飛彩が正宗と行動を共にするのは、正宗の手にあるプロトガシャットで小姫を蘇らせるため。その心情を理解する永夢らは苦悩する。ゲーム病患者の治療をしようとしたエグゼイドをブレイブが攻撃。反撃できず変身を解除した永夢からブレイブはゲーマドライバーを奪う。小姫を蘇らせるためには患者の命をも顧みない。そんな飛彩らしくないやり方を非難する永夢に飛彩は・・・。
「5年前、小姫が消滅した原因は、俺との時間を過ごせないことに、ストレスを抱えていたからだ。
なのに俺は、無免許医を恨むことで、真実から目を背けていた。
小姫を殺したのは、俺だ」
という飛彩のセリフで、いろいろなことが氷解した34話です。
飛彩がいままで「闇医者」「お前のせいで小姫は!」と必要以上に大我を目の敵にしてきたのは
自分への後悔、自責の念から目をそらすための行動であって、
天才外科医として、私情を切り捨て冷静に(ときには冷酷に)働いてきたのも、
全ては「小姫ちゃんの最後の望みだから」
世界一のドクターにならなければいけない、そうでなければ許されない、
小姫ちゃんの望みに向かって全力で走り続けていれば、余計なことを考えずに済む。
自分に厳しく、曲がったことを許せない強さを持つ天才外科医の正体が
まさか、過去の罪と向き合うのを避け、逃げ続けていただけだったなんて。
前回の感想で、「飛彩は味方を裏切ったフリをしているのでは?」と書いたんですが、
100%それはないっていう流れでした。
もう完全に、張り詰めた糸が切れてしまった感じですよね。
でもやっぱり、そのことから目を逸らしたままでいることはできなかったはずだし、
いつかは向き合わざるを得ないことだったんだよな、これは。
そして、ね。それに対する大我の
「ずっと俺のことだけ恨んでりゃよかったのに」というセリフですよ。
あぁこの人は。全てを理解したうえで飛彩から憎まれる役を引き受け、
いずれはそれを背負ったまま、死ぬつもりだったのかと。
そう思ったら矢も盾もたまらず、
仮面ライダースナイプが同梱されてるブルーレイの購入ボタンを押してましたよ。
まぁ、買うなら早く買えば良かったのにって話ですよね。
届いたら、スナイプの感想文書きます。
そんな飛彩の様子を見た黎斗の言葉。
「永夢、鏡先生はきみの水晶にどう映る?」
「水晶」というのは、知らぬままゲーム病に感染させられてる永夢を揶揄する表現だと思ってたので
ここでまた引用してくるとは、正直違和感でした。
うーむ。バグスターとなった黎斗はいま、永夢のことをどう考えているんだろう?
ここで意見を求めるということは、とりあえず以前のようなモルモット扱いではない?のか。
でも、他人に敬意を払うような人格じゃないし、意見を求める?求めてるのか?
黎斗は他人の意見を求めるような人間じゃなかったよな???
まぁ。小姫ちゃんが消えたのは無免許医のせいだ、いややっぱり俺のせいだ、とかやってますが、
いちばん悪いのは黎斗だからね。なんかすごい蚊帳の外にいる感あるけど、お前のせいだぞ。
ともあれ。飛彩は全てを投げ打っても、小姫ちゃんが復活することを望んだ。
彼女ともう一度会いたいとか、笑顔を見たいとか、そういう自分と相手との関わりを求めてるんじゃなく、
贖罪のため。ただ、失った彼女の笑顔を取り戻すため。そこに自分の存在は求めていない、印象。
そうだな、これは、龍騎の蓮さんとおんなじだ。
彼女の命が取り戻せるなら、自分は地獄に堕ちることすら覚悟の上で。
まぁ蓮さんの場合は、恵里さん自身が蓮さんの犠牲の上での生還を望んでいないと理解しつつ、
それが俺の願いだから!それ以外のことなんか知るか!的な自分勝手なとこ、ありましたけどね。
しかし、小姫ちゃんだって飛彩を犠牲にしてまで復活したいなんて
思ってはいないんだ。おそらく。
「きっと、小姫さんだって同じ想いだったはずです!
あなたが医学の勉強に集中できるように、そう思って黙っていたんじゃないんですか!?」(
6話)
と、かつて永夢が飛彩に叫んだことがあったんですが。それが正解じゃないのか?
「世界で一番のドクターになって」という小姫ちゃんのセリフから察するに、
飛彩との時間を過ごせないことが、致命的なストレスを与えていたとは考えづらいのですよ。
「哀れだな、いまでも覚えているぞ、5年前消滅したあの女の気持ちを」(6話)
「失った恋人の亡霊に縛られ続ける、哀れな男だ」(今話)
というグラファイトの言葉も、そう考えると、
「小姫は飛彩のことをまったく恨んでなんかいなかったのに、
勝手に自分のせいだと決めつけ、自分を責め続けている飛彩」を「哀れ」だと、
序盤からずっと言ってるんじゃないのか。
それ、教えてあげてよ!(まぁ教えてあげる義理もないんだが)
さて報酬として小姫ちゃんをゲットできた飛彩ですが、
受け取った小姫ちゃんが「死の直前の5秒間をリピート再生するだけ」という
なんかもう、これだったら受け取らない方が良かったレベルの、発狂しそうな展開。
「鋼の錬金術師」で、亡くなったお母さんを錬成したら、
「人ではないモノ」が生まれてきちゃった恐怖に近い。
そう考えると、やはり「死者は蘇らない」という言葉が、重苦しくのしかかってくるな。それが真理か。
やっぱ魂はデータになんか換算できないよねーと流そうかと思いましたが、
実際に、記憶(ポッピー)も感情(グラファイト)も、別媒体で再生できてるんだよな。すごいよな。
ただ、人間を構成する100をデータ化して、その100のデータを完全に再構築できたとしても
それは元の人間とは言えないような気もする。うーむ。
さて、飛彩が望んでいたのは当然こんな結果じゃありませんが、
より多くのデータを望むなら、さらなる課金が必要だと要求してくる正宗。
なにがホワイト企業だ、鬼畜すぎる。殴れ、殴っていいぞ。
とは言え、だまされたも同然なんですが、ここで手をひくわけにはいかない泥沼状態で、もう。
「飛彩さん、僕に教えてくれましたよね? 僕たちドクターの事情は、患者には関係ない。
ドクターは、多くの患者の命を預かってる。私情に引きずられるなって・・・。
患者が苦しんでいるんです!」
「苦しんでいるのは、小姫も同じだ」
「だったらもう、手加減はしません。あなたに教えられたやり方で、あなたを切除する!」
「僕に教えてくれたこと」とは、
13話
「集中しろ。どうせ監察医のことでも思い出していたんだろうが、
お前の事情など、患者には関係ない」
「すみません、でも!
・・・ようやく貴利矢さんとわかりあえるようになれたんです。それなのに・・・」
「ドクターは多くの患者の命を預かっているんだ。私情に引きずられている暇はない」
というやりとりのことですね。
飛彩の心に訴える言葉であると同時に、貴利矢をに関わるエピソードでもあるというのが、
この後の展開から見て、うまいよなぁ。すごいなぁ。
「世界で一番のドクターになって」という小姫ちゃんの願いとは裏腹に、
とうとうドクターであることすら放棄してしまった飛彩。
永夢は、彼を「切除」すべきではなかったのか?
飛彩をリプログラミングすれば、彼を泥沼からすくいあげ、ドクターに戻すことができたんじゃないのか?
それとも、やはり泥沼で足掻くことになっても、過去と向き合わなければ、ドクターには戻れないのか。
関係ないけど、
「最悪の場合は、医師免許の取り消しだって!」と叫ぶポッピーの言葉に、
「いや、日本で取り消されても海外で取り直せばいいんじゃね?
世界一のドクターになるんだったら、日本に縛られてる必要ないべ」
とか思って見てた。そういう問題ではない。
バグスター編。
前回ので立ち直ったパラドが、さっそくクロノス攻略に動き始めます。
「なるほど。つまり裏を返せば、クロノスを攻略できるのも、ゲムデウスだけってことか」
実際には、ゲムデウス≦クロノス、っていう能力関係だと思うので、
ゲムデウスで攻略可能とは言い切れないと思うんですが、
まぁ、もっとも攻略に近いのはゲムデウスの使用だよな、やっぱり。
んで。バグスターの利点を活かし、ゲームデータに直接アクセスすることで
ゲムデウスに接触し、データをとってくることに成功。まじか。
ということは、ゲムデウスの出番ってこれだけかも。
「お前は、仮面ライダークロニクルを完成させるために、お前はひとりで戦い抜いた。
今度は俺が貢献する番だ」
と、自らの身を以てゲムデウスのウィルスを培養することを提案するグラファイトですが、
ぶっちゃけ、その信頼関係はグラファイトの一方通行なんじゃないかな。
いや、もともとがゲームキャラクターだから、そういう感情にドライであっても自然なんだけど。
むしろグラファイト、なんでそんなに仁義に熱いのか。いいやつだなお前。
「俺とおまえが手を組めば、無敵だぜ?」
永夢を誘いにくるパラド。
ゲームに関しては「自分がオリジナル」と断言するように、永夢を格下認定してるんだけど、
誘いにくるってことは、パラドの足らない部分を補う何かが、永夢にあるのかな?
それとも、ゲームの駒は多い方が良いっていう理屈か。
「ゲムデウスの力で、ポーズの力は封じた」
ゲムデウス、ポーズを封じることができるの!? ポーズは最後の切り札じゃないの!?
それじゃあクロノスでもゲムデウス攻略できないじゃん!
と、そこへ現れる謎の姿。
「ゲムデウスのウィルスは、彼のレベル0の力で抑制した」
「抑制」だよな。パラドたちは「ウィルスが消えた」と言ってたので、最初は
「リプログラミングの力? なんでそんなものが正宗サイドに・・・」
「は!貴利矢さんが復活したから!?」
「でも、貴利矢のデータだけではリプログラミングは完成しなかったはず。オリジナルの永夢のデータが・・・」
「あ!正宗も、最初のゲーム病患者と等しい存在じゃん!」
と一人でいろいろガッテンガッテンしてたんですが、
永夢のリプログラミングじゃねーよ、黎斗のレベル0の力だよ。
ってことは、「レベル0」のフィールド内で無効化されてるだけで、
「レベル0」がいなければ、再びゲムデウスの力は有効になるんじゃないですかね? 消せないよね?
しかし、なんでレベル0を正宗が持ってるんだよ。
黎斗が隠し部屋にしまったのは、ゼロデイ以降(正宗逮捕後)じゃないのか?
・・・いや、もしも劇場版(6年前)の直後に完成させていたとしたら、
正宗はそれをコピーすることが可能だったのか?
でもさぁ、クロノスの力と、新しいガシャットを作る力は別問題だよね?
新しいガシャットを作れるのは、現時点で黎斗と、作さんだけじゃないの?
あ。作さんってまだ幻夢コーポレーションにいるのか? ダメだよ手伝ったりしたら!!!
と、今回は疑問や謎がてんこもりでした。いろいろと、わからぬ。
その他。
ゲーマードライバーを奪われた永夢が「それは貴利矢さんが僕に託した・・・」と言ってて、
彼はちゃんと貴利矢の思いを受け継いで、それを忘れずに戦っていたんだなと思ったし。
黎斗が腐敗したゲーマードライバーを直してくれてて、それを受け取った表情が
「自分の愛機が返ってきた」みたいな感じで、すごく良かったです。
クロノスに対抗する最強のガシャットを開発する黎斗。
いよいよ最終フォームの登場か。もうそんな頃合いか。終わりが見えてきて切ない。
しかし、黎斗の性格から察するに、確実に「ゲンム専用」のガシャットを作ってるはずなんですが
展開からして永夢が使うことになるはず。
その経過を予想すると嫌な予感があります。黎斗、また消滅しちゃう?(まぁ悪党だからなぁ)
黎斗といえば、彼はバグスターウィルスの働きを抑制する機能があるので、
CRに座ってるだけで、ゲーム病患者の症状を緩和させることができるのでは? できるよね?
まぁ今話ではモニター内(おそらくモニターを通して見るゲーム世界の中)にいるので効果はないし、
呼び出したところで怒られるのが関の山なんですが。でもせっかく見えるところにいるのになぁ。な?
あと。
エグゼイドのキャラクターブックが今週届いたのでパラパラ読んでたんですけど、
貴利矢さんのインタビューのとこに「本編でも復活することが決まって」とあってですね。
ちょっと待ってそれ知らない!
この画像を見たネット上の声が「レーザー小さい」「女子じゃね?」って感じだったので
貴利矢じゃないと思ってたのでビックリしましたが。いやまだこれが貴利矢だとは確定してないけども。
でも、この工場と降りしきる雨のシーンが、
嫌が応にも、貴利矢の消えた日を思い出させて、胸熱でしたね。素晴らしい演出だった。
通常、ここまで太陽が差してるのに土砂降りのシーンだと、天候ばっかりはどうしようもないなとか思うんですが、
エグゼイドだとゲームエリアという設定だから、画面端に虹が入るほどの好天&土砂降りでも
それが異世界っぽくて逆にいいよね。
前のエピソード <<< >>> 次のエピソード