2月12日の朝、
北朝鮮は弾道ミサイルの試験発射を行いました。
いつも北朝鮮はミサイルを日本海に向けて打ち上げるので、
地理的に確実な脅威でありますが、
今回はそのタイミングに政治的な意味も強かったんですね。
ちょうど、日本の安倍総理が訪米し、
トランプ大統領と首脳会談を行っている真っ最中。
北朝鮮専門家らは、金正日の誕生記念日である
2月16日の光明星節を迎えて雰囲気を盛り上げる意味もあるが、
そのタイミングから、
安全保障問題でどんどん強固となる
アメリカと日本に警告するまたは両国の関心を引くことに
今回のミサイル発射の狙いがあると分析しています。
両国の首脳は揃って、
北朝鮮のミサイル試験発射を非難する意を表明しましたが、
国際社会は今回の発射に対してさらなる経済制裁など
具体的な対応措置を取る動きを見せています。
安保理も緊急会合を行って、
安保理決議に反するミサイル試験発射を強く糾弾し、
国連制裁決議2270号と2321号の遵守を求める声明を出し、
引き続き追加制裁も採択すると見込まれています。
新しく発足したトランプ政権が北朝鮮に対して
基本的には強固な政策を取ると見られていますが、
今回の発射試験を機にその方向性が明らかになりました。
トランプ大統領は
「確かに、北朝鮮は大きな、大きな脅威である」との認識を表して、
国務部も強硬対応するとし、
中では「先制打撃」の可能性を提起する人物もいます。
先制打撃って、北朝鮮の核脅威を事前になくすために
先制的に攻撃するということですね。
ひょっとしたら関連国の軍備競争になってしまって
北東アジアの情勢をさらに不安にしかねないんですが、
トランプがモデルにしているレーガン大統領の時を思い出すと、
レーガン大統領は旧ソ連対策として
軍備増強を取りました。
経済力の弱いソ連を軍備競争に巻き込んで、
結局アメリカの軍備水準に及ばず経済だけが破綻、
旧ソ連の崩壊を導きました。
一つ希望は、トランプ大統領は、
ビジネスマン出身で、経済論理に徹して判断する人間ということです。
軍備競争をしたところ、確実に北朝鮮という脅威を取り除けないと判断したら
無駄な軍備増強で域内緊張感だけ増す状況は作らないと信じたいです。
逆に言えば、レーガン時代みたいに勝算があると見たら
圧倒的な軍備競争力で北朝鮮の首を締めるでしょう。
また、期待したいところは、ビジネスマン気性を発揮して
経済論理で北朝鮮を圧迫するということです。
今、北朝鮮に一番痛いのは
資金源を枯渇させる色々な経済制裁ですが、
お金の論理、お金の力で
望むことを得ようとするトランプ大統領のスタイルは
北朝鮮への強力な経済制裁の推進に追い風になるかもしれません。
この間、北朝鮮の核心勢力である国家保衛相が急きょ更迭となっり、
幹部の中で葛藤や暗闘が激化した結果ではないかと見られていますが、
夕方のニュースには、
金正恩の牽制勢力と見られる
金正日の長男、すなわち金正恩の義理の兄「金正男」が
海外を転々としている中マレーシアで殺害されたと報道されました。
金正男の殺害のニュースはこれまで何度かあったんですが、
こういううわさそのものが
金正恩政権の権力層が何らかの不安要因によって
分裂しているという証です。
好機かもしれません。
あともう少しの辛抱でこの理不尽なならず者の暴動が終わったら、
と思う今日の夜です。