「自由アジア放送」(RFA)より、面白い記事がありました。
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2016-10-07
アメリカを訪問中の韓国の北朝鮮人権団体「自由北朝鮮運動連合」の代表、朴氏は、数年前からこの団体が北朝鮮に送っている大型風船に1ドル札が入っていることを知った北朝鮮軍の将校らが自分の妻にピラの収集をさせていると、6日自由アジア放送に伝えてきました。
朴代表:ドルが入っているとのうわさが広まってからですね、去年DMZを渡って脱北した軍人の話によれば、それまでは韓国からピラが落ちると兵士らを山へ野原へ送って収集させていたのが、いつからかピラが落ちているというのに自分たちには何の指示もしなくなった。後で知ったが、将校らが自分の妻にその作業をさせていたそうです。何故かと聞くと、ドルが入っているからそれを拾うために…
それから、ピラが落ちるという話が入れば、将校が指示をしなくても兵士たちは自ら進んで収集に出ようとしたそうです。
朴代表は、ピラの100枚または200枚に1枚の割合で1ドル札を入れて北朝鮮に送っていますが、北朝鮮でピラの人気が相当高くなったと述べました。大型風船を利用してピラを送るのは、USBやCDなどに韓国ドラマを入れて送ることより北朝鮮に安全な情報流入方法であると強調しました。
朴代表:北朝鮮住民を危険にさらさないように、最も安全に情報を投入できる方法です。空から落ちてきたので全部読んだ後に回収して当局に提出すれば済みますから。つまり、見て終わりです。特に1ドル札はとても大事です。なぜなら、それで北朝鮮住民たちはコメを7~8キロ、トウモロコシを20キロ…これが生存にものすごく大事ですから。
(下略)
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北朝鮮に飛ばす大型風船の中に
宣伝ピラ以外にも
米ドルのようなお金や簡単な食糧など
実生活に使えるものも入っています。
重さに制限があるため、何を入れたらいいかは大事な問題ですね。
何を入れたらいいかー
お金、韓国ドラマ、世界ニュース、金正恩政権のウソ…
最近、北朝鮮の認識を変える情報の流入への関心が高まっていますが、
北朝鮮への制裁の強化で経済規模そのものが萎縮している中、
北朝鮮当局はそのマイナスを北朝鮮住民を使い潰して埋めており、
住民の生活はますます疲弊しているため、
確かにお金は役に立つはずです。
そのお金を貯めて、脱北する時にブローカーに支払う費用にするかもしれません。
しかし、
それを、住民ではなく、軍幹部がかき集めていくと聞くと
微妙な気持ちになりますね。
1ドルさえも自分のものにしようとする幹部の悪辣さへの怒り。
もはや、北朝鮮の幹部も資本主義に染まっているんだという皮肉、
そして体制崩壊の予感と確信。
また、幹部というものも敵側(=韓国)から送られるドルを拾うほど
生活が大変なのかという気の毒さ。
北朝鮮労働党創建71周年だった昨日。
核実験並みの軍事挑発が予想されましたが、
北朝鮮は意外と静かに記念日を過ごしました。
考えてみればこれが「正常」ですが、
何も騒がない北朝鮮に逆に違和感を感じる近頃です。