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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

DVD ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

2018年04月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は実話に基づく映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」です。

猫や犬など身近な動物の存在は、時に人生を変えるもの。とりわけペット言う存在を超えて相棒ともいうべき動物たちとの出会いは僕も経験があるだけに大きいです。今回の作品は、まさに主人公の人生を180度展開した猫ボブとの人生が描かれています。

ロンドンでプロのミュージシャンを目指すジェームスは、ホームレス同然の生活を送ってましたが、茶虎の猫ボブと出会い、少しずつ人生が良い方向へ変化していきます。その変化は順風満帆ではなく、薬物への更生、別れた父と新しい家族との確執、恋人との出会いと別れ、ホームレス仲間とのトラブルなど、浮き沈みを繰り返しながら進みます。そんなジェームスの生活に常に寄り添っているのが愛猫のボブ。まさに夫唱婦随?の生活が笑いと悲しみを交え肌に感じる温かみが伝わる作品でした。


曝涼展 岐阜県美術館

2018年04月29日 | 【美術鑑賞・イベント】

ゴールデンウイークを利用して、美術館を訪れる方も多いかと思います。東海地方でも、ボズトン美術館の至宝展(名古屋ボストン美術館)、モネそれからの100年(名古屋市美術館)、ブリューゲル展(豊田市美術館)などの人気企画展が目白押しです。

この時期はたいへんな混雑がどこの企画展でも予想されるので、なるべくなら避けた方が良いと思ってます。

そこで、今回の岐阜県美術館で5月20日まで開催中の「曝涼展」をおすすめしたいと思います。

曝涼とは、天気の良い日に図書や衣類、道具などを日にさらして風を通す虫干しのこと。お寺でもお経や所蔵の品などに風を通す虫払い法要などが当たります。

美術館でも掛軸や道具、絵画などを収蔵庫から出して空気に晒したりします。今回は、そうした本来観ることができない状態を所蔵品から見せています。たとえば掛軸や道具を保管する桐箱と共に展示したり、絵画などの裏側を見せたり、床に設置した状態で立てかけるなど、従来の鑑賞の目線とは違う感覚で観賞できます。

また、学芸員による作品の採寸や点検なども再現公開されており、訪れた時には当館長の日比野克彦氏の段ボール作品を点検、撮影していました。

また、常設展示会場では、岐阜県美術館の目玉であるルドン・コレクションや現代美術家の故・坂倉新平展、川合玉堂のコレクターとして名高い杉山半次郎コレクションや荒川豊蔵をはじめ志野焼の作家により志野三昧などの展覧会もあわせて観賞できます。個人的に特筆したいのは、美濃で生まれた志野焼が一堂に並び、作陶の特色が比較でき良い展示でした。

緑と彫刻やオブジェが並ぶ緑豊かな庭園も魅力の美術館です。展覧会の高校生以下無料ですのでご家族で散策を楽しみながら観賞の機会を持たれたらどうでしょう。


DVD ニューヨーク ザ・ギャング・シティ 明日なき2人

2018年04月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回の作品は2014年アメリカ制作の日本未公開作品「ニューヨーク ザ・ギャング・シティ 明日なき2人」です。

舞台は1990年代のニューヨーク。ガンビーノファミリーの店を次々に襲ったカップルの実話に基づいた作品で、レイモンド・デ・フェリッタの監督作品でアンディ・ガルシアがマフィアの陰のボス役と制作に加わってます。主人公のカップルには、ゴーストインザシェルの出演したマイケル・ピットとミッドナイトインパリやマダムフローレンスニ出演のニナ・アリンダが演じてます。

金目当てとマフィアの店に入ればばれないとの単純な理由で犯行を重ねる場面は、まさにバカップルそのもの。次第に二人の置かれた環境や過去を知ると同情さえ感じ、見守ってる自分がいました。でも、その結末はかつてのボニー&クライドと同じく無惨な死を迎えます。現代のボニー&クライドと言われる実話だけに、最期は同様な雰囲気のクライマックスを迎えてほしかっただけに。不満が残りました。

ただし、マフィアと警察、マスコミと事件をめぐる三者三様の事情も垣間見れて、そこら辺をもう少し深読みさせてくれたら、単なるB級映画に終わらなかったのではと思えます。

 


絶望手帖 絶望名言員会編集/家入一真発案

2018年04月26日 | 【エッセイ・コラム】

 

久しぶりの読書コラム。今回は家入一真発案、絶望名言委員会編集の「絶望手帖」です。

本屋に行くのは好きで、気に入った本があると購入するのですが、とにかく本を読むのが遅いので、ついつい積まれた状態になってます。

美術鑑賞と映画鑑賞の視覚的生活のなかで、仕事柄、美術書はよく買うのですが、小説はあまり読まずもっぱら原作の映画化に終始してます。そんな中で、バーゲンブックコーナーなどで、気にとまったタイトルの本を買うことも。

今回の本もそんなタイトルに惹かれて購入。一年前から膝の半月板損傷によるリハビリ中に読みながら筋トレの日々で完了しました。

常々、諦めをポジティブシンキングという軽い言葉で問題解決してしまう人に嫌悪感を持っていて、希望は絶望の中から生まれると思っている僕にとっては、まさに共感できそうなタイトルでした。

発案者は、ひきこもりからIT起業家となった家入一真氏。歴史上の偉人から古今東西の有名人、さらにツイッター上の一般人まで人間関係や幸福、人生など様々な角度から絶望の言葉にまつわる名言がちりばめられています。名言の下部には、生み出した人物のプロフィールと背景が記されていて名言と共に人となりも知れておもしろい仕上がりです。

また、歴史上の偉人の人生を記され、その大半は常人には計り知れないほどに絶望的な人生を送っています。まさに絶望の淵から明言が生まれていることを証明しています。

氾濫する自己啓発本を読みあさるより、絶望手帖を常に手元に置いて読み返し、絶望の言葉の中から希望の光が見出されると思います。


DVD ザ・サークル

2018年04月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はエマ・ワトソン&トム・ハンクス共演の「ザ・サークル」です。

巨大SNS企業を舞台に展開されるサスペンスエンターテーメントのふれこみで話題となった本作。友人の紹介で就職した主人公が、プライベートをすべて公開することで、巻き起こる騒動とその結末を描いています。

主人公メイには、エマ・ワトソン。巨大SNS企業のトップ、ベイリー役には、トム・ハンクス。世界ナンバー1を誇るSNS企業サークル。新入社員のメイは、新プロジェクトのリーダーに抜擢され、家族も巻き込んだ完全オープンの情報開示の当人といてプロジェクトを成功に導きつつあったが、途中で起こった事件をきっかけに、ベイリーと対決するという内容です。

公開時にはかなり話題となりましたが、ソーシャルネットワークサービズに潜む光と闇を描くには、かなりシンプル過ぎる内容でした。企業の不正や問題を暴くサスペンス劇には、ドロドロとした人間の欲望が描かれてこそ魅力的ですが、現実的に近い形で作られた巨大企業の近未来的姿やジョブズ張りのプレゼンテーション、ソーシャルネットワークの希薄なつながりなど、外面と内面の内面が弊害となってか、メイの犯した罪やベイリーの野望がより強く強調できなかったかと思います。


DVD ゲット・アウト

2018年04月22日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はアカデミ―賞にノミネートされた話題のミステリー「ゲット・アウト」です。

 

公開後に本年度アカデミー賞の作品賞、主演男優賞など4部門にノミネートされたことで注目されている本作。公開時は、アメリカでのヒットもあって、ミステリーホラー好きには評価が高かった本作。僕も、公開時に観るつもりでいたのですが、気が付いた時には終了していたこともあってDVDを待ち望んでいました。

物語がアフリカ系アメリカ人の写真家クリスが、恋人の白人女性ローズの実家に訪れ、家族や親せき縁者の白人家族から歓迎されるも、メイドや同席していた黒人の姿から違和感を持つ中で、突然の監禁。家族や親せきの秘密を知り命がけの脱出を試みるという内容です。

ありそうで、ありえない内容ですが、白人と黒人の間にある差別意識を逆手に取った内容は、背筋も凍るホラー劇。さすがパラノーマル・アクティビティ、インシディアス、ヴィジットなどで知られるジェイソン・ブラムが製作しただけのことはあります。監督のジョーダン・ピールはアメリカでは有名なコメディアン、随所に散りばめられたブラックユーモア的要素があって、不気味な面白さもあります。

ただ、ラストでの惨劇によるクリスの結末が腑に落ちないところもありますが、監禁理由が、現時点ではありえない事象だと思うと内容はファンタジーで、アメリカも含め、どの国にも潜んでいる差別意識を逆手にとり、生きるための性みたいのものを感じました。

 


DVD 追憶の森

2018年04月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は渡辺謙主演のアメリカ映画「追憶の森」です。

マシュー・マコノミーと渡辺謙のW主演で、ミルクなどを手掛けたガス・ヴァン・サント監督が青木ヶ原樹海で出会った男を通して描かれたヒューマンミステリーです。

自殺をするために青木ヶ原樹海を訪れたアーサーは、ナカムラと名乗る男と出会う。ナカムラは、樹海で迷い助けを求めていた。取り合えず、ナカムラを助け出すことを決めたアーサー。二人は、樹海の中で困難を極める事態に遭遇していきます。

樹海を彷徨う中でアーサーは、ナカムラから妻との過去の出来事を話すようになり、自殺に及んだわけが徐々に導き出されていきます。ナカムラの過去は一切明かされることなく、アーサーは、やがて生きる選択へと進み、ラストでナカムラの存在が明らかになります。

出口の見えない樹海の中で、妻との過去を追憶しながら希望へと導き出される道程は、アーサーの人生の縮図です。日本では神の宿る場所とされる林や森。ガス・ヴァン・サント監督は、何んとも日本人らしい視点でとらえていると思いました。

自殺者の場所という、負のイメージが強くある青木ヶ原。僕にとっても新しい発見でした。 


映画 ロング,ロングバケーション

2018年04月17日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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ヘレン・ミレルとドナルド・サザーランドが共演のヒューマンロードムービー「ロング,ロングバケーション」を観賞

物語は、アルツハイマーを患っている元大学教授のジョンと末期がん患者の妻エラの老夫婦が、ヘミングウエイの暮らした家のあるキーウエストを目指してキャンピングカーで旅をするロードムービーです。監督は、イタリアの巨匠パオロ・ビルツィ。他の作品は観てないのですが、DVDで手に取って観たいと思う監督です。流れるBGMは70年代を彩ったジャニスジョプリンやキャロルキングの名曲とヘミングウエイの小説。二人の老夫婦が奏でるハーモニーに見事に呼応しています。

苦痛に耐えながら、断片的な記憶しかないジョンの介護とガイドをしながら、二人の過去の想い出をスライドでフィードバックするシーンや仲睦まじい夫婦が破れた写真をはりあわせるように過ごす姿が、何とも愛らしくエラの夫に対する愛情表現がストレートでユーモアがあり、悲壮感がなく旅の終着駅が幸せに包まれているようでした。でもラストで迎える夢の終焉は、複雑な思いにかられました。

夫婦というカタチが今はない僕にとって、エラの選択に口を挟む余地はありませんが、あなたなら何を思い、何を感じるでしょうか。


DVD 百万円と苦虫女

2018年04月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。2008年のタナダユキ監督作品で蒼井優主演の「百万円と苦虫女 」です。

今回もアマゾンプライムにて観賞しましたが、以前、テレビで再放映されていて何気なく見てましたが、改めて観て良い作品なので紹介したいと思います。

主人公は、短大卒業後に就職もせずアルバイト暮しをしていた蒼井優演じる佐藤鈴子が、あることから拘置所に入ってしまい、退所後に家族を離れて前科の知られないように、知らない町を転々とするロードムービーです。

こんな内容だと、とても暗い感じに思いますが、鈴子は望んで犯罪を犯したわけでなく、むしろ被害者で、前科者となってしまったことで、年の離れた優秀な弟が、イジメにあってしまいお受験も出来ず悲惨な目に遭ってしまいます。弟は、姉の強さをみて絆を深め、手紙を通じて励まされる中で、彼女もそうした弟の事情を知ることで新たな自分を見つけて前に進むドラマが素敵です。

また、登場する俳優陣も豪華で、今やだれもが認める実力派が脇を固めています。特に短い出演ですが、ピエール瀧の現在のキャスティングとは違う演技が良いです。のちに恋人となる学生役の森山未來も、この作品の重要な役割を担ってます。

イジメや犯罪歴のある人に向けられる視線など、いつの時代にも通用する社会派ドラマの要素も持っているのでいつ見ても、地味に心打たれる映画です。


DVD 結婚

2018年04月15日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ディーン・フジオカ主演の映画「結婚」です。

原作は、前回紹介した誰かの木琴の直木賞作家・井上荒野。監督は朝ドラでディーン・フジオカの火付け役となった西谷真一で、今回もアマゾンプライムで視聴しました。

物語は、ディーンフジオカ演じる結婚詐欺師の古海健児と4人の被害者と妻、そして謎の未亡人が健児を中心にうごめいていく恋愛ドラマです。うごめくと言っても、ドロドロした状況はなく、クールというよりは、爽やかな結婚詐欺師の隠された過去と内面に迫った感じです。ここら辺が、ディーンファンにとっては、何ともたまらないと思いますが、内容としては、とっても薄いものでした。

ディーン・フジオカは、国際俳優として、ミュージシャンとして、両面の才能は持っていると思いますが、日本映画やドラマでは、その存在感は薄らいでしまうような気がします。むしろ今回の作品は、妻役の貫地谷しほり、騙され役の安藤玉恵、柊子、中村映里子、松本若菜、そして萬田久子という異なる個性の女優陣が引き立った作品でした。

女性にとっては、ディーンの魅力が満ちた、男性にとっては、女優陣に惹かれる。それ以上でもそれ以下でもないです。興味のある方だけ観ればいいと思います。

 


DVD だれかの木琴

2018年04月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は常盤貴子主演で池松壮亮共演の「だれかの木琴」です。

物語は、常盤演じる平凡な主婦、小夜子が、引越し先の美容院でカットを担当した池松演じる美容師、海斗のお礼のメールをきっかけに、ストーカー行為へ発展。夫と美容師の恋人も巻き込んで、予想できない方向へと進むヒューマンドラマです。監督は、長きにわたり日本映画界を牽引してきた83歳のベテラン東陽一です。

スト―カーと言うと何とも執拗で陰険な行動に思えますが、小夜子の行動は、どこか違うものに思えて来るのですが、ラストで彼女の行為の真相がわかってきます。常盤と池松の年の離れた俳優の演技が実にうまく、この作品の臨場感に合っています。

誰もが、人を愛することに理性を超える自分では予想だにしない方向へと進むものです。小夜子の行動は、理性と本能のはざまで、微妙なバランスを保ちながら日常を過ごしています。そこには、向けられる対象が違うことが理解できるのではと思います。その意味でも、この作品はミステリー作品としても優れています。


DVD お父さんと伊藤さん

2018年04月10日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、2016年公開の上野樹里主演のヒューマンコメディー「お父さんと伊藤さん」です。

先週は、毎日映画館に通ってましたので、今回は少し休憩してアマゾンプライムで視聴してます。今回は、上野樹里主演にリリーフランキー、藤竜也によるヒューマンコメディー。原作は中澤日菜子の同名小説で、監督は、前年の大島優子主演で話題となったロマンスの女性監督のタナダユキです。

年の離れた上野演じる彩とリリーフランキーの演じる伊藤さんのカップルの生活に、藤竜也演じる彩の父が突然転がり込んできます。元教師の父と50代のフリーターの伊藤さん、父を嫌う娘の彩、性格も生活習慣も異なる日常を淡々と描き随所に細やかな笑いを誘う独特な視点があり、はまる人も多いと思います。

妻を亡くし、少しボケも入ってきている実直な親を渋い藤竜也が演じているのも何んとも良い感じです。僕にとっては、憧れのおとな的存在だった藤竜也さんが、老いを重ねて過去のイメージを払拭したのには驚きですが、そのことが、現役で活躍し新境地を開いたことで、今の竜也さんも好きになりました。

上野樹里は、相変わらずの独特な空気があって、はまり役でしょう。リリー・フランキーのキャラクターも本来のリリ―さんに近い役柄ではないかと思います。

観て損はない作品ですので、DVD等で観賞してみてください。


映画 ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

2018年04月09日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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ベルギー出身の孤高のファンションデザイナーに取材したドキュメンタリー映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」を観賞

若い頃から、服が好きでファッションに興味があったのですが、自分が着る服とは別に、服作りのベースに流れる感性やライフスタイルに興味が向き、ドキュメンタリー作品をよく見ます。少なからずアートという仕事に携わっている以上、やはり自身の感性を磨くことは不可欠で、ドキュメンタリーを観ていると、とても共感や気づきがあります。

今回の作品は、ベルギーのアントワープ王立芸術院のファッションデザイン科出身のアントワープの6人の一人、ドリス・ヴァン・ノッテンのデザイナーとしての軌跡とライフスタイルに切り込んでいます。

25年間、メンズとレディースのコレクションを年4回欠かすことなく行うパワーの源は、恋人と共に花に囲まれた大庭園に過し、仕事とプライベートに両面に真摯に熱中する姿勢に育まれています。二人の関係に、かつてのイブ・サンローランとピエール・ベルジュの関係を思い浮かびましたが、共通する美意識とは別に、ドリスには、サンローランとは異なる陽のあたる幸福を感じます。彼の成功と幸福は、チームと位置づける現場と公私共に歩んでいるパートナーの存在が大きいと思いました。

また、広告をせず、大企業の傘下に入ることを嫌い、世間の評価に左右されることなく、自身の感性を頼りに今あるデザイナーとしての姿をデザインに反映する姿は、まさに孤高という言葉にふさわしい芸術家といえます。

特に印象的なのは、美しいものへの飽くなき探求心。花に囲まれたプライベートな日常や仕事現場でのテキスタルに対する理念には、究極的な美意識を感じました。

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映画 レッド・スパロー

2018年04月07日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ジェニファー・ローレンス主演のスパイ映画「レッド・スパロー」を観賞

物語は、ジェニファー演じるロシアのバレリーナ、ドミニカが舞台中の事故で退団、病床の母親の面倒をみるために諜報機関の叔父によりスパイとなり、CIAの捜査官に接近しロシアのモグラを探り出すとい内容です。

ハンガーゲームのフランシス・ローレンス監督とあって、スパイアクションだと思い込んでましたが、美貌や肉体を利用し誘惑し情報を入手するタイトルのスワロー(雀)というスパイで、ジェニファー・ローレンスの持つイメージとはまったく正反対の妖艶な女スパイが魅力的です。

サスペンス仕立ての内容も二転三転のだまし合いで、ドミニクの置かれた環境が、うまく反映され最後まで謎解きが困難です。そこは、CIAのエージェント作家の原作だけあって巧みです。

しかし、ロシアのスパイの残忍さが際立ち背筋が寒くなるようなスリラー的要素も強く、アメリカ映画なのに徹底的にロシアの側面で描かれているのも、空恐ろしいです。

 


映画 パーティで女の子に話しかけるには

2018年04月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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へドウイグ・アンド・アングリーインチのジョン・キャメロン・ミッチェル監督の最新作「パーティで女の子に話しかけるには」を観賞。

 

いつの時代もロックが若者に大きな影響力を与えているのは事実で、そこから数々の青春映画が生まれています。特にイギリスにおいては、新しいロックムーブメントが生まれています。

今回の作品の舞台は1977年のロンドン郊外が舞台。パンクムーブメントがロンドンを席巻し、ファッションにおいても大きな影響を与えました。パンクロックが生き甲斐のさえない少年エンが、謎のパーティー会場で不思議な魅力を持つ美少女ザンと出会います。パーティー集団の決められたルールから逃れるようにエンとザンは、自由を求めて逃避行するという内容です。

ここまでは、ありふれた青春恋愛ものように思えますが、実はザンは謎の集団の異星人で、エンと出会うことで集団の秩序が次第に崩れるSF的展開が組み込まれてます。また、ザンを演じるエル・ファニングのキュートなエロスとパンクロッカーたちを束ねるボス役のニコール・キッドマンの大人のエロスがとても魅力的です。

パンクという新しい波とSFの世界が組み込めれることで、アナーキーな世界とファンタジックな世界が交錯しロックオペラのような趣向がユニークでした。

6月にはDVDも決定!パンクムーブメントを再現した音楽にファッション、そしてヘドウイグ・アンド・アングリーインチの名作を生みだした監督だからこそ出来た新たな青春音楽映画の世界をぜひ楽しんでほしいと思います。