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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

2017年映画館で観た作品ベスト10

2017年12月31日 | 【映画・ドラマ・演劇】

2017年もあと数時間と迫ってきました。今年はいつもより少ない40本を映画館で観てきましたが、個人的には、ララランドのヒットを除けば少し寂しい一年だったかなと思います。特にアカデミー賞ノミネート作品が、地味な作品が多く上映館の少なかったのも、その一因にあったと思います。

そんな中でもきらりと光る作品もあったので、海外映画&日本映画を含めて個人的なベスト10を紹介します。

10位 ユリゴコロ

吉高由里子、松山ケンイチ、松阪桃李共演のサイコパスミステリー。吉高のサイコパスキラー振りが良かった。

9位 追憶

こちらも、岡田准一、小栗旬、柄本佑、安藤サクラ、吉岡秀隆が共演。降旗監督と木村大作撮影のコンビで若手の俳優の個性をうまく導き出したヒューメンミステリー。

8位 愚行録

今や妻夫木聡の存在感は欠かせない。あの顔立ちとは裏腹な役柄をうまくこなしてます。ラストの結末にも注目してほしい。

最近は日本映画が個人的には上位を占めてましたが、ここからは海外映画です。

7位 LION/ライオン ~25年目のただいま~

グーグルアースで、自らの出生をたどる内容を詳細かつ壮大に描いたうまさがあります。

6位 ハクソー・リッジ

第二次大戦のテーマの秀作が多かった中で、自らの信念で銃を持たず敵味方関係なく兵士を助ける姿に涙しました。

5位 ドリーム

アカデミー賞作品賞にノミネートされた作品。人種差別の中NASAで働く三人の活躍に涙と感動を味わいました。

4位 はじまりへの旅

森の中で暮らす家族が母の遺言を果たすために町に出るロードムービー。サバイバル術を身に着けた子供たちと父の親子愛が心揺り動かせます。

ベスト3は、まさにもうけものの作品が並びます。

3位 ベイビー・ドライバー

前評判がなしで映画ファンが熱烈に評価した作品。カーチェイスと音楽を融合したノンストップラブストリー。クールでカッコイイ作品です。

2位 新感染 ファイナル・エクスプレス

最近韓国作品が紹介される機会が少なくなりましたが、文句なしに楽しめるゾンビ映画。サバイバルとゾンビを組み合わせ新手法にやられました。しかも泣けます。

1位 女神の見えざる手

今一番ほれ込んでいるジェシカ・チャステイン主演の作品。1位にあげるのは彼女への個人的な思いだけです。でも性悪なロビストを演じ、作品の内容もいい。ラストの逆転劇に溜飲がさがります。

以上独断偏見のベストテンです。DVDでぜひ鑑賞して感想を聞かせてもられたらうれしいです。

では、2018年も映画愛を中心にお届けします。今年一年ありがとうございました。

 


鈴木春信展 名古屋ボストン美術館

2017年12月29日 | 【美術鑑賞・イベント】

昨今北斎ブームにより浮世絵が注目されていますが、残念ながら北斎にとどまる傾向があり、奇想の画家として注目を浴びていいる歌川国芳が美術ファンの間で人気を得ているくらいで浮世絵の世界に対する認知度がまだ低いように思います。

名古屋ボストン美術館が平成31年3月をもって契約が満了。別れを惜しんで来館者が増えているタイミングで600点以上の鈴木春信コレクションを所蔵するボストン美術館名品展「鈴木春信」展が開催されていることは、浮世絵版画の世界を知る上でたいへん意義ある展覧会となっています。

鈴木春信は江戸中期の浮世絵師でそれまでモノクロの錦絵に色を加えた多色摺り木版画の先駆者。春信がいなければ、誰もが思い浮かべるその後の浮世絵の発展はなかったと言えます。その作品は、日本ではほとんど現存せず海外でもボストン美術館のコレクションを除けば僅か。そうした希少な春信の浮世絵を厳選して紹介しているのが今回の展覧会です。

その作品は中国の古事や古今和歌集のなどの神話説話にならい、当世風にアレンジしたユニークな作品やしなやかな手足が特徴の美人画、今のアイドル的な存在だった町娘をモチーフにした評判娘の作品など斬新かつアイデアに満ち溢れています。

当時の絵具は植物成分のため、色により光に弱く退色してしまう場合が多いそうで、ボストン美術館のコレクションは長く展示されることがなく良好な状態に保たれているそうです。その点でも名古屋の地で春信コレクションが公開されること自体貴重であると思います。

本展は1月12日まで開催。正月1日と9日を除き開催されます。初春のおめでたい時期に春信の浮世絵版画を楽しんでみてはどうでしょう。


ミュシャ展〜運命の女たち〜 松坂屋美術館

2017年12月28日 | 【美術鑑賞・イベント】

先日クイズ番組でも紹介されていた、2017年の企画美術展が紹介されましたが、国宝展、運慶展、草間彌生展、怖い絵展など話題の美術展を抜いて、晴れの1位に輝いたのが国立新美術館で開催された「ミュシャ展」でした。

アールヌーボを代表し、その装飾絵画には日本でも人気が高いミュシャですが、僕自身もそこまでの人気を博しているとは想像できなく東京でのミュシャ展は見逃してました。

今回、名古屋の松坂屋美術館で開催中のミュシャ展は、東京でのミュシャ展に比べれば、その規模ははるかに及びませんが、ミュシャのモチーフである女性像を通じて、その半生を知る上では、たいへんわかりやすい展覧会です。

女優サラ・ベルナールの作品により、ミュシャを人気画家としてスターダムに上らせた女優サラ・べルナールや装飾絵画のポスターにみられる女性、また彼の画家人生に影響をもたらした女性たちを通じてミュシャの画家活動を紹介する展覧会となっています。

展示されている作品は、彼の出世作となった装飾絵画のリトグラフポスター作品やデッサンや水彩画、油彩画作品など150点に及びます。特筆すべきは、古典絵画に独自の美意識を加えたような水彩画作品は、後のアールヌーボの作品につながる素晴らしがあり、その写実性において群を抜く力量を改めて感じました。2月18日まで開催されるもうひとつのミュシャ展を楽しんでみてください。




シャガール三次元の世界 名古屋市美術館

2017年12月27日 | 【美術鑑賞・イベント】

日本でもファンが多い20世紀を代表する画家・シャガール。ユダヤ系ロシア人として生まれた彼は、第二次大戦下でアメリカに亡命。フランスに戻ったシャガールが絵画だけでなく陶器などのオブジェを手掛けるようになりました。

今回の展覧会は、シャガールが創作した陶器やオブジェ作品にスポットをあてた三次元の世界がテーマになっています。

ピカソと比べ、あまり知られていない立体作品は、絵画と違い多方向から観賞することができ、表現の広がりを感じます。その作品は、絵画で観られる男女の愛ある情景や聖書や神話に題材を向けた作品など多岐にわたり、その表現方法も異なります。またカラフルな絵画の世界と異なり、ブロンズや大理石などテラコッタなど素材の特徴を生かした表現に新鮮さを感じます。また制作の上で描かれた下絵も素描と言うよりは水彩画に近いです。

また、今回の絵画作品はAOKIホールディングスの所蔵作品を中心に国内所蔵の作品で構成されていますが、国内でのシャガール作品の質量のすばらしさを感じました。

壁面に飾られた絵画と会場内に配置された立体作品を交互に観賞しながら、シャガールの愛ある世界を楽しんでみてください。きっと今までと違うシャガールの世界を堪能できると思います。


ディアスポラ・ナウ! 岐阜県美術館

2017年12月26日 | 【美術鑑賞・イベント】



岐阜県美術館でディアスポラ・ナウ!〜故郷をめぐる現代美術が開催中です。ディアスポラとは、古代ギリシャ語に由来する「まき散らされたもの」を意味し、第二次大戦後はユダヤ人の民族離散を、現在においては中東情勢などにみられる避難民による離散などを意味しています。

今回の展覧会は、中東出身の5人の現代美術家による作品を紹介しています。作家たちは、故郷を追われヨーロッパで各地に拠点を置きながら、自らの故郷への思いを絵画や彫刻、オブジェ、映像などを通じて自らの立場を主張しながら表現しています。

そこには、現代美術の持つ社会性が色濃くあり、どの表現も明快なメッセージ性を持ち誰もが理解しやすい作品です。

5人の作家は、政治色が強くあり相反する権力へ抵抗をアートで主張していますが、加えて日本人アーティストの現代美術ユニット、キュンチョメも東日本大震災の被災地を通じてディアスポラを表現し(正確には類似性ですが)決して遠く離れた世界ではない問題であることを示唆しています。

今、現代美術がもてはやされている状況下で、現代美術の表現を決して表面的な面白さだけにとどめることなく、こうしたテーマ性の強い展覧会で、作家が意図するものや表現の中にある観る者の深い思索として楽しめるのではないかと感じました。






映画 女神の見えざる手

2017年12月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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ジェシカ・チャステインが、性悪なロビストに挑んだ意欲作「女神の見えざる手」を鑑賞

先日紹介したユダヤ人を救った動物園で、動物愛にあふれた清楚な女性を演じたジェシカ・チャスティンが、今回挑んだのは、完アメリカでは、法案の賛否を陰で操るロビスト集団を束める完全無欠な女性スローンを熱演しています。さらに、今回は仕事のためなら何でもありの性悪女です。

そんな彼女が挑むのは、銃犯罪のアメリカで、銃規制法案を通すこと、かつての会社に反旗を翻し彼女を慕うチームを従えてヘッドハンティングの会社に。反対派の政治家たちに、情報力と予見力を駆使して賛成議員の取り込みを図ります。ジェシカ演じるスローンの姿が、ここまでやるのかと思うほど自分を疑わない。さらに、プライベートでは眠るのを抑えるために薬を常用し、ストレス解消のために男を買う。ここまで書くと何とひどい女だと思うでしょうが、そこは、ジャスティンのセクシーな魅力が存分に発揮され、こんな女に一度は溺れてみたいと感じるでしょう。

終盤では、自らの非情さにより窮地に立つのですが、ラストに切られるカードに、男ならずともほれぼれとします。

多種多様な役柄を演じ、すべてがジェシカ・チャスティンの魅力となって輝くを放つ。彼女のあふれるばかりの才能に久々に魅了されています。次のオスカーは間違いなく彼女の手にあると確信してます。


DVD エクスポーズ 暗闇の迷宮

2017年12月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、キアヌリーブスがNY市警で登場するサスペンススリラー「エクスポーズ 暗闇の迷宮」です。

内容は、キアヌ演じる刑事の同僚が地下鉄で殺害。キアヌが犯人捜すという内容。同時にイラク戦争に派遣された恋人を待つ女とその家族の生活が描かれていて、ここが、不気味な天使やギャングのボスの死、恋人の兵士の死とペットの死、さらに、ありえない恋人の妊娠とオカルト&スリラーのてんこ盛り。何とも退屈で合点がいかないのですが、ラストで急速につながっちゃいます。

今回の作品は、カリコレ2016の限定上映で、アマゾンプライムで視聴しましたが、たぶん良し悪しは分かれるところ。わざわざ映画館で観なくても、家でみればいいかなって感じですが、ラストの謎解きはかなり面白かったです。

でも、主人公のキアヌの存在感はまったくなし。恋人を待つ女がすべての主人公でした。キアヌ演じる主人公は、同僚の妻と出来ちゃって事件どころじゃなく、解決できないまま第二、第三の殺人事件が起こってしまうんですから。結局のところ彼女が主人公でした。なので、キアヌファンは観ない方がいいと思います。この邦題通り、キアヌ自身が暗闇の迷宮入りしてしまいました。

 

 


映画 ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命

2017年12月19日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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300人の命を救ったポーランド女性の実話に基づく映画「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」を観賞

僕の映画を観る上で一つのテーマとなっているのがホロコースト。ナチスドイツの政策により多くのユダヤ人の命が失われたことは誰もが知る真実ですが、ナチスドイツと戦い、多くのユダヤ人を救った実話による作品が生まれています。

今回の映画は、ポーランドの動物園を経営する夫婦により300人のユダヤ人を救い出した実話です。ヤンとアントニーナ夫妻が経営するポーランドワルシャワ動物園が、ドイツ侵攻による爆撃で存亡の危機に。さらに動物園は武器保管庫として使用されてしまいます。

動物園のスタッフであるユダヤ人を救うために始めたこと行為が、やがて300人ものユダヤ人救出へと広がるのですが、そこに至る夫婦と園のスタッフ、救出されるユダヤ人との極限下での人間愛が淡々と描かれていて徐々に観る人の心を揺さぶっていきます。また、残虐なシーンをストレートに描くことなく、ユダヤ人の恐怖への緊張感もうまく表現されています。

かつての友人であるドイツ人の動物学者がナチス党員となり、夫婦愛を阻んでいくのですが、この部分には賛否両論あるようです。しかしながら、ラストへの過程で夫妻を助ける息子の存在を考えると必要不可欠であったと思いました。

昨年から今年にかけて第二次大戦を舞台に、またホロコーストをテーマにした作品は数多くありました。今回の作品は世代を超えてぜひ見てもらいたいなと思う作品です。

今ニュースでは、エルサレムのイスラエル首都認定により、イスラエルとパレスチナとの紛争が激化しています。ホロコーストは、いまや一民族の問題としてではなく、地球市民の命の問題として考える必要があると思います。今回の作品も含めて、映画の使命は大きいと考えてます。

紛争なきは平和な地球をめざして。


DVD ひそひそ星

2017年12月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。園子音監督によるSFヒューマンドラマ「ひそひそ星」です。

今回の作品は、園子音監督が20代の時に書き下ろした絵コンテと脚本を基に2016年に制作されたオリジナルのSFヒューマンドラマで舞台は東日本大震災の被災地の富岡町、南相馬、浪江町の住人がキャストとして出演、また、ベテラン女優の森康子やカリスマミュージシャンの遠藤賢司が参加しています。

主人公はアンドロイドの宅配人、鈴木洋子。テレポーテーションにより瞬時に物体が移動できる世界で、彼女が運ぶ荷物は、何年もの年月をかけて運ばれる。アンドロイドである彼女には、その行為が理解できない。そうした中で、ひそひそ星に荷物を届けることに30デシベル以下の音でないと生きていけない世界で彼女から荷物を受け取った彼女の待ち受けた結末は。

主人公の演じるのは監督の妻で、作品にはかかせない神楽坂恵。モノクロームの世界の中で、レトロな宇宙船に乗り安アパートのような暮らしをする彼女の姿は無表情ではあるが、淡々と生活をする姿は、人間のごくありきたりな生活感が漂っていて、かつて抱ていたSF世界とは別に人間の生活は大きな進化を遂げていないことを知ります。

また、今回の舞台となった被災地は表向きの復興とは裏腹に、深い傷跡をのこした廃墟や打ち上げられた廃船の中に佇む人々の姿が忘却された人間の息遣いを静謐な空虚な世界の中で再び蘇らせてくれました。

文明の発展と共に消滅していく人間社会。自然の驚異によりもたらされた災害と共に進歩の中にある欠陥がもたらしたさらなる被害、20代の子音監督の着想が今に子音監督に引き継がれて、監督の持つ多様性を感じる作品でした。

 


DVD ガール・オン・ザ・トレイン

2017年12月13日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は全米ナンバー1ヒットとなったミステリー映画「ガール・オン・ザ・トレイン」です。

夫と離婚した女性が、ある夫婦の妻が蒸発したことから、事件に巻き込まれることで事件の真相を暴いていくミステリーですが、筋道の組み立てが実に巧みで面白いです。

今回の主要な登場人物は5人。元妻のレイチェルと夫のトム、現在の妻のアナに、隣人夫婦。列車の中で、かつての家に住むトムとアナを観ながらトムとの夫婦生活に思いを寄せるレイチェル、ある日隣人夫婦の妻の不倫現場を目撃、その妻が行方不明となる惨殺死体で発見されます。

レイチェルの過去の行動や当日のアリバイを事故で記憶がないことで、レイチェルに疑いがかかります。そこには、5人の主要な登場人物が事件の過去と現在を繰り返しながら、事件の真相へとたどり着く筋立てです。

レイチェル役のエミリーブラントと隣人の妻ヘイリーベネットの演技に注目です。レイチェルがアルコール依存症であることで、過去の自分が上書きされることで嘘と真実の境界線がない状態で進み、レイチェルに関わって人々の証言により、徐々に真相が明らかになるのですが、レイチェルの精神不安定な状態と死んだ隣人の妻の妖艶さと奔放さと対称的な二人が、実は観る人を惑わしていく見事な演出効果を持っていることに気づかされます。

観る者を視覚的にも惑わし、驚愕のラストへと進むミステリー作品ファンには必見の秀作です。


グリムスパンキーLIVE ダイヤモンドホール名古屋

2017年12月12日 | 【音楽・ライブ】

先日10日、GLIM SPANKYのライブに参戦してきました。今注目の若手ツーピースバンドのグリムスパンキー。先回のボトムラインでのライブに続き今回が2度目。70年代から80年代のロックフレバーを今に昇華するバンドで、個人的にも見続けていたいバンドです。

特にボーカル松尾レミの世界観には、中高年のロックファンもしびれさす魅力があります。彼女の父親に近い年齢の僕ですが、スズキムーブのCMでジャニスジョプリンのムーブオーバーのカバーを聴いて興味を持った人も多いかと思います。最近ではビオレUのCMでキャロルキングの名曲を披露し、ますますファン層を広げそうです。

さて、今回のライブ、ZEPP名古屋に次ぐ箱の大きさを誇る名古屋のロックの聖地のひとつであるダイヤモンドホール。9月のサードアルバムを中心に構成されていて、アルバムでは感じなかったパワーと完成度の高さを感じるライブでした。松尾レミのボーカルに心地よく絡む亀本寛貴のギターワークも前回に比べバージョンアップ。音楽に対して愚直に語るレミにとは対照的に寛貴のMCはパワフルなライブの空気を和ませてくれます。

来年の5月には日本武道館のライブをひかえるグリムスパンキー。ロックバンドの憧れに地に到達したバンドには、次への目標が定まっていて気負いがないです。レミが語る日本語のロックを世界に発信する最終目標も、彼女のロックに対する深い愛で実現すると確信してます。


木彫り動物美術館 ヤマザキマザック美術館

2017年12月11日 | 【美術鑑賞・イベント】

三重県在住の木彫り作家、はしもとみおさんの展覧会がヤマザキマザック美術館で開催されてます。

はしもとみおさんは、細密な描写で動物を彫る女性彫刻家です。2014年の三岸節子記念美術館での個展以来、2度目の鑑賞です。はしもとみおさんは、東京造形大学卒業後に愛知県立芸術大学大学院に学び、三重県員弁郡にアトリエを構え制作活動をされてます。

木彫作家は、硬い木と向き合う体力を要する仕事で女性作家は極めて少ないです。また、彼女のモチーフは動物で、細密描写による動物たちは、静かな息つかいを感じるほどに繊細で、女性らしい優しさとぬくもりがあります。

今回の展覧会でも撮影や作品に自由に触れることができます。木のぬくもりと共にその繊細な作風を目と手で感じてみてください。また、アールヌーボの滑らかな曲線や寄木細工の手法など調度品と共に展示された空間は、今までに観たことがない斬新な演出でした。

今回の展覧会は、はしもとみおの世界観を知る上で代表的な展覧会になると思います。また、来年戌年と相まって作家に依頼された個人作品や愛犬である月の作品や猫たちなど身近な存在の動物たちやオラウータンチンパンジーやラクダ、爬虫類など異国の生き物たちも登場し、日常生活とファンタジックな世界が同居する摩訶不思議な世界を体現できます。

東海を代表する都会のオアシス美術館で、はしもとみおが作る愛らしい動物たちとふれあってみてはどうでしょうか。




ドラマ 明日の約束

2017年12月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

井上真央ドラマ復帰作品「明日の約束」がすごい。

いよいよ、クライマックスを迎える「明日の約束」井上真央のドラマ復帰主演作となった本作、井上演じる私立高校のスクールカウンセラー日向が、自殺した男子高校生の死の真相をさぐる社会派ミステリーですが、事件に関係する登場人物の心の闇が次々と暴かれていき、どの回も飽きさせない魅力があります。

また、Gyao!とタイアップした、次の回の序章となるチェインストーリーも事件のなぞ解きに深みを与えていてドラマ手法として新鮮です。

最近の学園ものは、映画でも湊かなえ原作のミステリーがヒットするなど、かつての感動の青春ドラマとはかけ離れた存在ですが、次々に起こるいじめやスクールカースト、モンスターペアレンツなど学校を舞台にした犯罪すれすれの行為が明るみに出て、ドラマが担ってきた役割が、今こそ必要だと感じます。今回の作品は、その一翼を担う価値の高い作品だと思います。

あえて、難しいテーマを復帰作に選んだ井上真央もあっぱれですが、最近、その美しさの中に潜む不気味な役柄を演じている仲間由紀恵の演技にも感服してます。また、日向と深くかかわる役柄の俳優陣も若手、中堅も含めて熱演に好演と濃密な時間を作り上げています。

日本のドラマの歴史に残る傑作。まだ観ていない人も、GYAO!で無料配信されてるので来週の9話までにぜひ観てほしいです。


名古屋グランパスJ1復帰と風間サッカーへの系譜

2017年12月04日 | 【スポーツ】

地元の愛するチーム名古屋グランパスがJ1復帰を果たしました。昨シーズンのJ2降格、主力選手の退団、佐藤寿人選手の加入や玉田圭司選手の古巣復帰、そして川崎フロンターレ元監督の風間新監督就任と話題に事欠かないチームでしたが、J1復帰への道のりは険しいものでした。

最後は、0対0のスコアーレスドローでのJ1復帰。互角の戦いをしてきたアビスパ福岡との試合は熾烈でしたが攻守が入れ替わるスリリングな好ゲームでした。また、準決勝では、田口選手のゴールに対してインタビュー中にも浴びせられた千葉の一部サポーターのブーイングには、試合後に多くのグランパスファンが拍手を送っていただけに後味の悪さを感じてました。

この日、福岡のサポーターの最後にグランパスへ送られた祝福の拍手に感謝と共に来年のJ1復帰を心から願ってます。

J1では風間サッカーを引き継いだ鬼木監督の下で川崎フロンターレが悲願のリーグ初優勝を果たしました。川崎と名古屋、新旧の選手の活躍は不思議な縁を感じます。来シーズンは、先輩川崎選手の背中を追い越し、風間グランパスのサッカーを進化してほしいです。

今シーズン、ベンゲル、ストイコビッチ監督時代以上にサッカーの楽しさを感じるファンも多かったと思います。僕も狭いスペースでもパスを通し、自陣からつなぐサッカーに魅了されたひとりです。

こうしたサッカーを僕も含めてパスサッカーと感じ違いしている人も多かったと思いますが、風間監督自体がこの言葉を嫌い、ボールを奪われないというシンプルな言葉を用いているのには、深い哲学があるように思います。ボールを奪われなければ、負けることはない、それは選手個人にもチームに言えることですが、その意志の疎通には高い技術とポジショニングが必要だと思います。その意味でもグランパスは、発展途上にあると思いますが、その吸収力の速さはJ1復帰での試合に反映されていました。

代名詞となったショートパスに加え、シモビッチの楔として正確なロングパスからの攻撃もボールを奪われないサッカーの一つとしてプレーオフの2試合で証明され、横一線にディフェンス配し、相手のパスを読み切りカットする。統率と高い集中力と冷静な判断力も最後の試合で実を結びました。

J1復帰と同時に、主力選手の退団が騒がれていますが風間サッカーに魅力を感じ個人の進化を望む選手がいる限り、このチームの未来は明るいです。

来シーズンJ1で名古屋の風を起こしましょう。


DVD セトウツミ

2017年12月01日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、漫才的、青春映画池松壮亮&菅田将暉W主演による漫才的青春映画「セトウツミ」です。

コミック原作を大森立嗣監督により実写化、人気と実力を兼ね備え個性あふれる若手俳優の池松壮亮と菅田将暉により、高校生の放課後の無駄話をオムニバス形式で展開する異色の青春映画です。

川岸にある石畳の階段に座り、たわいのない話をほぼ続けるだけですが、菅田演じる瀬戸と池松演じる内海の会話が絶妙で、へたな漫才師を上回るほどのおもしろさがあります。

僕も、親しい友人と何となくつるみ、記憶にも残らない空虚な会話を続けていた高校時代がありましたが、この作品の無駄話は実に巧妙で、知的で頭の回転がいい内海とおもしろいことだけが取り柄のような瀬戸の会話が、見事なボケとツッコミの漫才芸として見事に昇華されてます。

漫画の実写化をあまり好まない僕も、原作の奥深さに参りましたと言わざる得ません。