画す製陶所が芸術作品として認めたユニカ作品で構成されており、絵付作家のサインや制作年などが底部に記された美しい作品です。

作品の特徴としては、淡く澄んだ色に動植物の姿が写実的に描かれたものや動物をモチーフにしたオブジェ作品など、絵付作家の高い技術と表現に魅了されると思います。

パリ万博は、当時海を渡った日本の美術工芸作品の評価も高く、その代表格に宮川香山がいました。宮川作品は、この地方でも七宝の絵付けでよく見られます。ジャポネスクの影響も強く受け海外作品には、日本的な要素も強く見かけられます。

当時、北斎漫画が刊行され輸出の際に作品を包む紙として使われ、葛飾北斎の北斎漫画の作品に強く影響を受けた作品も観られました。

明治維新によりもたらされた海外交流により日本文化がヨーロッパに渡り、新しい文化として昇華されたことに驚きと日本の様式美を再認識することができる展覧会といえます。

現在の陶磁器ブームを牽引している女性に、オススメの美術展です。ぜひ鑑賞してみてください。


五輪新エンブレム・秘密の法則

2016年04月28日 | 【スポーツ】

2020年東京オリンピック、新国立競技場問題、エンブレム盗作疑惑、はては選手の賭博発覚と負の連鎖によるマイナスイメージを引きづっていた東京オリンピック。

改めて決定した新しいエンブレムにも、賛否両論でしたが、ここに来て負の連鎖を断ち切るような、エンブレムの秘密の法則が話題となっています。

オリンピック、パラリンピックの市松模様のピースが同じ数、ピースの形が左右非対称に見えていたものが円を三分割すると実は対称であるなどは、テレビでも紹介されていました。

ここに来てすごい法則が、ツイートにより明らかに。その究極の法則鯵坂もっちょさんのツイート。オリンピックとパラリンピック、それぞれの市松模様は、角度を変えない配置換えで出来上がっている。

これは、まさに東京オリンピックの目指す、オリンピックとパラリンピック位置づけを同じくするものとして大きな意味を持っています。

さらに、これらの法則は制作者から発表されたものでなく、エンブレムを観て思いをめぐらした人々によりもたらされた点が大きく、国家と選手と民衆と共に進むオリンピックにふさわしい形と言えます。そうした意図をあえて話さない作者の野老朝雄さんと市松模様の粋がかさなって、素敵な話題になっています。

これを機にまだまだ課題が山積するオリンピックの課題をひとつづつクリアして負の連鎖から正の連鎖へと進むことを切に願ってます。

 


コンビニ3社カフェラテ評

2016年04月27日 | 【グルメ・名古屋めし】

大手コンビニ3社が、アイスカフェラテに力を入れてます。100円コーヒーが定着し、そのクォリティーの高さは誰もが認めるところです。

そんな、コンビニに新しい潮流が、すでにローソンとファミリーマートで高い評価を得ていたカフェラテに、セブンイレブンがこれからの季節にアイスカフェラテで参入、新たなコンビニ競争がはじまりました。

カフェラテは、スタバ、タリーズのシアトル系コーヒーにより認知度が高くなりましたが、ミルクとエスプレッソコーヒを組み合わせたもの。フランスではカフェ・オ・レでドリップコーヒーを用いているのはご存知の通りかと。イタリアでは、カッフェ・ラッテ。シアトル系もイタリアもスティームミルクを用いる点では同じですが、発祥のイタリアに敬意を表するなら、コンビニのそれはシアトル系と言えます。

さて、三社のアイスカフェラテを飲み比べてみると違いは明らか。

ローソンのカフェラテは、ミルクの配分が多くクリーミーな仕上がり。

ファミリーマートは、ミルクとエスプレッソの配分が同じくらいで苦みを感じる。

両者は好みにより遜色なく味においては甲乙つけがたいです。また、価格においてはローソンが150円。ファミマが160円(期間限定)と価格においてはローソンに軍配が、しかしながら、ファミマは、スタバよろしくキャラメルソース、ココアシュガー、シナモンなどのトッピングが無料なので、スタバ好きの女性の支持も高い。個人的はコーヒーはブラックなので、少し気分を変える時にローソンのカフェラテが好みです。

最後に残念なのが、セブンイレブン。180円。
専用カップにグリコとの提携によりラクトアイスの粒とアイスの入ったカップで、従来のアイスコーヒーを入れる、アイスカフェラテとは言えません。カフェオレとも言い難いもの。これはアイスクリームの入ったアイスコーヒー。100円コーヒーの中では、セブンイレブンを支持している僕にとっては、お粗末なものとしか言えません。今のコーヒーマシーンでは、カフェラテは抽出方法としては無理ですので、ローソン、ファミマに対抗するのは無理だと思います。

ここ愛知では、ココストア、サークルKがファミマと合併。その名が消え、大手コンビニ3社の競争に絞られていくでしょう。ミニストップが独自路線を走る中、コンビニの迷走は、まだまだ続いていくのかなと、今回のアイスカフェラテで感じてしまいました。


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オリンピックエンブレムのデザイン性

2016年04月26日 | 【エッセイ・コラム】

佐野研二郎氏のオリンピックエンブレムのパクリ疑惑に端を発したエンブレムが昨日決定しました。僕の予想に反し、最も日本的なデザインの野老朝雄氏の組一松紋が最終審査で圧倒的な票を獲得して採用されることになりました。

決定に至る透明性に立って、白紙の状態から始まったエンブレム。審査結果をオープンし、国民投票までしたことが裏目となって、未だに今回決定してエンブレムに賛否両論が噴出しています。

選考過程を見る限り、公平性と透明性は十分に感じられ、初めての選考方法に一定の基準を確立したように思います。

今回の選考において唯一の問題点を挙げるならば、4作品を公開し、非公式でながら国民参画にこだわるあまりアンケートに踏み切ってしまったことでしょう。

最終選考は、エンブレム委員会メンバーによって決定と言っても、アンケートとまったく逆の結果になれば当然投票した人々の不満は募ります。今回は国民参画にこだわるならば、アンケート結果に決定したほうが納得はいきます。結局アンケートが透明性にこだわるあまり公平性を欠いた結果を生んだのではないかと思います。

ともあれ個人的には、決定した作品に対して、何の不満も批判もありません。各種報道により、デザインの多様性も良く理解できましたし、過去のオリンピックエンブレムを観るても、斬新さなデザインで、三候補の作品に比べて、デザイン性においては抜きんでていると思います。

これからは、開催に向けて、国民が一体となったオリンピックの成功へ議論を重ねてほしいと思います。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

過去のオリンピックエンブレム。意外とシンプルなデザインが多い。

 

 


若冲人気に見るアートの今

2016年04月25日 | 【美術鑑賞・イベント】

生誕300年を迎える伊藤若冲。現在東京都美術館で開催されている連日大盛況の賑わいです。

今や日本人にとって北斎をしのぐ人気を誇る伊藤若冲。伊藤若冲に関する美術展は常に満員御礼で、日本人の画家でこれほどまでの人気を誇る人は今まで存在しなかった思います。

今回その人気の秘密をの一端を紐解くことが出来る番組が昨日(再放送4月27日0時10分)放映されたNHKスペシャル「若冲 天才絵師の謎に迫る」だった。

番組では、多彩な画法で知られる若冲の細密描写にスポットをあてて、X線による科学的分析により、その超絶的な技法と卓越的な色彩感覚が明らかになっていました。

当時の主流であった絵画技法の輪郭線を用いず描いた白孔雀は、羽の細密な線描のみで表現され、その正確無比な技術により、余白が輪郭線となる表現や葉や花などの濃淡を当時の主流であったべた塗りではなく、異なる色の重ね塗りや和紙や絹地のの基底部の裏から彩色を施こす裏彩色にミリ単位で肉眼では判別できない色を施すことにより鑑賞者の思考にまでにも踏み入る当時の人気絵師をも超える超絶技法を用いています。また、遠近法や印象派の特徴である光の表現も、その技法により再現されていることに、だれもが驚愕します。

私の絵は千年後に理解されると言う言葉を残した若冲。様々な画風や卓越した技法により、今日の材料の進化により技術革新がもたらす、アートの様々な領域に彼の作品の共通項があり、現在の人気の秘密があるように感じています。

若冲から、まだまだ目が離せません。


日本美術と高島屋・名都美術館

2016年04月24日 | 【美術鑑賞・イベント】

日本の美術界において、その作品の担い手になっているのが、画廊主である美術商ともうひとつがデパートの美術部です。

今回は、明治初期から多くの日本画家と親交を持ち、さらに西の日本画の巨匠竹内栖鳳をはじめ友禅染の下絵制作を依頼するなど、画家たちを陰で支えてきた高島屋の秘蔵コレクションによる展覧会が、長久手の名都美術館で「日本美術と高島屋」と題して開催されています。

先ずは、高島屋美術部と高島屋資料館の扁額が目に留まり、それぞれ京都の冨岡鉄斎に木彫の巨匠、平櫛田中による、力強く独特な筆致の題字が、また、高島屋のマスコット人形のローズちゃんが、さらに竹内栖鳳の出勤簿や絵画部画伯の出勤簿などが並びます。

一階の展示で目を見張るのが、友禅作家と画家による下図と刺繍の共作。掛軸に仕立てられた作品は、見た目には刺繍による作品には見えないほど高度な技術に裏打ちされた見事な作品でした。

資料館秘蔵の作品群は、近代日本画を代表する巨匠の作品が並び、富士や四季の花鳥、美人画などの名品がずらいりならびます。

圧巻は、前半の展示の目玉は、横山大観の巨大な掛軸。美術館の石庭を見下ろすように光さす勇壮な富士の麓に描かれる蓬莱山が、吹き抜けのスぺ―スに掲げられています。

前期は日本画の東の巨匠、横山大観が、後期は5月3日からアレタ夕立など西の巨匠、竹内栖鳳の作品が中心に並びます。

展示替えの前後で立ち寄られるのも良いかと思います。日本美術の牽引力となった高島屋の名品の数々を堪能してみてください。


DVD・ムーン・ウォーカーズ

2016年04月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。アポロ計画は失敗していたと言う都市伝説を題材にしたコメディー「ムーン・ウォーカーズ」です。

 

1969年7月20日世界中で中継されたアポロ11号の月面着陸。僕も子供ながらに、その映像に見入った一人です。月面着陸には陰謀説があり、また、アポロ計画自体にも様々な陰謀説があります。

その陰謀説の一つとして、月面着陸失敗用に2001年宇宙の旅のキューブリック監督に制作を依頼したと言う都市伝説があり、今回の作品はその都市伝説に果敢に挑んだコメディーです。

主演はアメコミの異形のヒーローを演じたロン・パールマンとハリーポッターのロン役のルパート・グリント。二人がベトナム戦争の精神的後遺症を患うCIA諜報員キッドマンとギャングからの借金返済に逃げる売れないロックバンドのプロデューサーのジョニーを演じてます。

キッドマンは、キューブリック監督に月面着陸の映像制作の命を受けてイギリスへ。ひょんなことから、ジョニーがエージェントに間違えられ、依頼金をせしめたことから、キッドマンとジョニー、ヒッピー集団と代役監督により撮影を決行。そこに、CIAとギャングが加わり死闘が繰り広げらる、ブラックユーモア満載のドタバタコメディに仕上がってます。

舞台の1960年代のロンドンは、音楽、ファッション、アートなどが若者により発信されたスウインギングロンドンと言われる文化が生まれ、サイケデリックな世界が、今回の作品に色濃く再現され、ブラックコメディーの世界にカラフルさを取り入れていてアート作品としても見ごたえがあります。また、当時の月面着陸映像も加わって、懐かしく感じられました。

アポロ月面着陸。僕は信じて疑わない者の一人ですが、未だ二度目の月面着陸はないままアポロ計画は終了。宇宙計画のターゲットは、いつしか月から火星に移ってしまったのも、陰謀説が続いている要因かも知れません。この作品を観て、あなたならどちらを選ぶでしょうか。


ドラマ「重版出来!」に見るポジティブシンキングの捉え方

2016年04月20日 | 【映画・ドラマ・演劇】

TBSドラマ「重版出来!」が面白い!黒木華主演で、オダギリショー、松重豊など脇を固める豪華な個性派俳優の面々と、よくぞここまで揃ったと個人的に初回からウキウキしたドラマです。

 

黒木華初の主演ドラマ「重版出来!」ドラマ反コミック原作派の僕でも、1回目で魅了されたドラマです。初回、2回と一桁台の視聴率でしたが、若者のドラマ離れを考えると致し方ないかもしれません。しかしながら、若い人たちに、ぜひ観てもらいたいドラマでもあります。

舞台は、週刊コミック誌「バイブス」の新米編集者黒沢心が主人公の汗と涙のスポ根的ドラマ。超ポジティブな主人公に触発される人間模様と編集と営業、そして書店販売員の漫画を取り巻く仕事が詳細に描かれた内容です。

常々、ポジティブシンキングなる言葉による曖昧さに疑問を抱く僕も、心の根拠のあるポジティブな仕事ぶりに、ポジティブシンキングとは、仕事とはこうあるべきと言うビジネスの基本が彼女の姿からうかがえます。

黒木華さんは、噂では第三の候補だったらしく、能年玲奈、有村架純の後釜での回ってきたそうです。結果的には黒木華で正解、演技力なら群を抜く若手女優らしく、原作を知らない僕でも主人公の姿が映しだされ、原作も読みたいと思いました。結果的には、

新社会人として社会に一歩を踏み出した若者たちに、笑って涙して、前向きに仕事に取り組めるドラマとして、黒沢心から元気をもらってほしいなと思います。

 


DVD・しんがり~山一証券 最後の聖戦~

2016年04月19日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はWOWOWドラマから「しんがり~山一証券 最後の聖戦~」です

毎回、魅力的なバラエティー豊かに魅力的なドラマを作っているWOWOW連続ドラマW。今回は、企業ドラマで、バブル崩壊後に巨額の帳簿外の債務を抱えて廃業に追いやられた山一證券が舞台です。最近テレビの謝罪特集で、号泣会見をした社長でも有名な事件でした。

その山一證券で、多くの社員が沈没した船から抜け出し、役員さえも逃げ出した会社にとどまり、廃業にいたる簿外債務の真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たちの奮闘を描いた社会派ドラマです。

原作は、読売新聞社社員で、巨人軍の元オーナーで渡邉社主に反旗を翻した「清武の乱」で有名な清武英利氏の原作「しんがり 山一證券最後の12人」監督は、沈まぬ太陽や石榴坂の仇討の若松節朗に相棒シリーズの脚本家・戸田山雅司。かの顔ぶれでもドラマの期待が高る上に、江口洋介が、正義感あふれる業務管理部の本部長を務めています。

また、業務管理部、通称ギョウカンの顔ぶれも、萩原聖人、林遣都、佐藤B作、矢島健一の中堅、若手、ベテランの個性派が顔を揃えています。また、紅一点の秘書役に相棒シリーズの甲斐亨の恋人役の真飛聖が演じ、地味で男くさいドラマの清涼剤役となっていて、個人的にも魅力的でした。

前述の号泣社長会見のインパクトの強さから、野澤正平社長ばかりがクローズアップされてきましたが、彼の元で、死期を迎えるだけの会社に誇りを持ち、社員として顧客や社会に対して誠意を尽くしぬいた人々の姿が心打つドラマでした。

ラストの記者会見は、涙なしでは観れない、静かな感動シーンです。会社とは誰のためにあるのか、また社会と会社の関係性を再確認することができる格好の材料だと思います。

山一証券廃業にいたるニュース。

 


映画・スポットライト 世紀のスクープ

2016年04月18日 | 【映画・ドラマ・演劇】

本年度アカデミーで、作品賞、脚本賞の2冠に輝いた社会派作品「スポットライト 世紀のスクープ」を観賞

 

並み居るライバルを押しのけて作品賞のオスカーを獲得した本作。アメリカのボストングローブ新聞が暴いたカトリック教会のスキャンダルを基に映画化された作品です。

ボストンで、長年にわたり隠蔽されてきた、神父の幼児による性的虐待を描き、カトリック教会挙げての隠蔽の事実が世界中に広がった一大スキャンダルへと発展した事件です。

ボストングローブに新しく赴任してきた編集長が早々に打ち出したのは、カトリック教会の神父による性的虐待事件の掘り下げ。極秘調査により特集記事(スポットライト)を4人の記者が、街のタブーとされるカトリック教会の闇に迫っていきます。

取材の中で明らかになる神父による性的虐待。検事や弁護士による隠蔽工作にひるむことなく記者たちは、被害者の取材に加え加害者の取材と徹底調査を進めます。

被害者に寄り添うように取材を続ける記者たちの姿に感動。そこに、あの9・11が起こることで中断を余儀なくされながらも、ひとつひとつの証拠をつぶしながら確証へとつなげていく姿に時間を忘れるほどのめり込みました。

最近の週刊誌によるスキャンダル報道とは異なる、事件の真相に迫る内容は、本来メディアがあるべき姿を厳然と示していて、ラストの鳴りやまぬ電話が権力との戦いに打ち勝った正義の者たちへの称賛の拍手に感じれました。

 


フランク三浦勝訴と表現の自由

2016年04月16日 | 【エッセイ・コラム】

本題に入る前に、熊本地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。被害の終息と政府の迅速な復興支援対策を切に願います。

さて、突然の災害の中で不謹慎に思われる方も多いと思いますが、先日のカップヌードルのCM中止など、一部の批判に対して弱腰となる企業の姿勢に不満と不安を持っています。

CMの出演者に過去の不倫スキャンダルを起こしたタレントが出演したことで中止に追い込まれたカップヌードルのCM。今の世の中をパロディで表現しながら、若者にエールを贈る。このCMを好意的に観ていた人も多いと思います。CMの趣旨を伝えることなく中止にした企業の弱腰の姿勢にがっかりした人も多いと思います。

そんな中で、溜飲を下げる出来事が、小さな会社によりもたらされました。高級時計のフランクミューラーにフランク三浦勝った判決。大阪の会社がパロディで作った時計が、売れたことでおこった訴訟。2012年に特許庁から、商標登録され販売されたものが、売れたことによってフランクミューラー側からの意義に申し立てに屈した形で商標登録を取り消したと言うもので、特許庁を相手に訴訟を起こして勝訴したいう内容です。

こうした事例は、ブランドを侵害で訴えられるケースは現代美術の世界ではよくあります。たいていのケースは公にしないことで訴訟にまではいかないのですが、フランク三浦を製造販売する下部社長の権力に屈しないパロディー精神の勝利に敬意を表したいです。

表現の自由は、時に大きな論争へと発展しますが、ある種の権力により阻害されることは多々あります。すべてを曖昧な善悪や感情で左右され、一刀両断で否定される世の中に、窮屈さと怖さを感じるのです。笑って許されるパロディー精神も、こんな世の中だから必要だと僕だけではないと思います。


DVD・あの日のように抱きしめて

2016年04月14日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、アウシュビッツから帰還し夫の再会により数奇な運命をたどるサスペンス作品「あの日のように抱きしめて」です。

 

舞台は1945年のドイツ。強制収容所から帰還した元歌手ネリーは、顔に大怪我を負いながらも再建手術を受け、戦争により離れ離れになったピアニストの夫ジョニーと再びステージに立つことが願い。

ジョニーに再会するも、死んだと思い込んでいるジョニーは、ネリーに妻を装い遺産を山分けする計画を企てる。

生還した妻に気づかず計画を進めるジョニー。夫への愛を抑えながら計画に従うネリー。彼の行動に不安を募らせながらも、自らの存在を知らせようとするネリーの心の痛みが伝わってきます。

計画の完遂に向かいスピーク・ローを歌い夫婦の競演を果たす二人に迎えるラストの選択は観るものに委ねられかのようでした。戦争により切り裂かれた人生と戦争により試された愛情は、静かに謳いあげられるネリーの歌声にあなたはどう感じるでしょうか。


DVD・さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~

2016年04月13日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、永作博美と佐々木希共演のヒューマンドラマ「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」です。

 

ふるさとの奥能登に帰り、海辺の小屋で珈琲店を開いたた永作演じる岬と二人の子供と暮らすシングルマザーの佐々木演じる絵里子。

遭難した父の帰りを待つ岬と生活のために家を空けることが多い絵里子を思い、肩を寄せ合いながら過ごす幼い姉と弟。給食費の滞納とある事件がきっかけで、心を通わせ、やがて二人で珈琲店を営むように。

そんな中で、岬に父の訃報が届き、岬は珈琲店をたたみ故郷を去ります。二人の絆は再び結ばれるのか。。。

永作博美と言う女優は、不思議な空気を持った女性です。彼女の感情を抑えた独特な演技は、出演者の新しい部分を引き出す魅力を持っています。

今回も、ヒロイン役の多い佐々木のキャラクターを破り永作により新しい女優像が生まれたように思います。

年齢を重ねながらも、どこかあどけなさを残し独特な存在感を持つ彼女。今回の作品も台湾女性監督によるもの。アジアと言う世界でさらに活躍の場が広がり、永作博美と言う女性の魅力を広げてほしいです。


DVD・たこ焼きの詩

2016年04月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、企業のPR動画から映画化された、大阪人情コメディー作品。「たこ焼きの詩」です。

【YAMAZENジェネリック劇場特別編】たこ焼きの詩/前編

ジェネリック家電で有名なYAMAZENのPR動画が2014年のジェネリック家電大賞受賞記念として制作された動画を基に映画化されたもので、関西の小さな街の団地でつつましく暮らす母と子の人情劇場的な作品です。

関西のソウルフードたこ焼きをベースに、関西のマイナー的な要素がふんだんに盛り込めれていて、親子を取り巻く出演者もインド人タレントのサニーさんが、母の働く一風変わったたこ焼き屋のオーナー、亡き父役には、関西カリスマDJ澤田氏、娘の憧れのミュージシャンには関西のアカペラグループ、取材に来るテレビ局は、サンテレビと関西ローカル盛りだくさんのシチュエーションです。

物語のスタートは、真夏に貧しい家族に降りかかるエアコンの故障。猛暑、金欠に加え、娘の修学旅行の積立金と窮地に陥りながらも、懸命の母はたこ焼きを焼き続けます。そんな親子に、神様は見捨てることはなく、最後に素敵なプレゼント二人に届けてくれます。そのプレゼントは、誰もが想像できると思います。

とここまで紹介する間に、DVDを観なくてもほぼ完結出来ることがわかりました。DVDを観るか?動画の前後編で完結するか、それとも両方観るか?選ぶなのはあなた次第です。